今年の4月に入社した人たちも、社会人になって早2ヶ月がすぎました。
卒業生の数人から、良い報告だったり、ちょっとした相談だったり、ぐぬぬ~的なものだったりとそれぞれ連絡をくれたり、猿基地に帰ってきてくれたりして、みんな社会人としての道を歩き始めたんだな~と、感慨深く、京都の片隅から応援しているみつしろです。
そんな卒業生の一人から、ちょっと素敵な文章が届きました。
それこそ文章にもあるように、あるテレビ制作会社でもがきながら働いてる、学生時代はそれなりに苦労をしつつ、それなり以上に学生生活を楽しんでた女性です。下のイラストも、彼女自身が書いてくれたや~つ。
けっこう長めな文章なので、ぼくがわしゃわしゃ書いてもあれなので、ぜひぜひ読んでみてください。学生のみなさんも、社会人のみなさんも。とっても素敵なメッセージ。
それではど~ぞ♪
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どーも!入社3ヶ月目の超絶ひよっこ社会人、なおやんです!就活ゲーム的に言えば、ゴリゴリの吟遊詩人です。
現在は、テレビの制作会社でADとして働いています。それはそれはもー、下積みぃ~な毎日を送っているど新人です。

そんな、ほんの少し前まで就活生だった私が、この場で筆をとったのは、いまの就活生のみなさんにありがたいアドバイスをしたい!…などという偉そうな理由ではなく、「就活ゲームで考えてたこと、今こんな感じで役に立ってるよ!」という近況報告がしたくなったからです。
そして、みなさんは今まさに自己PRで自分のキャラについてお悩み中かと思いますが、「キャラは就活や人事のために考えるものではなくて、社会に出た後の自分自身のために考えるべきことなんだな!」ということを肌で実感中なので、その辺も就活ゲームの考え方に寄り添った内容で伝えられたらなあと、思った次第です。
と、いうことで。いきなりですが、ちょっとドキッとすることを言います。
みなさんはきっと、「社会人になったら、初めは右も左も分からなくて戸惑うんだろうなあ。」と不安に思っていることでしょう。私もそうでした。
しかし、正直そんな程度の考えではまだまだ甘っちょろかったということに、入社直後気づきます。
いざ働き始めてみると、「右も左も分からない」どころか「息の仕方も分からない」毎日が待っていたのです。
周りの社員さんが、まるで息を吸ったりはいたりするように普通にできていることが、とにかくできないのです。
先輩方は皆、呼吸をするように電話を取り、泳ぐように現場を動き回り、波に乗るように次の仕事へ向かわれます。
新人はその仕事ぶりを見学しながらちょっとずつ業務を教わるわけですが、「何か質問があったら言ってね」と言われても、そもそも何を質問すればいいのかを見つけるのに必死で、体も頭もついていきません。
この心境を例えるなら、学生時代をプールとすると、社会人が海、ぐらいの隔たりを感じます。
プールなら足も付くし、どこまで泳げばゴールなのか明白だし、プールサイドに上がればいつでも休憩ができます。しかし、海に出れば、当然足はつかないし、どこまでいっても海は続く上に、クラゲとかサメもうようよいます。休みたかったら、自分で島を見つけて上陸するほかありません。
そんな未知の海にぽいっと放り出されて、息つぎもできず、「あっぷあっぷ」と溺れかけているのが、我々新入社員です。
きっとどんな職場でも、程度の違いはあれど、新入社員の皆さんの心境ってこんな感じなんじゃないかなあって勝手に思ってます。
…と、これでは就活中のみなさんには絶望的な話に聞こえるかもしれませんが、決して脅しているわけではありません。
私が伝えたいのは、
「海での息つぎの仕方は、自分のキャラが教えてくれるよ!」
「溺れることこそ新人の醍醐味じゃないか!」
というこの2つです。
現に私は、先輩方がアクロバティックなサーフィンしている波の中で、ビート板にしがみついて「イエーイ!」とバタ足をしているのが、とても楽しい日々です。
1、海での息つぎの仕方は、自分のキャラが教えてくれるよ!
