これまでそこそこの数の本の紹介をしてきたけれど、振り返ってみると「そういえば“ザ・就活”というジャンルで本の紹介ってしたことなかったなぁ」と気づきました。
なので、ぼくがこれまでに読んできた本の中から、就活中の学生が読んでみたらいいんじゃないかと思う本を10冊、選んでみましたので気が向いたら読んでみてください。
とりあえず今日は前編5作。


ド直球のタイトル。学内の生協なんかでも目にしたことがあるかと思いますが、新書の中ではおすすめランクでトップクラス。有名企業15社の人事系のエラい人が、ある程度は本音で(ある程度は建前的で)、新卒採用のスタンスや想い、エピソードを話してくれてます。
採用に対して、学生に対して、企業の人たちが考えていることを知るのに適した良書。
とはいえ、ゆ~てもこれを鵜呑みにするんじゃなくて、同書の内容を踏まえて、「じゃあ自分はどうしよう」と考えることが大事です。とりあえず企業の考えをぼや~っと知るために使うイメージ。あんまり線を引いたりしすぎないよ~に。(★★☆☆☆)

面接官の本音2009
辻 太一朗
日経BP社
2007-10-25

いまぼくが、よく参考にさせてもらっている曽和利光さんの元上司で、リクルートの採用責任者をやっていた辻太一郎さんの本。
就活で学生が誤解していることや思い込みを、やさしく詳しく現場の経験をもとにして、しっかり書いてくれています。ちょっと古い本だけど、就活の本質的な部分では変わっていません。
最近は「履修履歴面接」と言ったりして個人的にはちょっと「むむむ……」な部分もあるのですが、こっちの本は就活ゲームを考えるときにもヒントをもらいました。400ページ近くあるけれど、最後の100ページはいろんな会社の面接での質問内容がぶわ~っと羅列されているので、本体は300ページくらい。(★★★☆☆)


これまたリクルートの伝説の社員、藤原和博さんの本。
『「よのなか」の歩き方』シリーズの2冊目で、余裕があればどれも読んでほしいのだけれど、就活中の学生にとって、いちばんヒットする箇所が多いのが、これ。
仕事をする上で切っても切れない「お金」について、単に給与の多寡じゃなくて、仕事そのものに注目をして書かれています。しかも一般論ではなくて、藤原さん自身のこれまでのキャリアの具体的なエピソードも交えているので、とってもわかりやすい。15年以上も前の本なのに、いまだに褪せないどころか「ここまで見えてたの!?」というくらいに、いまでも通用する「よのなかの歩き方」を教えてくれます。あとは、そんな藤原さんがおすすめしている『手紙屋』も小説仕立ての就活本として良書です。(★★★★☆)

アイデアのちから
チップ ハース
日経BP社
2013-09-06

今回紹介する10冊のうち、唯一の外国人の本。
これはね。やばいです。むちゃくちゃおもしろい。
「就活、かんけーないじゃん」と思われるかもしれないけれど、内容は「いかにして“記憶に焼きつく”アイデアを生み出すか」について書いてある本です。つまりは自己PRや面接で、「どうやって面接官の記憶に自分を焼きつかせるか」を考える上で、役立つヒントが盛りだくさん。そんじょそこらの「自己PRの書き方」みたいな本を読むヒマがあったら、絶対にこっちを読んだほうがいいです。
外国人の本によくある「事例」なんかも、ぼくはいつも「ちょっと面倒くさいなぁ」と思っちゃうのですが、この本の事例にはほとんどストレスなし。いまのうちに読んでおけば、就活だけじゃなくSNSでも活用できるし、ビジネスにだって使える。これはぜひ!!(★★★★★)

キャリアの常識の嘘
金井 壽宏
朝日新聞社
2005-12

人事系の研究者で、学術的・科学的でありつつ、読みやすい本をたくさん出してる高橋俊介さんと金井壽宏さんの共著。タイトルの通り、一般的に「常識」とされていることについて、「そうじゃないよ」と教えてくれます。
特に高橋さんのキャリア論のベースにあるのが「動機」なので、用語的には違うけれど「キャラ」を理解しながら読んでみると、就活ゲームの理解度ももっと深まると思います。キャリア・アンカー、計画的偶発性理論、コンピタンシーなどなど、学術的な理論を現場の情報を交えながら書いてあるので、とってもお役立ち良書。
残念なのはこれまたKindleになっていないこと……。しかも目次がすごくざっくりしてるので、ホントもったいないです。(★★★★★)


以上、前編5作。
長くなっちゃうので、残りの5作はまた明日に~♪