「就活本のロングセラー!」みたいな触れ込みで、時代遅れの発信をしている『面接の達人』がいまだに毎年更新しているフリして売り続けられていながら、なぜか多くの学生・新社会人に役立つはずの『時間塾』がもはや絶版になっている状況っていうのは、まさに現在の出版不況の波の中での出版社の規模によるものなのかと思わされたり関係なかったり…。
中谷彰宏というと、『面接の達人』がベストセラーなんだけれど、最近はといえばネット上に現れることなく、個人コンサルティングとかセミナーとかやってるんですね。個人レッスン、30分で5万円とか、「毎月色紙が届くよ」って言って12枚で6万5千円もしたり、なかなか羽振りのよいお仕事をされてるみたい。
いまだにバスバスと新刊を出してるようなんだけれど、ぼくはやっぱりこの本。
学生も新社会人も、とりあえずはこの本は読んどいたほうがいいです。
前職でも、新人が入ってきたらとりあえず、渡してた。
就活相談をした学生たちにも、紹介してます。
それくらい、社会人としての入門中の入門書。
そりゃ、ちょっと鼻につく「中谷節」みたいなのはあります。
それを含めても、社会人の一歩として、読んでおく価値がある。
出版年が1995年(20年前!)だから、「ポケベルが鳴ったら」とか「FAXで連絡を」とか「ビデオの登場によって」みたいな、「いまどき何を使って仕事してんねん」という部分はあったりはします。
でもね。
長考すると「ノー」という答えしか出ない急ぐ仕事ほど忙しい人に頼む会議は終わりの時間を確認しておく待ち時間には先輩の仕事を観察する「何をするか」ではなく「何をしないか」が大切歩くスピードでテンションを高められる仕事にかかる時間を事前に見積もる企画時間と作業時間を区別する
このへんの項目なんかは、ぼくの社会人としての基本の部分にしっかりと埋め込まれてるっていうくらいに、いまも変わらずにあります。もう、目次だけで社会人としての鉄則やノウハウがしっかり詰まってる。
こうしたギュギュッと詰まった「時間」に関するノウハウが101個。それぞれぴったり2ページずつ書かれてる。普段あんまり本を読まない人でも、3時間もあれば読めちゃうと思います。
たぶん、いま本屋さんに行くと、この『時間塾』で1項目にまとめられているような内容が、わざわざ1冊にまとめられてるような本もたくさんあるよなぁ、と思うくらいに、数冊分の情報がさらっと書かれてるんです。
なぜ、絶版なんだ…!と。
がんばってよ、サンマーク!と。
まあサンマークは、こういうお手軽本をスパスパ出すのが強みなのだろうけれど…。
amazonの中古なら、1円で買えちゃう(郵送料はかかるけど)。近くのちょっと大きいブックオフに行ったら、たぶん1,2冊は108円コーナーにあると思います。(猿基地にも貸出用で3冊くらいあります)。キンドルでも出ているみたいです。
これはね、学生や新社会人には本当におすすめの1冊。
とはいえ、読んだあとに「ポケベル買わなきゃ!」とかは考えないよ~に。
あと『面接の達人』は、「就活本のロングセラー!」とかじゃなくて、もう「就活本のゾンビ!」とかにすればいいのに。
あと『面接の達人』は、「就活本のロングセラー!」とかじゃなくて、もう「就活本のゾンビ!」とかにすればいいのに。
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