世の中には「名経営者」と呼ばれる人はたくさんいて、日本ならば本田宗一郎や井深大、松下幸之助、最近の世界ではジェフ・ベゾスやジャック・ウェルチ、スティーブ・ジョブズなんかがよく取り上げられたりします。

ただですね。
ぼくは個人的に、「なんで安藤百福は、そこまで脚光を浴びないんだろう」とずっと疑問なんです。

そりゃ確かに冒頭の彼らは確かに名経営者だし、そこに異論はありません。
安藤百福だって、そりゃそれなりに「名経営者」として認められてはいます。
でも、世界に与えた影響、経営者としての素養、そして理想とする志という部分で、安藤百福は彼らに比肩するどころか、個人的には「実はもっと、凄くない?」と思っています。

なのに、立命館大学の学生ですら「アンドウモモフクって誰?」とか言うんです。
母校の先輩くらい、ちゃんと知っておいてほしい(怒)

安藤百福って、誰かというと「日清食品」の創業者。
約60年間にわたって世界中で愛される『チキンラーメン』や『カップヌードル』の開発者です。
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そりゃバイクや電気製品やITに比べたら、華々しさはないかもしれません。
でも、世界への影響力、本当に「これまでにない商品」を開発した真のイノベーターこそが安藤百福その人なんです。

他の名経営者が作り出したものは、いわば「足し算の商品」と言えます。
「自転車+エンジン」で、原動機付自転車。
「音響機器+小型化」の、ウォークマン。
「本屋さん+IT」のamazon。
「電話+音楽プレイヤー+インターネット」のiPhone。
これらは、これまでにあるものを足し算して生まれた商品です。

それに対して『チキンラーメン』って、過去になかったものを生み出した。
それは足し算ではなくて、まったくの新しい商品。それに加えて、いまだに売れ続け、50年以上もそれを超えるものが出てこないという意味で、正にイノベーティブな商品だと言えると思うんです。


そもそも安藤百福が『チキンラーメン』の開発に着手したのは、47歳のとき。
「これまでにない商品」である以上、先例も頼る人もいません。
まったくの無一文からスタートして、自宅の裏庭に建てたたった10平米の小屋で、たった一人で毎日開発を続けました。かつては一財を成して、戦後の失職者のために製塩事業をしたり、学校の設立までしていた人が、すべてをなくした後に始めたのが、「日本人の健康のため」のラーメン開発なんです。

それを、たった一人でやるんです。

つまり、研究者であり、
アイデアマンであり、
他者を考える人徳者であり、
世界に影響を与えた人。
その影響力が、半世紀以上も経った今も続いている。

これがイノベーターじゃなくてなんなんだろう、と。

そりゃ本田宗一郎や井深大、松下幸之助は素晴らしい経営者です。
ベゾスもウェルチもジョブズも、凄い商品・サービスを生み出しました。

それでもやっぱりぼくは、安藤百福こそが真のイノベーターであり、多くの人が知るべき名経営者だと思うんです。それこそ立命館大学の学生は、誇るべきぼくらの先輩から、もっと多くのことを学んだらいいと思うんです。
努力と執念とアイデアと理念と人への想いを兼ね備えた、世界に誇る日本の経営者 安藤百福から、ぼくらが学べることがたくさんあります。

日経新聞の『私の履歴書』に連載されてたものが、全文(!)このサイトで読めるようになっています。
ぜひぜひ、もっと安藤百福のことを知ってみてください。