最近ぼくが発見した、学生の三大疾病。
ひとつは、これまでず~っと言い続けてきた就活病。
じゃあ残りのふたつは、なんなのか?

というと、
失敗過敏症とMNASです。

「失敗過敏症」というのは、そのまま読んで字のごとく。
「こんなことしていいのかな……?」
「こうしたら何か言われるかも…」と
 過剰に失敗に敏感になっちゃって、意見を言えず
 やりたいことをできなくなるビョーキ。
です。

なんだか最近の学生をみていると「そんなところにまでビビる……?」と思っちゃう。
誰かに狙われてるのか、忍者の末裔なのか、はたまた高貴な家系に生まれて自分を出すのは「はしたない」と厳しく育てられたのか、目立たず波風を立てず、枠の中で粛々とすごしている感。

それって就活の場面にかぎった話じゃなくて、日常生活でもそうみたい。
的外れなことを言ってしまわないか、ここで発言することで会話が途切れてしまわないか、何かを言って間違ってたらどうしよう、こんなことを言ったら変だと思われないかな……、って自分を出せなくなっていく。
それがいつの間にか無意識のうちに当たり前になっている。

なにをそんなにビビってんね~ん、と。
それこそ自転車やスノボ、一度もコケずに上達することはできません。
自転車やスノボでの失敗は、怪我したり血が出たりすることもあるけれど、日常や就活の失敗なんて血が出ることもなければ、痛くも痒くもなりません。就活で失敗して骨折したなんて話は聞いたことがない。


んで、そうやって失敗しないようにすごして、それに慣れていくと何が起きるか。

「自分で考えて動く」ことができなくなっていきます。

失敗しないためには、誰かが教えてくれた正解だけをやればいい。誰かが既に考えた、安心できることだけ追えばいい。ルールを疑ったり、枠組みを越えたり壊したりはせず、「常識的」にすごしていれば失敗せずに済みます。

それを繰り返していると、もう自分で考えなくても安心。
失敗しないように、言われたことだけすればいい。
傷つかないように、叩かれないように「正解」だけをやればいい。

でも、それを繰り返してると、失敗経験が少ないから何をするにも怖くなる。
その結果、さらにどんどんビビって動けなくなる。
という感じの学生が、なんだかここ数年、むっちゃ増えてきてる気がします。


でもそれって、どうなんでしょう。
それって楽しいのかな。
いっぱい失敗したほうが楽しくないす?

アインシュタインさんやエジソンさんの名言を持ち出すまでもなく、失敗するから上達するんです。失敗方法がわかったら、その解決方法を考えるヒントが得られるんです。

それこそ何より、ちょっとしたリスクや「どうなるかわからない感」があったほうが、人生楽しくすごせそう。
「できなかったことが、できるようになる」とか、「知らなかったことが、わかる」とか、「経験したことがないことを経験できる」って、楽しいことだと思うんです。
「何ができないかもわからない」、「何を知らないかも知らない」、「確実に評価されることしかやりたくない」、「思い通りの結果がでるものだけしかやらない」なんて人生って、楽しい……?

まあ、ゆ~てもそんな「人生!」というほど大きな話じゃないにせよ、単純にいつも失敗をビビって畏縮して、不安になって「やらない」を繰り返す生活よりも、「やってみる」をやって「できるようになる」や「知らなかったことを知る」が増えたほうが楽しそう。


失敗を怖がっているだけの人なら、まだ「やっちゃえやっちゃえ~!」って言えるのですが、中には「できない/やらない理由」についてはいくらでも話せちゃう人もいる。おっさん公務員か!

そんな失敗過敏症。
就活病と並んで、ここ3,4年で感染者が急激に増加しています。
もし自分が「うわっ……私も失敗過敏症……?」と思ったら、それが治療の始まりです。今すぐ治療を始めましょう。なんだかビビって、言葉に出せない動けないこと、ありませんか~? とりあえずやっちゃいましょう♪


で。
学生の三大疾病の3つめは何?
と言ったら、これまた次回に……。(執筆リハビリ継続中)

【関連過去記事】
『失敗の致傷率』
『上司を突き上げられる部下』