ここまで3日間で書いてきた、学生の三大疾病。
どれだけ「就活っぽいこと」をしたとして、三大疾病を治さないことには始まらない。
自己分析や業界研究なんて後まわし、というかむしろそこから始めちゃうから、就活はうまくいきにくい。

いったん振り返っておきましょう。
就活病
変に高度化・複雑化した就活を「それが常識あたりまえ」と捉えてしまって、非日常的な「就活」っぽいことを「やらなきゃいけない」と思い込んじゃってしまい、どんどんどんどん本来の自分から離れていっちゃう病気。
失敗過敏症
「こんなことしていいのかな……?」 「こうしたら何か言われるかも…」と、過剰に失敗に敏感になっちゃって、意見を言えずやりたいことをできなくなるビョーキ。
MNAS
他者や社会から「もらうこと」が当たり前になって、「与える・返す」ことに意識をもてなくなった結果、自分の欲求や満足ばかりに目が向いちゃうビョーキ。

それこそ最初の記事にも書いたように、これって就活をしている学生たちだけじゃなくて、義務教育の子どもたちや高校生、さらには社会人でも老いも若きも感染してる人がたくさんいます。み~んな、三大疾病の患者さん。

だからこそ、治してほしいんです。
さっさと治して、さっさと社会人になりましょう。


気づいてくれたかもしれないんですが、これらの三大疾病を治療するために必要なことって、何も特別なスキルや能力でもなければ、むずかしい練習や積み重ねも必要ありません。

ただただ、意識と姿勢だけの話なんです。

もちろんその「意識と姿勢だけ」ですら、ちょっとむずかしそうに感じちゃうかもしれません。でも、それこそが三大疾病にかかってしまっているからです。

まずはそこに気づいてほしい。
「三大疾病にかかってるんだ」って、認識してほしいんです。

何かを解決したり改善するときに大事なのって、現状理解・状況認識が第一です。
病気は「かかっている」ことに気づいてなかったら治療できない。機械や電子機器も、「どこに問題があるか」がわからなければ、修理できない。スポーツや音楽もなんでもそう。

そういう病気があるんだ。
それにかかっちゃってるんだ。
と認識できたら、そのあとは意識と姿勢を変えてみる。

それは単純に、
合わせず、
ビビらず、
与える人。
になる。
合わせるのなんかやめればいい。
ビビらずにやっちゃえばいい。
誰かに「与える/返す」をしていこう。
それだけです。

だって、逆に考えてみてください。
それこそ、今の時代に企業が求めている人ってどんな人でしょう?
右肩上がりの成長が期待できない時代、これまでの常識が通用しない時代、どんどん変化をしていく時代に求められているのはどんな人?

といったら、
過去のやり方に合わせず
失敗をビビらずに挑戦できて、
他者や社会に価値を与える人
です。
ほら、やっぱり三大疾病にかかってない人のこと。

世界で最も変化を嫌い、過去に安住して、自分たちの保身をするような日本の大企業や政府までもが言っているんです。
このままじゃダメでしょ~と言われながら、30年間変わることのなかったメガバンクがそう言ってる。もともと国営企業から生まれて、安心安定を最優先し続けてきたNTTがそう言ってる。そうそうツブれることもなく、変化なんて一番イヤがる日本政府が「教育を変えなくちゃ」って言ってるんです。
それだけ変わることを拒んできた大手企業や日本政府までが、このままじゃホントにやばい、と思ってる。
「今こそ過去の常識に縛られることなく、失敗を怖れずに挑戦し、社会に新しい価値を生まなければならない!」って言っているんです。

そういう人が日本全体で求められているんです。
なのに三大疾病にかかってる人だらけだからどうしよう……、って話なんです。

そりゃ、さっさと治しちゃったほうがいいでしょう。
それって病気を認識して、意識と姿勢を変えるだけ。
なんてカンタンなことでしょう!!
治さない手はない。乗るしかない、このビッグウェーブに!!


とはいえ、学生さんの中には「別に今のままでいいも~ん」とか「とりあえず内定がとれたらそれでいいし」とか「そんな“社会”なんて大きなこと、自分には関係ない」という人もいるかもしれません。
でも、あえてちょっと厳しい言い方をしてみるんですが、この三大疾病にかかったままだと、「家畜化」しちゃう
「社畜」という言葉で「会社の都合に振り回されて、自分の人生を生きてない人」みたいな言い方をされることがありますが、三大疾病が重症化してしまうと、社畜でもない。

はみでることなく、まわりに合わせて、
外の世界を怖れて、自分を出すことなく、
もらえるのが当たり前で、与えることはない。

とはいえ、それなりに居心地の良さを感じてるから、変わらない。
柵の中から、冷ややかに(もしくは不安になりながら)外の世界を見て、「あんなところには出ないほうがいい」、「あんなにがんばっちゃってさ~」、「外の世界は危ないことばかり」って。

それって、なんだかイヤじゃない?
ま、生き方、考え方は人それぞれです。
そりゃもちろん外の世界は、最初はちょっと戸惑うかもしれません。柵の中で居心地よくすごしてきた身としては、怖そうにみえるかもしれません。

でも、それって能力とかスキルとか、成果や実績とか、お金の多寡や知名度や競争や人との比較で考えすぎてるから、じゃないのかなと思うんです。
ただただ単純に、合わせずビビらず与える人になることを意識して、自分の特性を使って自分なりに少しでも価値を生み出すことができれば、んで、それによって他者や社会に少しでも影響を与えている感覚をもてれば、「外の世界」は楽しくなる可能性が高いはずだとぼくは考えています。


その最初の一歩が、ただ意識と姿勢を変えること。
何度も書くけれど、そういう「三大疾病にかかっていない学生」があまりにも少なすぎることで、企業の人たちはこれまでの採用基準をびっくりするほど下げてまで、一生懸命採用活動をしています。

変な自己分析やら業界研究、就活用の身だしなみやマナーなんて、社会に出てからはほとんど役に立ちません。
そんな意味のない非日常の就活っぽいことをしている暇があったら、合わせずビビらず与える人として、さっさと今のうちに社会人になっておけばいい。

社会人になる方法は、とっても簡単です。
まずは三大疾病をさっさと治してしまいましょ~う。


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