「息ができない」とは、「普通にできるべきことができない」という意味で使っていますが、これには2つの意味を込めています。
一つは「“社会人として”普通にできないといけないことができない」ということ。例えば私は、メールでの敬語やマナー、社内の人の名前を覚えるといった初歩的なことでつまづいて、いちいち業務が止まってしまい、むちゃくちゃもどかしい思いをしています。まあでもそれは、これからの経験で解決していけばいっかー、とわりと気楽に考えている問題です。
重要なのはもう一つの方で、「“今まで普通にできてたはずのこと”ができない」ということです。
今までの私は、初対面の人とでもすぐに砕けた会話ができていたはずなのに、上司と思うだけで緊張しちゃって当たり障りのない話をしちゃう。また、今までの私は、自由にアイデア出していいよって言われたら喜んでたのに、同期に調子乗ってるとか思われたらやだなと思って、研修ではなんか遠慮しちゃう。など。
自分でも「なに猫かぶってんねん!」と言いたくなるほどに違和感を抱いていました。
そしてこれがなぜ重要かというと、今すぐにでも解決できるはずの問題であるからです。特に就活生の皆さんにとっては、自己PRを書きながら自分のキャラを掘り下げることで対策できる問題、とも言えます。
上記の例で言えば、吟遊詩人である私には似つかわしくない、「好かれたい」という友好種族的な欲求が邪魔をしていました。また、「できないと思われたくない」という戦闘種族っぽさや、「一般的にはどうなのか調べないと」という研究種族的な考え方も横入りして、中途半端な精神状態でした。
そう、就活病の魔の手は就職してからも伸びてくるのです。就活病の症状であるキャラの揺れが、息のできない原因となっていたのです。
「これはいかん!」と思い、私は一旦落ち着いて対策を考えることにしました。
そして今まさに実行しているのが、『仕事中に自分のキャラを意識するキャンペーン』です。吟遊詩人である私にとっては、特に「自分らしいかどうか」がモチベーションに直結するので、自分っぽい瞬間が訪れたら、その都度「んもー、私ったら♡」と口に出して言ってみることで、「私はこういう時にテンションが上がるのだ」という確認作業を試みているのです。
そしてこのキャンペーン中、一番成果を感じたのは、コピー機の使い方を教えてもらった時でした。
10ページくらいの資料を量産する業務を任されたので、私は1ページずつ必要な部数をコピーして順番通りに並び替えていました。すると先輩が「実はうちのコピー機は、自動で並び替えて印刷してくれる上に、ホッチキス止めまでしてくれるのよ」と教えてくださいました。それを聞いた私は「なんやその近未来な機能は…っ!!」とやたら大きな感動を覚えました。
そして「次印刷するとき、絶対教えてくださいね!!」と予約を取り付け、コピーの仕事を振られるのを楽しみに待つようになりました。
10ページくらいの資料を量産する業務を任されたので、私は1ページずつ必要な部数をコピーして順番通りに並び替えていました。すると先輩が「実はうちのコピー機は、自動で並び替えて印刷してくれる上に、ホッチキス止めまでしてくれるのよ」と教えてくださいました。それを聞いた私は「なんやその近未来な機能は…っ!!」とやたら大きな感動を覚えました。
そして「次印刷するとき、絶対教えてくださいね!!」と予約を取り付け、コピーの仕事を振られるのを楽しみに待つようになりました。
このときふと、「なおやんは、幸せの沸点が低いよな。」という言葉を思い出しました。
昔友達に言われた時は「そうかなー。」くらいにしか思ってなかったのですが、この一件で「確かに!私ったらなんてチョロい!」ということに改めて気づき、「こんなことでテンション上がるんやったら、当分楽しいやん。」と、めちゃくちゃ気が楽になりました。
その後も、「え!この資料の表紙、私が好きにデコって良いんすか!」「デスクに漫画置いていいんすか!ジャンプ買ってきます!」など、下っ端の業務の中にある小ちゃい幸せで、十分お腹が満たされています。
無理して楽しいと思う必要はないので、「自分にとって自然な心の動きを、業務に馴染ませよう」と心で唱えながら一つ一つの仕事に取り組むと、だんだん生活の一部みたいに気楽になっていく気がしています。
些細な業務は、トイレに行くくらいの気持ちで済ませられるようになったらいいなあ、って期待しつつキャンペーンを続けていこうと思います。
2、溺れることこそ新人の醍醐味じゃないか!
「2周目で楽するために、やりすぎるくらいやってみな。」
今仕事を教えてもらっている上司の方に頂いた言葉の中で、最もテンションが上がった一言です。
ど新人の私は、仕事の塩梅が分からないので、とにかくメモしたいし、質問したいし、準備したがります。そんな姿を見てその上司の方は、「せっかく作ってるけど、これは正直無駄な資料だね。」とおっしゃいます。しかしそれは注意や意地悪ではなく、「無駄かもしれないと思っても、とにかく自分がやった方がいいと思ったことは片っ端からやってみた方が勉強になる。2周目で無駄だったと気づくこと自体に意味があるからね。」と言って、どんな質問にも丁寧に答えてくださいます。
そしてどんな小さな雑務でも、いつも最後に「答えがない世界だから」とおっしゃり、人にゴールを用意されることを嫌う吟遊詩人の私にとっては、それが何よりの激励の言葉です。答えがないんだから、方程式から全部自分で作れるようになりたいと思うようになりました。それが実現できたら、どんな仕事を振られても怖くなくなるはずです。
どんな企業に就職しても、起業しても、手に職をつけてフリーランサーになったとしても、最初は必ず新人です。そして、新人には恥ずかしいもクソもないんだから、どんどん失敗して遠回りした方がいいんだなと、日々ど新人として生活しながら実感しています。
ただ、どんなキャラの人にも言えることですが、答えを人に与えられることに慣れてしまうことだけは避けた方がいい、と新人ながら思っています。
「これが正解だから、私は何も考えずに努力だけすればいいんだ。」という思考停止状態になるのが一番怖いので、どんなに小さな業務でも、「自分だったらこうする」と考える癖をつけるように気をつけています。
「これが正解だから、私は何も考えずに努力だけすればいいんだ。」という思考停止状態になるのが一番怖いので、どんなに小さな業務でも、「自分だったらこうする」と考える癖をつけるように気をつけています。
そして、就活も一緒だと思います。
ああしなさいこうしなさいと、一から十まで人に教えてもらうことに、慣れてしまうのは危険です。
また、個人的に強く思うのは、ストレスの解消の仕方にも同じことが言えるということです。周りの人の羽目を外し方に合わせる必要はなくて、自分自身のリラックスの仕方を、学生のうちに見つけておくことは、社会人になってからとても役に立ちます。
ぜひ、自分なりの息の仕方、楽しみ方を、就活でも見つけてほしいなと思います。
それでは、残りの学生時代も充実した半年になりますように!
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ぼくの決めゼリフも使ってくれてる(笑)
なりますよ~に!!
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