「ドコモから内定が出そうです。
社員がみんな「チャレンジングな仕事」とか「新しい挑戦ができる」って言っていて、面白そうだなと思ったんです。「財務基盤もしっかりしてるからこそ、挑戦できる」とも言ってたし、良さそうだと思うんですよね」
って、学生が教えてくれました。

ほうほう。
たしかにサイトを見てみても、
ドコモはどんなことにもチャレンジしていく。

「ワクワクする未来に挑む挑戦心と、
「失敗を恐れない」行動力を発揮し、
「絶対にやり抜く」信念と覚悟をもって。
って書いてある。
 
名称未設定 2のコピー
求める人物像も「挑戦心×行動力」
dokomo
しかも説明会や面接で会う社員の人たちも、誰もがみんながそう言ってる、と。

なるほどそれはたしかに楽しそう。
ドコモほどの規模の会社が、それだけの挑戦と行動をしようとして、新しいサービスを生み出していくことに挑戦をさせてもらえる環境があるなら、なかなか楽しそうだし良い会社っぽいです。




本当にそうだったら、ですけど。



だってですよ?
もともと国営企業の関連会社で?
上層部は元NTTのおっさんばっかりで?
有給・ボーナス・各種手当が充実していて?
離職率も圧倒的に低くて?
利益額も利益率も毎年下がり続けてて?
iPhoneに参入するのも一番最後で?
昨年末には、1000億円以上かけたNOTTVの撤退を表明して?
グループ合わせて2万5000人もいて?


そんなドコモが??

どうやったら「チャレンジング」になりうるんだろう……???


ネタで言ってるのかな?
ぼくだったら、ドコモの言うことを信じられる感覚がよくわからない。
それってまるで、これまでヒモ生活をしていた兄ちゃんが「おれ、今日から生まれ変わる! マジでがんばる!」と言ってるのと変わらないような程度の話に見えちゃう。
すご~~~く肯定的に見積もって、「お!? やっとそろそろ尻に火がついてきたのかな? 本当の危機感を持ちはじめたのかな?」というくらい。と思いつつ「さてさて、どうなるかな。ま、変わらないだろうけどなぁ……」という程度。

だって、ドコモがここ数年でそれだけ「チャレンジング」に「新しい付加価値を生み出」そうとしていたとして、何か思いつく? ドコモが生み出したサービスで、ぼくらが知っているレベルのものって何があるんだろう?


ぼくだって、特定の企業をとりあげて悪いことをいいたいわけじゃないんです。書きたくない。
できればそういうアプローチのことは書きたいわけじゃない。
ただ、リアリティとして、肌感覚として、「それは嘘だわなぁ」と思っちゃうし、その感覚を感じてもらうには社名を出したほうがわかりやすいかな、と思うので出さざるをえなかったわけです。


これってつまり。
企業のマヌーサにかかっちゃダメだよ。
という話なんです。

「マヌーサ」って、ドラクエで相手に幻覚を見せる呪文。
その呪文にかかると、通常の状態で冷静に考えれば「違うだろ~」と思えるようなことでも、企業が発するキラキラ光線によって「わ~ステキ♪」と思っちゃう。そんな状態にさせられちゃう。そういう意味で、説明会や選考で出会う人たちだって、「うちの会社はこうなんだよ~」って良い会社っぽく思わせるアプローチをしてるだけかもしれないですよ~、と


たとえば、JTBがどんなに素敵なことを言っていたとしても、
自分が旅行するときに、JTBの代理店に行く人ってどれくらいいるんだろう?
新聞社が「新たなジャーナリズムを!」と言っていたとして、
自分のまわりで毎朝新聞を読んでる人ってどれくらいいるんだろう?


そういう適切な判断ができなくなっちゃうのが、就活なんです。
それが、就活病。

普通の感覚で考えれば、
ドコモが「チャレンジング」なわけはないし、
JTBが「まだまだ主力」なんてありえなく、
新聞社が「新しいジャーナリズムをうみだせる」とも思えない。

ってことは、企業が「いやいや、これからやで?」って言うのは、単に企業が「そんな会社になりたいなぁ」って思って、学生にそう思わせたいだけのことなのかもしれません。
学生のみなさんが、「自分がこんな学生だったらいいなぁ」って思っているのと同じように、企業だってそういうアプローチをしてきてる。

もうちょっと、自分の「普通の感覚」で企業をみていきましょう♪

企業と学生の「化かし合い」を終えるには、一人ひとりの学生の意識が変わることがスタート地点。
普通に考えたら「違うでしょ~(笑)」って思えるくらいのことのはずなのに、なんだかダマされちゃうような雰囲気がまかり通ってるのが、いまの就活なんです。