就活でも、仕事でも、ただただ日常生活でも、
法律がどうだろうが、WHO(世界保健機関)が何を言おうが、
少なくともここ十数年の日本において(世界のことは知らない)、人の身体的・精神的な健康を損なっている一番大きな問題が、これじゃないかと思うんです。
そりゃ2020年の東京五輪にむけた受動喫煙がどうこうとか、その科学的根拠がどうとか、経済的な影響がどうとかは、それなりの立場にある人がそれなりに上手に進めてそれなりにしていけばいいと思ってます。気にする人がやればいい。

ただ、これ。

「受動ネガティブ」

こっちのほうが、よっぽど日本を悪くしてません? と。

日本人の社会的、経済的、心身の健康上や国民の幸福度、充実感や活気、QOLや自殺率や健康寿命や何やらかんやらに大きな影響を与えてるのは「受動ネガティブ」なんじゃないのかな、と、とてもとても感じるんです。
こっちのほうがよっぽど規制すべきだし、改善したほうがいい。
ま、「規制」とか言い始めたら、それはそれでむしろ受動ネガティブは増えると思うので、ぜんぜんそんなことは思ってないのですが。

受動ネガティブって何かというと、
それこそ健康に悪い(と言われている)タバコの煙を受動的に吸わされてしまっている状態が、「受動喫煙」。
同じように、健康に悪い影響を与えるネガティブ(な発言や考え方や行動)を、受動的に浴びてしまっている状態が「受動ネガティブ」。

ワイドショーでもネットでも、誰かが不倫して「ありえない!」とか、「未成年飲酒でけしからん!」とか、「夫婦別姓なんて、レズやゲイなんて、ありえない」とか、「このCMは不謹慎!」とか「アベ!」とかそんなんばっかりなわけです。
や、その気持ちも理解はできます(共感はしないけど)。人に対して「not」を言って否定したら、「自分のほうが上」な気分になれるんですよね。そりゃ何だか気持ちいい感じになれるんです。

でもね、その「自分の気持ちよさ」の分、そこにかかわっている人の人数分の「受動ネガティブ」を与えてしまっているというのもまた事実。
そういうことの積み重ねで、どんどん周囲の人たちの元気を奪い、心地よさとやる気を損ねて去勢し、ビビる人を増やし、世の中の「自信」や「元気」の総量を損ねている、ということがあると思うんです。
いや、「思うんです」というか、いままさにリアルタイムで日本の200万人くらいは、そうやって削られている人がいる、に3000点賭けてもいい。

人って、ネガティブな言葉を投げかけられたり、不機嫌な人と接したり、否定的な意見に触れたりするだけ、どんどんその影響に侵されていっちゃいます。
別に自分に対して言われてるわけじゃなくても、「ありえない!」、「不謹慎!」、「けしからん」という情景を見るだけで、その感情をトレースしちゃう。じわじわと「ネガティブ」が染み込んでいく。
んで、それが徐々に蓄積されていくと、良くない方向に考え感じることに「慣れ」ちゃう。

子育てや人格形成とかでも、そういうことが言われますよね。
親に否定され続けて育てられた子どもは、自信をなくす。適切に褒められて育った子は、適度な自己肯定感や自信をもった子になる、って。

そういう意味で、
それなりの立場にある(及び、自分がそうだと思ってる)人ほど、自分の言動が「受動ネガティブ」を生んでしまっている可能性に気を遣う。
まだそれなりの立場になれていない人は、そういう「受動ネガティブ」を避けること。
ってのが、むちゃくちゃ重要だと思うんです。いやマジで。


それこそ就活でも仕事でもそうです。
「◯○だから、ダメ」、「◯○しないと、△△になる」、「◯○してないから、△△なんだ」って、人から言われるにしろ、自分がそう考えてしまうにしろ、それは多少なりとも「受動ネガティブ」に晒されてる状態です。というか、受動ネガティブに晒されてきた結果なんです。

そう言われて、そう考えて、そう思っちゃうのが就活病。
もしくは、そう思わせちゃうのが、ダメマネジメント。
そんなところからは、距離をおきましょう。「ダメ! 受動ネガティブ!」です。

ちょっと世の中、そういう「受動ネガティブ」が増えすぎちゃってるように感じます。
そういうの、ぜんぶ「受動ネガティブ」のせいです。
あなたのせいじゃなくて、まわりがネガティブなことを言っている。それに晒される場所にいすぎちゃってる。だから、無意識のうちに「受動ネガティブ」で不健康になってるだけです。

他者に影響を与える立場の人は、ネガティブや「not」で発信しないこと。
まだ立場的に確立していない人は、そういうネガティブから距離を置くこと、気にしないこと。

そういう「ネガティブ」の発信者が減って、気にしなくても大丈夫な受信者が増えますよ~に!!