いやはや、ホント時代は変わるものです。
ぼくも、それなりに企業の採用活動や学生の就活にかかわってきました。
会社員として、企業の採用活動にかかわって7年。
猿基地で、学生たちの就活にかかわってきて10年。
そんな中で、ここ数年前くらいから「むむ……!?」とか「あれれ???」と感じることが増えてきました。たぶんそう感じ始めたのは3年くらい前からなのだけれど、今年に入って確信ともいえるくらいに、「やっぱりそうだよね」と思うに至ったのです。
それは何かというと、
企業の新卒における採用基準が、むっちゃ下がってる
ということ。
学生にしてみればそれはちょっと信じにくい話かもしれないし、それでも就活は不安や心配なものには変わらないかもしれません。
逆に企業にしてみれば、場合によっては「んなことね~わ!」という人もいるだろうし、もちろんそうじゃない採用をしている会社もあるかもしれません。
でも、事実として、びっくりしちゃうくらいに下がってるんですもん。
たぶん、世の中の「就活コンサル」を自称している人たちもそれは実感してるはず。
もしそう感じてないなら、あなたの就活アドバイスの方向性は古くて、時代に合ってないことに気づいたほうがいいですよ。ってくらいに、企業の採用基準が恐慌レベルで下がってる。まさにデフレ社会の象徴。
たとえばぼくは学生の就活相談を受ける中で、それなりのレベル感を意識しています。
一概にはいえないけれど、100点満点として70点くらいがとれる状態だったら、「まあ、受けた会社の4割くらいは内定でるでしょ?」みたいな感じとか、80点を超えたら「競争率が高くない会社なら、だいたい受かるだろうな」とか、60点に至らなくても「確率は高くないけど、おもしろがる企業はあるはず」と、受ける会社数を増やすことを提案したりして、その相場観はそれなりにあったんです。
なのに、ここ3,4年ではその相場観が狂ってる。
さすがにそれが、「受かると思ってるのに落ちる」という方向にズレてるのであれば、アドバイスをする立場としてポンコツだと思います。
そうじゃなくて、ぜんぜん逆なんです。
「いや~、まだ厳しいかな~」と思ってるのに、ボンボン内定が出る。
ぼくとしては「もっとこのへんを磨いたら……」、「もうちょっと言葉の精度を……」、「これができたら、化けるはず」って思ってる段階なのに、企業はどんどん内定を出すんです。
就活って、こんなに緩くなってるの!??
と、ただただ唖然としちゃう。
逆に言えば、現状の就活で四苦八苦して悩んでいる学生や、そんな学生を不安にさせつつお金を稼ぐ対象にしている「就活コンサル」の人たちって、何をしてるんだろう……? と。
ぼく自身としては、大学という緩やかな時間をすごしてきた学生が、就活や社会と向き合うことで、より自分を知って、社会に価値を与えることを意識し、これまでの「もらう立場」から「与える立場」にシフトして、そのための自分の特性を理解するきっかけになるのが就活というものだと捉えてきました。
なのに、あまりにも就活が変わっちゃった、というか企業の採用基準が下がっちゃったことによって、せっかくの学生たちの成長機会の喪失につながってる。
とっても、もったいない……。
とはいえ、それはあくまでもぼくの考え方。
学生のみなさんは、「こういう状況なんだ」とわかった上で、あんまり就活にビビらないでほしいんです。みなさんの先輩たちが、必死になって一生懸命「就活的なもの」に向き合ってくれたことで、企業の採用基準は底値になってます。
過去の学生たちが「就活ってこうするもの」という呪縛に囚われて動いてくれたことによって、企業にとっての「学生のレベル観」をどんどん下げてくれました。
あとは、ひょろっと動けばいいだけ。
考え方の基準を変えればいいだけ。
就活、むっちゃ余裕になってます。
「内定がとれるかどうか」なんてことに悩む必要はありません。
この未曾有のデフレ基準の就活で、内定くらいさっさととってしまって、その先の自分の人生を考えていきましょ~う。
「じゃあ、何をどう変えていけばいいの?」については、ここからまた、このブログで書いていきます。就活にかぎらず、社会で楽しくすごしていく上でも役に立つことだと思うので、ぜひぜひ次回も読んでください~。
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たぶん、「高学歴」といわれる部類の大学です。
その立場から見て言えるのは、「人気企業が変わっている」ということです。
いわゆる「日本型の大企業」ではなく、コンサルやIT、メガベンチャーなど自分のスキルを磨ける業界に、優秀な人材が殺到しています。
当然そういった業界では競争も激しく、入るのは難しいです。
一方で、もともと難しかった企業は、明らかに集まる人材の質が下がり、難易度も下がっています。
そういったことが、「就活が楽になった」と感じる要因なのではないでしょうか。
ですが、今と昔で業界は変われど、競争が激しく、優秀な人材がしのぎを削る部分は就職活動において確実に存在します。