「あんまり自分が知りたいことが聞けないんですけど……」
って、OB訪問について学生に質問されて答えたときの話。

たとえば、
「どういったお仕事をされているんですか?」
「仕事のやりがいって、どんなときに感じますか?」
「社内の雰囲気や取引先との関係って、どうですか?」
学生がOB訪問や説明会で質問をするときって、たぶんこんな感じで質問をすると思うんです。でも、こういう質問をしたら、基本的に自分がほしい情報が入ってくる可能性は低い、と思ったほうがいいです。

なんでか、わかります?
この3つの質問に共通する「質問下手」になっちゃってる部分。

もちろんこういう質問の仕方がぜんぶダメ、ってわけじゃありません。
使うタイミングの問題。
何かしら知りたいことがあって、それをちゃんと聞こうとするなら、この質問の仕方はあんまり適切じゃないんです。

というのも、これらの質問に共通するのが、どれも「どう?」で聞いてるから。

「どんなお仕事?」
「どんなとき?」
「どうですか?」

同じように、
「将来の夢は何ですか?」
「いま会社が抱えている問題は何ですか?」
「新入社員に求める要素は何ですか?」
もそう。
こうした質問は、「拡大質問」といって、相手の答えに幅を持たせる質問の仕方です。
「何?」とか「どう?」だと、「だいたいこのあたりの部分で、あなたが答えたいことを答えてくださいね~」というスタンスになるわけです。
だから、自分に何かしら「知りたいこと」がある場合には、必ずしもピンポイントで相手がそれを答えてくれるとはかぎらない。


こうした「拡大質問」をしちゃうから、相手は「知りたいこと」に答えてくれない。
じゃあ、どうするか?

「拡大質問」とは別に、「限定質問」というものがあります。
それは、その名の通り、答えを限定する質問。

つまり、「YES」か「NO」かで答えられるような質問の仕方。

自分が知りたいことがあるなら、
「ぼくはこういうことをやりたいんですが、そんな環境はありますか?」
「ぼくはこんな人間で、こういうことを考えているんだけれど、それはできますか?」
「ぼくは社内恋愛で結婚したいんですが、それは認められていますか?」
って、訊く。

知りたいことがあるなら、それを提示して「YES」か「NO」で答えられるように質問をする。
そうすることで、相手は「なるほど、そのへんの話が聞きたいのね」とわかってくれる。んで、その質問に対して答えてくれるわけです。

その上で、相手の返答に対して、「それってたとえば?」とか「どんな感じで?」とか「何があるの?」と拡大質問でつなげていく。そうすることで、自分が知りたいことをピンポイントで知った上で、その周辺にあるより具体的な情報を仕入れることができるようになるんです。

普通に仕事ができる人だったら、最初の拡大質問をしただけで、そのまま続けて詳しく話をしてくれるはずです。

「今の時期、何をしたらいいですか?」
「これからどうしていけばいいですか?」
「どんな感じで就活を進めればいいでしょう…?」
こう聞かれたら、そりゃ相手は自分の好きなように話したくなっちゃう。相手もいろんな情報を持っています。それを漠然と拾おうとしたら、そりゃ拾える情報も狙いどおりとはいきにくい。
取材やインタビューが上手な人は、こうした拡大質問と限定質問を使い分けながら、必要な情報を仕入れていきます。トップセールスもそう。日常会話でもそうです。

ぜひぜひ意識的に拡大&限定を使い分けて、必要な情報を仕入れていきましょう♪