「就活に“正解”はない」と言われます。
先輩が言うことと、キャリアセンターの人が言うこと、企業の人が言うことと、親が言うこと、どれもそれぞれに彼らにとっての“正解”なんだろうけど、初めての就活だからどれを信じて、どれを無視すればいいのかわからなくなっちゃう。

でもね。
そもそも就活にかぎらず、人生におけるほとんどのことは、正解なんてないわけです。
あの子をオトす方法にも、おいしい味付けにも、営業の仕方にも、サッカーの戦術にも、子育てにも酒の美味しさにもボートの必勝法にも読むべき本にも、「これが正解」なんてものはありません。

だから、もう正解を探すのをやめましょう。

必要なのは「正解」じゃなくて、「納得解」です。

たとえばですね。
学生の多くが、「こんな自己PRでいいのかな……」、「どう書けば通るんだろう……」って考えちゃってると思うんです。それは、どこかにある「自己PRの正解」を探そうとしてるから、もしくは、企業の人たちが「それ、正解!」って言ってくれる文章を書こうとしているから、なんじゃないでしょうか。

でも、いったん振り返って考えてみてください。

その文章は、自分で納得してる?
自分の自己PRに、ちゃんと自分が納得できてる?
そこに書いてある自分は、本当に自分なのかな?

企業から選考されて落ちるのはもちろん嫌だとして、受かったときに本当に納得できるかどうか。他の誰でもない自分が、自分のことを伝える上で、自分がちゃんと納得できた上で、それを伝えようとしているのかどうか。

そこがポイントなんだと思うんです。

ぼくは、社会人として幸せな人生を送るのに大事なことって、
「自分」の評価軸に沿って、「他者」を利して生きること。
だと思っています。

それが、就活をしている学生たちを見ていると、
「他者」の評価軸に沿って、「自分」を利して生きること。
をしようとしている感じがしちゃうことがあります。

就活ゲームだって、別に「正解」なんかじゃありません。
何度も書いているように、あくまでもヒントであり、ツールでしかないんです。

ヒントを受けて、何を発見するかは自分しだい。ツールを使って、どう考えるかも自分しだいなんです。就活ゲームは、あくまでもその「自分を見えやすく」してみて、「自分を考えやすくする」お手伝いができたらいいな~、という程度のヒントとツール。
だから、就活ゲームには「しなくちゃいけない」ことは、ほとんどありません。

学生のみなさん(や、読んでくれている社会人の人たち)が、自分に納得しながら動けるようになったらいいな、と思って、ブログや『就活ゲーム』を書いています。
大事なのは「どこかにあるかもしれない正解」じゃなくて、「自分が納得できる答え」を考えること。せっかく自分の力で、第二の誕生日を迎える場所を選べる環境にある以上、まずはちゃんと自分が納得できることを大事にしたらいいと思うんです。できるだけ本気で。

それができたら、けっこうな確率で企業の人からも「納得」してもらえるようになります。これホント。
自分が納得していないことを伝えて、相手に納得してもらおうなんて、そりゃむずかしいに決まってます。それこそ「まだ正解探しで消耗してるの?」です。就活ごときで悩んでいたら、社会に出たら「正解のない問題」ばっかりです。もっと大変になっちゃう。
せっかくの就活という機会だからこそ、まずは自分が納得できる自分の答えを出してみましょ~う。