2年ほど前に、新日本プロレスの社長が言った「すべてのジャンルはマニアが潰す」という発言がちょっと話題になりました。
つまりは、もともとのコアなマニアが「そんなのも知らね~のかよ」、「その程度の知識で語ってんじゃね~よ」と、どんどん排他的になって、ビギナーへの入口を狭めてしまう。それでファンの新規獲得や新陳代謝が起きなくなって、マーケットが縮小してマイナー化してしまう、と。

それはロックフェスのラインナップなんかにも表れていて、ぼく自身も2002年のサマソニでPUFFYやシャカラビッツが出てきたときは「ロック、ではないよね……?」と思ったりしたものです。
最近話題の『フリースタイルダンジョン』のR-指定さんも言っていました。
そもそも「これはダメ、あれはダメ」ってやりすぎたんで一回シーンが衰退したと思うんですよ。それは先輩たちも言ってます。
ぼくの大好きなボートレースでもやっぱり、レース場に行って、初めての人が舟券購入に戸惑ったりしていると、マニアのおっさんが列の後ろで「チッ」とか言ったりするわけです。

で、ですね。
これまたぼくの大好きな焼酎の世界でも、少なからずそうした部分がないこともなかったわけで。

もちろん根本的な部分では、焼酎というお酒ほど飲み手に選択肢の幅があるお酒はないし、一方で焼酎ほど誤解されているお酒も少ないとぼくは思っています。
蔵元たちだって本気で造っているし、本気で自分たちの理想のお酒を造っているからこそ、それを感じてほしいとも思ってる。

でも、だからこそ「わかってくれる人に……!」という想いも強くなっちゃう。
それが、
「乙類と甲類は違うから、炭酸で割るのはちょっと……」
「これは湯割りで飲んでほしい……!」
「ロックが焼酎の本質なんじゃなくて……」
という方向にもなっちゃったりすることもあるわけです。

ぼく自身も、基本的には猿基地でロックは出さないし、やっぱり水割りや湯割りこそが、焼酎の魅力が最大限に引き出される飲み方だと思っています。

ただ、そんな焼酎の世界も変わりつつある。
宮崎や鹿児島の若手の蔵元たちが、新しい焼酎、新しい飲み方を提案し始めています。

ソーダ割りや柑橘系のブレンド、アイスとの相性を試して、もっと焼酎を気軽に楽しめるような提案をし始めているわけです。蔵元の中には、「ソーダで割る」んじゃなくて、事前に割っておいた「前割り」に炭酸を混ぜ込ませる手法を採りはじめた人もいます。

そんな焼酎の新潮流の一翼を担うのが、宮崎の3蔵。

柳田酒造の柳田正さん。
渡邊酒造場の渡邊幸一朗さん。
小玉醸造の金丸潤平さん。

最近では季節モノの定番になりつつある「夏焼酎」というジャンルをいち早く見出して、3蔵がトリオを組んで、生み出した夏シリーズ。これがまたすごい。この夏焼酎を立ち上げる際に、彼ら3人は3つの約束をしたそうなんです。

1) 従来の焼酎を流用するのではなく、夏シリーズ用にイチから仕込む。
2) ビンを「夏の宮崎」のイメージを喚起するデザインにする。
3) アルコール度数は、宮崎の特徴を反映した20度にする。(一般的には25度)

この約束をベースに生み出された、宮崎3蔵の夏焼酎。

それが、
ついに、
今年も猿基地にやってきました~♪
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次々と新たなチャレンジを続ける宮崎の3蔵。
そしてさらには同じ想いを胸に、理想の焼酎を造る鹿児島のイケメン蔵元、小牧蒸留所の夏の小牧も含めて、計4種!! 夏の小牧は、去年のバージョンは「すげーやばかった」と、この界隈では話題です。今年はさてさてどうなっているか……!?

昨日おとといには、柳田さんからもいろんな話を聞きました。
それをツマミに、ぜひぜひ飲んでみてください。
ついに始まる本格焼酎 夏の陣~2016年~。
猿基地へ走れ!!!