「自己PRに使うエピソードは、ひとつに絞ったほうがいいですか? それとも複数のネタを使ったほうがいいですか?」
という質問を受けました。
基本的には「ケース・バイ・ケース」。
ではあるのだけれど、それじゃ身もフタもないのでもうちょっと説明してみます。

ぼくがこれまでに書いてきたものを考えてみると、大きく3つかな、と思っています。
自己PRそのものを「槍」みたいなイメージにすると、こんな感じ。
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わかります……?
1)はつまり、ひとつのエピソードで一点突破の「一本槍」タイプ
2)は、大きな主剣がありつつ、その周辺に3~4つで補完する「中太フォーク槍」タイプ。
3)は、2つのエピソードを絡ませながら相乗効果を生む「ロンギヌスの槍」みたいな感じのタイプ。

ひとつめの「一本槍」タイプは、普通にそのまんま。
ひとつのエピソードをしっかり説明して、その破壊力で通すやり方。
しっかりと書ききれば、ストーリーとして相手の頭に残りやすくなるので「もうこれで勝負する!」というくらいの強いエピソードを持ってる人や、たくさんのエピソードが出てこない場合は、この方式がいいかもしれません。

ふたつめの「中太フォーク槍」は、メインエピソードがありつつも、それを補完する別のエピソードも含ませていく方法。
ひとつのエピソードだけだと弱いと感じる場合や、あれもこれもと捨てられなかったり、優先順位が決めにくかったりする場合は、この方法がいいと思います。
この「中太フォーク」の特徴は、ひとつのエピソードをしっかりと伝えることができれば、「あのときも、このときも同じでした」と言うだけで、エピソードで表そうとしている意味(コンセプト)を増幅させられること。いざ面接でも、面接官の興味の範囲に引っかかりやすくなるという利点もあります。

そしてみっつめの「ロンギヌスの槍」タイプは、2つのエピソードを同量で盛り込むことで、印象を強化していく方法。
コンセプトを提示した上で、「バイトとサークル」とか「中学生のときのことと最近のこと」というように、別のエピソードに関して、同じ行動をしている部分をピックアップして並列的に説明をしていくことで、段階的に連打して理解させていく
エピソード内に押し出したいポイントが複数ある場合で、上記の2タイプでは破壊力が生まれにくそうな場合に、活用すると良いかもしれません。


もちろん3タイプといっても、簡単に分類したらこのへんかな、というだけであって、実際にはもうちょっといろいろ組み合わせて考えてみてもいいと思います。ただ、だいたいはこの3つのどれかでいいんじゃないかな、と。

そして、どのタイプを選ぶとしても、やっぱり常に大事なのはコンセプト
キャラであり、欲求です。
ひとつのエピソードだろうが、複数のエピソードだろうが、あくまでも伝えるべきことはひとつ。あんまりあれもこれもと考えすぎずに、「コンセプトを伝える、理解させる上で必要な情報」かどうかが絶対的な大前提です。

どんなエピソードであっても、それが「コンセプトを説明する言葉」でなければ意味がない。逆に言えば、コンセプトとのシンクロ率が高いものほど優先していきましょう。
それぞれのエピソードの中にも複数のポイントがあるはずです。それらの情報がどれくらいの強度でコンセプトとシンクロしているのか。それがエピソード選びや構成の作りかたのポイントです。

くれぐれも成果の大きさや実績の特殊性ばかりで選ばないよ~に。
大事なのは常にキャラ。
それを端的に、それでいて深く伝わることこそが、自己PRのポイントです~。