Yahoo!のトップニュースでも就活関連のニュースが出てましたね。

この記事の後半でも触れられているように、これからの時期は「オワハラ」の話も出てくると思います。「オワハラ」っていうのは、「内定を出すかわりに就活は終わりに」とか「内定出すから、他社を辞退しろ」とそういうやつですね。
記事中では「今のところは問題があるとは聞いていない」と、経団連会長もおっしゃっているようですが、そんなの企業から報告するはずがないわけで、相変わらず呑気な経団連。
ぼくのまわりでは、ポロポロと「オワハラ」については聞くので、今回はそれに関連する内容を。

結論から言えば、「オワハラは無視していいよ」です。
承諾を迫られたら、さっさと承諾しちゃいましょう。

そりゃ学生にしてみれば、変な契約書を書かされたり、言外に脅されたりしたらちょっと怯んじゃうのも仕方ありません。「承諾後に辞退したら、お前の大学からはもう採らない」とか言われたら、気が引けちゃうのもわかります。

それでも、ぜんぜん構いません。
法的にも、まず問題にはならないし、後輩に迷惑がかかることもまずないと思っていいと思います。先日の記事でも書いたように、ある程度の大学であれば、そんなのは企業が自分の首を締めることになるだけなので、たった一人や二人の辞退で、そんな選択をするなんてほぼありえない。(推薦状とかがある場合は別ですが)

もし万が一、訴訟や賠償というケースになるのは、よっぽど経営が危なくて、入社人数も2,3人しかいなくて、すでにパソコンや机やその他の備品を新入社員のために用意していて、入社直前に辞退を伝えられた、という場合くらい。それくらいのレアケースじゃなければ、賠償責任はまず発生しません。それくらい日本の「労働者」の地位は守られてる。

だから、どんどん内定は承諾してしまいましょう。
どんどん署名すればいいし、「今すぐ電話をして断りを入れなさい」とか言われたら、事前に携帯電話の電話帳に、「〇〇人事部」とか「△△採用担当」とかの名義で親や友だちの電話番号を登録しておけばいい。「今すぐ電話を」と言われたら、そこに電話をして、「申し訳ありません!!」とか言えばいい。ただし、笑っちゃわないように気をつけて、あくまでも神妙に……(笑)



なんでぼくは、採用担当の仕事の大変さを知っているのに、こう言うのか。
特に今年の採用担当の人たちは、例年に比べても本当に忙しくて、大変な採用活動をしています。そんな中で内定承諾後の辞退が発生するのは、さらに大変な状況を生み出すのもわかります。

でも、ぼくはどんどん承諾しちゃっていいと考えるのはなぜか。

それは、「内定出しの条件として、他社選考を辞退させるスタンスが大嫌い」だからです。

そんな採用担当なら、どんどん忙しくなってしまえばいいと考えているからです。
だって、採用担当のミッションは、「入社後に活躍する人材を確保して、入社させること」です。別に内定者数を確保することでもなければ、承諾者数を確保することでもない。あくまでも確保すべきは「入社する人数」なわけです。しかも、「活躍する可能性が高い人材を」です。

そのためには、入社する人たちが納得することが、何よりも重要。内定を出したら、次はどこまで「入りたい」と思わせるかが、採用担当の腕の見せどころ。

つまり、「他を断ってでも、この会社で働きたい!」と思わせることまでを含めて、採用担当の仕事なんです。

それを、「内定を出す側」という、見せかけだけの立場を利用して、無理やり承諾を迫る。学生たちの他の可能性を強制的に切ろうとする。
それって、親の七光りの権力と財力で結婚相手を見つけた田舎のボンボンが、「ぼ、ぼくと結婚するからには、ぼくのことを好きにならなきゃ、い、いけないんだな。他の男との接触は、ぜ、ぜったいに許さないんだな……」とか言ってるのと同じです。


自分の魅力で好きにさせてみろっつーーの!!
 です。


そんな迫り方をするなんて、採用担当としての意識もスキルも責任感もない。
内定レベルまで到達したら、企業と学生の立場は逆転するんです。そのレベルの学生に対しては、企業は自分たちの会社や仕事がいかに魅力的かを伝える責任がある。それをしないで辞退されて、「くそー!」なんて言うのはおカド違い。ただの力不足。
むしろ学生のみなさんは、「では、私を採用したいと思った理由をお聞かせください」くらい言ってみちゃえばいいんです。あれだけ学生に「当社を志望する理由は?」とか「入社したらどんな仕事を?」とか聞いてきたんだから、逆に「内定理由」や「入社後のイメージ」を聞いてみたらいいんじゃないでしょうか。

内定承諾はどんどんしちゃえばいいんです。
そんなことに悩んだり不安になったりする時間がムダ。その時間があったら、もっと自分に合った仕事を探しましょう。

ただし、何社も何社も「承諾」を抱えないように!
そして、承諾した会社よりも行きたい会社から内定が出たら、辞退報告は速やかに!
それだけはしっかり守って、どんどん承諾していきましょう。