(2923字/5分/★★☆)
学生からちょいちょい聞く言葉がありまして、
「いろいろ考えてみたんですけど……」
「けっこう考えたんですけど、よくわからなくて……」
「悩んでるんですけど、どうすれば……」
というやつ。

ふむ。
ぼくとしては彼らの役に立ちたいし、彼らが何を考えて、どこで悩んでしまってるのかを聞きながら、何かしらすっきりしてもらえるような言葉を渡したい。彼らがいろいろ考えたことの話を聞きつつ、その人にとってのヒントや考え方の方向性をちょっとでも提示できたらうれしいな、と思うわけです。

とはいえ、
ど~にもいつも思ってしまうのが、
考えてへんやん!!
と。

というか、
それは「考える」じゃないぞう!??
と、思っちゃう。

何かしらうまくいかないときに、そりゃ「考える」のは大事です。人類は「考える」を積み重ねてきたからこそ、今の文明があります。
多くの人たちにとっても「考える」タイミングというのは、「何かしら目の前にあるうまくいかないこと」があるときが多いんじゃないかな、と思います。人はうまくいってるときはそんなに「考える」に切迫感がない。それこそ就活にしても、仕事にしても。
(とはいえ、うまくいってるときですら「考える」をできる人が、活躍してるんだろな~、というのはあるはず、というか絶対そう)

「悩む」と「考える」は、ぜんぜん別のもの。
んで、できるだけ「悩む」は、しないほうがいい。
とぼくは考えています。
もちろん世の中には、悩むのが好きな人もいるように見えます。あえて答えを出さずに、いろんな可能性を広げたり狭めたりしながら、自分の世界を散歩する楽しみだってある。答えが出ないことについて考えるのが楽しいこともある。

けれど、まあとりあえず就活や仕事の場合は、それだとちょいと具合が悪い(ことのほうが多い)。できれば、「悩む」よりも「考える」をできたほうが自分もうまくいくし、まわりからの評価も得やすくなると思うんです。

そういう意味で、いったん「悩む」と「考える」の違いをわかった上で、ちょいと「考える」もできるようになったほうがいいし、「考えてる」つもりで「悩んでる」だけにならないための方法について書いてみます。


ポイントは3つ。

まずひとつめは、
「悩む」人は、答えを出さない。
「考える」人は、答えを出す。

少なくとも、ぼくのまわりで「悩んでる」とか「考えてみたんですけど……」っていう人は、だいたいその人の「答え」がないんす。
別に正解じゃなくてもいいし、「とりあえず」で良いから、まずは「答え」を出してみようよ、とぼくはいつも思っちゃう。
「こうしてみようと思うんです」でも、「これが良さそな気がします」でも、「たぶんこれかなと思うんです」でも何でも良いのだけれど、「悩む」人にはそれがない。

「どうなんだろうと思ってて」、「こうしたほうがいいのかな」、「結局わからなくて……」って、いつまでも答えが出ないまま。
というか、そもそも何をどうしたいんだっけ? 何がどうなるとゴールなの? が、どうにもはっきり見えてなかったりするんです。

つまり何かというと、ひとつめは「テーマを決めよう」です。

「答え」を出すには、テーマや命題、目的、課題が大前提。
それがないまま「考える」フリをしてたら、そりゃどこにも行けません。目的地があってこそ、そのためのプロセスを考えられるし、正解か不正解かは「目的地に着いたか(近づいたか)どうか」でしかありません。
自宅であれこれ準備してるだけでは、目的地には一歩も近づくことはないですもん。不正解なら不正解で「じゃあもう一度」って、考えればいいだけです。


んで、ふたつめは、
「悩む」人は、ぜんぶを求める。
「考える」人は、切り分ける。

ゆ~たら「トレードオフ」というやつで、簡単にいえば「優先順位」です。
「悩む」人って、なんだか全部を並列で考えちゃってる気がします。「あれもしたいけど、これも大事。それもしなくちゃとは思いつつ、あれもあるし……。これしちゃうと、こうなっちゃう」って、いろんな要素を同じレベルで散らかしてしまって、しかも全部が満足できる状態を求めようとしたりして。そりゃ、全部を得られる「答え」は見つかりにくい。

だから、いったん大事なものの優先順位を決めてみません?
いま目の前で考えたいこと(テーマ)があるとして、何が大事なクリア要因なのか。どれが得られたら、何はなくてもいいのか。あれとこれはどっちのほうが大事なのか。そもそものテーマを達成するために、必要な要素はどれなのか。その順位はどうなってる?
そういうものを、ぜんぶ並列で「全部を得よう」として考えちゃうと、そんな都合の良い話はない。というか、まだそれができないから悩んじゃってる、ってことだったりしませんか。そのへんを切り分けて考えて、とりあえず優先順位の高いものからクリアしていったら、そのうち全部を得られるようになるかもしれないよ、と。

そういう意味で、とりあえず「優先順位」を決めると、判断軸ができて比重のかけ方を決められるようになりそうじゃないですか?


そして3つめ。
「悩む」人は、手持ちでどうにかしようとする。
「考える」人は、自分の世界を広げてく。

これって、単純に「知識や情報」です。
知識がなければ考えられない、とは言わないし、あらゆる情報を集めなくちゃ考えたって意味がない、とも言いません。
ただ、そりゃ知識や情報が多いほうが、考えられる幅が広がる、選択肢が増える。多けりゃいいってもんではないけれど、少ないことと比べたらそれなりに多いほうがヒット率は上がりそう。

悩んじゃう人って、「選択肢が少ない」んだと思います。
というより、「選択肢が少ないと悩みは増える」というほうが、より正確かもしれない。

ストレートしかないピッチャーがチェンジアップを学ぶことによっt……(喩え話をいろいろ書きたいのをグッとこらえて)

その「選択肢」を増やすのって、やっぱり知識や情報なんですよね。
それこそ別に世の中のあらゆる知識や情報を知ろうって話ではなくて、ここまでの2つ「テーマ」と「優先順位」が決まってたら、それにかかわる情報を調べていけばいい。
自分のテーマに沿った優先順位を踏まえて、そこにかかわる知識や情報が増えたら、今まで知らなかった選択肢、気づかなかった方向性が現れるに決まってます。

それなりに「悩む」ことがあったとして、「考える」ためにテーマと優先順位を決めたなら、たぶんそれは自分にとって、世界を広げるきっかけとして、むっちゃ有意義な入口だと思うんですぼくは。

だからこそ、この3つ「テーマ×優先順位×情報」で考えて、さっさと「悩む」から脱出してみたらどうでしょう~、と。

んで、この3つを踏まえつつ、最後に何より大事なことが、
「考える」ための一番のツールは「言葉」やで! という相変わらずの基礎中の基礎の大切さについてお伝えした上で、今日のところは終わりとしたいと思います。

長々とごめんなさい。
もちょっと短い記事を心がけていきます……。


追:
以上の記事を読んでくれた学生は、「どうすればいいんでしょう……」じゃなくて、「とりあえずこう考えてみたんすけど、どうすか?」って聞いてくださいね♪ 「考える」を習慣にするのって大事っす。


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