おととい、突然キレイな女性がやってきて「みつしろさんのおかげで人生変わりました。ありがとうございます」って言われるという、鶴の恩返しさながらのシチュエーションをリアルに体験したみつしろです。いやぁ、びっくりうれしかった♪

さて。
毎年、就活にかかわっていると、本当に「世の中で“正しい”と言われている就活法って、ぜんぜん的ハズレだなぁ」と思うことが多々あって、それがぼくの「マナーなんてどうでもいい。業界研究なんてしなくていい。一人称は“ぼく”でいいし、ノックの回数なんて気にするほうがアホ」という考え方をさらに押し進め、「押さえるところを押さえておけば、就活なんて大したことない」という考えが実証されていくのを感じております。

それこそこれまでも何度か書いたように、1社しか受けてないのに3社から内定をとった人や、公務員になろうとしてたのに、ぼくが無理やり「民間も受けたほうがいい」と言ってたら、「じゃあ1社だけ受けます!」と、電通だけを受けて内定をとった人たち。
それ以外にも、過去の猿基地の卒業生には、一般的な「正しい就活」と言われるやり方からすれば、「そんなの絶対ダメ!」、キャリアセンターの人に言わせれば信じられないような就活をしてきた学生たちがいます。


たとえば、リクルートに行ったK口くん。
彼はリクルートのES締切の時間を忘れていました。「ヤバい……!」と思ったときはもう締切まで数時間。そんなときにかぎって大学指定の履歴書がない。履歴書に貼る証明写真もない。そこで、K口君は、コンビニでアルバイト用の履歴書を買って、証明写真は私服でスピード写真。できあがったのは、当然「アルバイトちゃうねんぞ!?」と言われそうなほどの履歴書。

でも、数日後にはちゃんと通過の連絡。
さらにはその後の面接でも、話す内容をド忘れして言葉に詰まっちゃった。
そこでも彼は、「ちょっと待ってください」と言って、カバンから「ぼうけんの書」を取り出して、「ああ、ここです。この部分なんですけど……」と言って普通に話し始めるわけです。
それでもちゃんと内定をとる。


他にも、サイバーエージェントの関連会社に入社したK田くん。
最終的にできたのが「立命館のダークホース」というキャッチコピー。つまりは、最初は期待されなくても、そこから結果を残していく、と。そのキャッチコピーを携えて、彼は面接を受けていくのですが、せっかくちょっとカッコよさげなキャッチを作ったのに、面接ではいつも間違えるんです。

「ええと、ぼくは立命館の……ブラックホースです!」って。

それ、ただの「黒い馬」やん……と。

一度や二度じゃなくて、もう数えきれないくらい間違える。最終面接でも間違える。しかも、ときどき自分で間違ったことにも気づいてなかったりする。なのに、ちゃんと内定が出るんです。彼は最終的に5社の内定をとって就活を終えました。


他には、人材系のネットの会社に行ったF田さん。
一般的には「ノックはちゃんと3回しましょう」とか言われるわけです。ぼくはず~っと「マナーなんてどうでもいい」と言っているけれど、たまたま「ちょっとブログでも書いておこうかな」と思って、「ノックは3回じゃなくていい」という記事を書いたその日、彼女から言われた言葉を、ぼくは今でも忘れません。

「みつしろさん! 部屋に入るときって、ノックするもんなんですね!?」って。

もうびっくりしちゃいました。それまでの彼女は、部屋に入るときにはガチャっと扉を開けて、そこから顔だけを出して「あ、立命館大学のF田ですけれど、大丈夫ですか?」って言ってたそうです。ノックの回数どころの話じゃない。
そんな彼女は、某上場企業2社から内定をとって、人材の会社に入りました。


さらには、一人称の話。
ぼくが「一人称は“ぼく”でいい」と言っているので、どの面接でもずっと「ぼく」で通していたH尾くん。一次が通り、二次が通る。三次面接も通ったんだけれど、面接官から「“ぼく”は止めなさい」と言われちゃう。そりゃ不快に感じる相手もいるでしょう。指摘されたら、そりゃ直したほうがいい。

けれど、彼は止めない。

「やっぱりぼくは、“ぼく”で話したほうが自然にちゃんと話せるから」と言って、次の面接でも「ぼく」で通しちゃう。なのに、通る。さすがに最終面接の前には、人事担当者から「今回は“ぼく”は止めておきなね」って注意をされたそうです。さすがに志望度の高い会社の最終面接。

それでも彼は「ぼく」で通す。
で、結果的には内定。それ以外にも複数社の内定をとりました。


今年の学生からも面白い話を聞きました。
超人気の大手美容系メーカー(ゆ~ても今年の話なので、ちょっと氏名も社名もボヤかし気味で)から、先日内定をとったらしいんですが、彼女がESを提出したときの話。
ESの締切は昼の12時だったのですが、彼女はなぜか夜の12時だとカン違いをしていたようで、夕方の18時くらいに「ヤバいヤバい!!」と言いながら、必死でESを書いていました。そこで、ふと時間の間違いに気づいた、と。「もう、過ぎてるやん……」と。

そこからが彼女の凄さ。
「ゆ~ても受けようと思って書いたわけだから、そこは自分の区切りとして提出だけはしておこう」と、締切を6時間以上も過ぎているのにとりあえずエントリーだけは済ませたんです。

で、結果はなぜか「通過」。
その上、最終面接まで進んじゃう。
その最終面接当日に新幹線の中で気づいたのは、「生年月日の入力を間違えてる……!!」と、本来1995年生まれのはずなのに、なぜか1985年で入力してる。もう31歳……。そこで慌てて入力しなおしたらしいんですが、それでも結果的には内定をとった、と。


もうね、こういう学生たちを毎年見ていると、ホント「正しい就活」ってなんなんだろう、とつくづく思ってしまうんです。
もちろんすべての企業がそれを受け入れるわけではない以上、「リスクを減らす」という意味では、判断はそれぞれだと思います。
ただ、つまりぼくが言いたいのは、「そんなに世間の型に縛られなくていいかもよ?」ということです。あれもやらなきゃいけない、これもこうしなくちゃいけない。あれはダメで、こうじゃなきゃダメ。これが正しくて、それは間違い。

そんなことに気を取られて、気持ちが沈んじゃったり、それに合わせるために大事な時間を使ってしまうなんてもったいないし、むしろ有害である、と。
短い大学生活、短い就職活動の時期に、そんなことに気を取られたり時間を取られたりするよりも、まずは、そんなのがなくてもちゃんと信用を得られるだけの自分をわかっておくこと。そっちのほうが大事だし、それがなければマナーや何やらができていたって、信用にはつながりません。

変な情報があふれいている今だからこそ、まわりに振り回されることなく、自分のことを見つめましょう。

楽しく、気持ち良く、適当に!!