(2286字/4分/★★★)
ブログ記事数が900本くらいあって、歳も重ねてくると、さすがにどうにも過去に何を書いたか忘れちゃうことがあります。
「これ、大事なことだし書いておくか~!」と思って、1000文字くらい書いたあたりで、ふと「もしや……?」と思って過去の記事を調べてみると、もう書いたことがあったりするし、逆に「これはどこかで書いたはず」と思って、学生に読んでもらおうと思って記事検索をしてもぜんぜん出てこなくて「書いてないんや!?」と気づくこともあって、ぼくの記憶力もポンコツになりさがりつつあります。

今日の記事は、その後者のほう。
書いたことがあると思っていたら、ぜ~んぜん見つからない。書いたはずだったのにな~、という内容。でありつつ、むしろ最近のほうが役に立つことがあるんじゃないかな、と思ってます。

というのもそれは、ぼくが会社員時代の同僚から教えてもらった考え方。
営業のその人は、同期どころか全社でもむちゃくちゃ売れてる人で、偏差値の高い大学を出ているわけでもないし、本人も「自分は頭がいいわけじゃない」と言っているのだけれど、いつでも成果はトップクラス。お客さんからもかわいがられつつ信用されてて、もちろん社内でも一目置かれてる。そんな存在の人。


その人が言うには、営業として売れている理由の一番のポイントは、
「相手が求めているものを感じとる感覚は、人よりも強いかもしれない」
だそうです。
たしかにそれはそうで、営業の場面だけじゃなくて日常においても相手が何を感じていて、何を求めているのか、自分の言動に対して相手はどう捉えているのかを察知する感覚は、他の人よりも高いよな~、とぼくも思っていました。

ただ、それはもちろんありつつも、それだけじゃないんです。
だって、もしそれが「仕事ができる人」の要因だとして、それは必ずしも他の人が同じように真似できるものじゃない。その人独自の特性だし、汎用的に活用するのはむずかしいわけです。

それよりも、ぼくがその人と接していて何度となく聞いた「口ぐせ」にこそ、仕事で成功する理由が込められてるな~と思ってます。

その「口ぐせ」はふたつあって、ひとつは、
「気のせい」
なんです。

あまりに単純。
これだけを聞いて、それが「仕事で成功する理由」といっても、ピンときにくいかもしれないけれど、今の学生たちにこそ、この感覚を大事にしてほしいな、と。

基本的にネガティブなことについて、気にしない。
「誰かから嫌われてるかも」なんて、気のせい。
「こうしたら怒られるかも……」も、気のせい。
「まわりから、こう思われるかも」だって、気のせい。
「嫌なことがあって、イライラ」しても、それは気のせい。
何なら「ちょっと体調が悪い」ことさえ、その人にとっては「気のせい」だったりします。

曰く「中学も高校も、スポーツができたわけじゃないけど、長距離走だけはいつも学内トップだった」そうで、それは技術や体力よりも、単純に「しんどい」と思わずに走ればいいだけだから、なんですって。すげえ。

明確に現象として起きていないこと、これから起きるかもしれないけれどまだ起きていないことは、ぜんぶ気のせい。実際に起きていることさえも、認知してしまうことでエネルギーが落ちるものならば、それも気のせい。
つまり、自分のメンタルを阻害するものを、とりあえず「気のせい」だと思うこと。
それこそ失敗過敏症に陥りがちな人は、ちょっと口ぐせにしてみても良いんじゃないかな~と思うんです。


そしてもう一つの口ぐせが、
「間違えちゃった」
です。

どういうことかというと、その人は失敗をしません。
なんでかというと、何かがうまくいかなくて、人から叱られたり、期待に応えられなかったりしても、それは「間違えた」だけだから、なんですね。
今回は最適な方法でできなかっただけ。そして、一度間違えたから、次はそれをやらなければいいだけで、くよくよしてても意味がない。ただただ、「今回はやり方を間違えちゃった(から、次に活かすだけ)」です。
アインシュタインやエジソンの名言よりも、とっても日常的。

しかも、この「間違えちゃった」の前提には、ゆ~ても失敗に見えたとしてもそれは「気のせい」があるわけです。
それで嫌われるかもしれない、評価が下がるかもしれないなんてことは「気のせい」だとして、とりあえず今回は「間違えちゃった」だけだから、さっさと次にいきましょう、ヘコんでる時間がもったいないよね、とすぐに次に動いていける。
日常的にそれを繰り返していたら、たしかに経験も増えるし、メンタルも健全に保てるし、仕事ができるようになれそうです。


この「気のせいスピリット」「間違えちゃったスタンス」は、ホント今こそ学生の口ぐせになったらいいのにな~、と思います。まさに、失敗過敏症から抜け出すための処方箋。

不安になったり、心配になったり、しんどくなったら、とりあえず「気のせい」。
失敗したり、うまくいかなかったり、誰かに怒られたりしたら、「まちがえた」。
んで、さっさと次に目を向ける。

とっても単純で、日常的な言葉でありながら、けっこう大事じゃないかな~。
就活でも仕事でも、ちょいちょいミスしたくらいで死んだりしません。むしろ、それを気に病みすぎるから、しんどくなっちゃう。それならちょっとした口ぐせで「気のせい気のせい~」、「また間違えた~」とか言って、これからにつなげていったほうが楽しくすごせると思います。

言霊って、ある意味で自己催眠だと思います。
んで、口ぐせは言霊になりえます、たぶん。
なので、自分にとって都合のいい自己催眠をかけていくのもありかもしれませんよ~。