日本中に蔓延している学生の三大疾病。
世の中の就活っぽいことに合わせてしまう「就活病」。日常的に気を遣ってビビって動けなくなる「失敗過敏症」。そして最後の疾病「MNAS」。

これってどんな病気なのか!?
そもそも「MNAS」ってどう読むのよ???
というと、
「もらい(M)慣れ(N)」の
「与え(A)知らず(S)」

これがMNAS(“エムナス”って読んでください♪)
 他者や社会から「もらうこと」が当たり前になって、
「与える・返す」ことに意識をもてなくなった結果、
 自分の欲求や満足ばかりに目が向いちゃうビョーキ。
それがMNAS!

これはね~、やばいっす。
何がって、他の病気と比べても学生以外への広がり方が、広範囲。社会人からおじいちゃんおばあちゃんまで。しかも彼らには感染の自覚はないままに、近年さらに増殖中。
だからこそ、それを治療するだけで「ちゃんとわかってる社会人」の仲間入り。学生の中でもアタマひとつ、ってレベルじゃないくらいに抜きん出ることになるわけです。


だって理由は簡単です。
世の中のすべての社会人は、誰かに何かを「与えている」からこそ社会人なんです。
なのに「与える」よりも「もらう」ほうに意識が向いてる人がけっこういます。

すべての社会人は、顧客や社会やどこかの誰かに対して、何かしらの価値を与えることが求められてる。そうやって与えているからこそ、彼らは給料だったり地位だったり、肩書きや安心や権利を受け取っているわけです。
もちろん社会人の中にも、この関係を逆に捉えている人もいます。有名企業に所属しているからすごいと思っていたり、お金や肩書きそのものを価値だと思っている人もいます。

けれどあくまでも社会の本質は、「与える」からこそ「もらえる」。
社会が信用獲得ゲームだと考えると、与える人にこそ信用が集まる。

それを踏まえずに就活をしたり、仕事のことを考えようとすると、そりゃ迷うことも増えちゃいます。
少子化だゆとり教育だと大事に育ててもらって、映画やテレビはYouTubeで無料で見るのが当たり前。ゲームもiPhoneでやれば、わざわざ買わなくても大丈夫。えっちな動画だって(以下略)。

そうやって「もらう」ことに慣れてると、「与える」ことを忘れがち。

そこから抜け出すだけで、このMNASを治すだけで、就活のスタンスが大きく変わるはずなんです。社会や仕事の捉え方がまったく変わるわけです。
何もむずかしい話じゃありません。MNASを治すのは超簡単。

それは、日常生活をすごしている中で、
・もらっているものに意識的になること。
・そして、できるだけそれに「返す」を意識すること。
・んで、できることなら、毎日誰かに「与える」をする。
ほらね、むちゃくちゃ簡単なこと。

これくらいのことなんて、やろうと思えば誰でもできそうだけど、ほとんどの人がやってない。だから、それが「できる/やってる/考えてる」だけで好評価になるわけです。

試しに、学校近くのファストフード店でもコンビニでもスーパーでも、5分10分くらい、お客さんと店員さんのやりとりを見てみてください。注文や支払いのときに、店員さんと目を合わせて、言葉を交わしている学生ってどれくらいいます? 特に男子学生で、店員さんとちゃんとやりとりしている人ってどれくらいいるでしょう。

バイトで飲み屋さんや居酒屋さんでバイトしている人だったら、経験があると思います。
目を合わせずにメニューを単語で注文する人、料理やドリンクをもっていっても、な~んにも反応のない人、いますよね。「おねえちゃん、ビール!」って、おねえちゃんはビールじゃありません、みたいな。
んで、ちゃんと反応する人と、そうじゃない人、ちょいと対応を変えたくなっちゃいませんか? ちょっと愛想を良くしてみたり、ちょっと量を多めにしてみたり。そういうのって、それこそ「与える」の好サイクルな気がします。


とりあえずの「与える」の初級編はこんなことなんです。

「たかだかその程度?」って思うかもしれないけれど、そうじゃないんです。
むしろ、たかだかその程度の「与える」ができていないと、より高度かつ広範囲な「与える」には届かない。バッティングセンターでも打てないのに、メジャーリーグでの「やりたいこと」を目指そうとしちゃう。

MNASを治して、日常的に「返す」や「与える」を繰り返すことで、自分の得意な与えるパターンが見えてきます。「もらう」ことばかりじゃなくて、「与える」ことを意識するだけで、受け手の印象は変わりそう。

以上が、学生の三大疾病のお話。
これをわかって、治していく。それが就活の最初の準備。

この「三大疾病」のお話、もうちょっと続きます~。
次回もお楽しみに~。


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