先日書いた「仮説を立てる習慣」の記事の最後で紹介した、佐渡島庸平さんの『ぼくらの仮説が未来をつくる』。これ、すごく良い本でした。
ぼくらの仮説が世界をつくる
佐渡島 庸平
ダイヤモンド社
2015-12-11


みんなに読んでほしい。
というか、この本はすでにぼくを知っている人よりも、最近このブログを読み始めた人に読んでほしい。

「みつしろ? 知らね~な~」
「就活ゲーム? なんか怪しそう…?」
「これ、ホントに信じていいのかな…?」
というような人。

このブログを見つけたものの、まだ『就活ゲーム』に半信半疑だったり、ぼうけんの書やキャラ設定をはじめてないあたりの人たちに、『就活ゲーム』の副読本として……いや、そんなめっそうもないですね。佐渡島さんのこの本を読んだ上で「じゃあ、具体的に就活で応用するとしたら……?」を考えるための実用書として『就活ゲーム』を使ってもらえたらなぁ、と思うんです。

と、その一方で、この本は別に就活をテーマに書かれているわけじゃなくて、あくまでも働き方やプロデュースについて書かれている本です。それでありながら、『就活ゲーム』と符合する部分がたくさんある。

ということは、です。
『就活ゲーム』はやっぱり社会でも使えるよね。
と、言いたい、言っちゃいたいのです。単なる就活というシチュエーションだけじゃなくて、社会人になってからもちゃんと使える。佐渡島さんも、そう言ってる。共通するよ、と。


知らない人は少ないと思いますが、佐渡島さんはもともと講談社の編集者。
『宇宙兄弟』や『働きマン』、『バガボンド』、あとは『ドラゴン桜』などを担当して、いまは独立して作家と読者をつなげるエージェント業をしています。出版業界どころか、ビジネス全般で注目されている第一線のビジネスマン。NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも取り上げられています。


そんな佐渡島さんの仕事論であり、人生論であり、プロデュース論であり、社会論。
もうオビからして、『就活ゲーム』なんです。
糸井重里の推薦文が、これ。

これは、ここからを生きる人の「ぼうけんの書」だ。

もう、『ドラクエ』です。
まあ、そりゃゆ~てもオビですから、偶然の一致ではありますが、ここからぼくは何かしらの一致を感じずにはいられません。

たとえば、これ。
「仕組みのせいで能力を発揮することが阻まれているだけ」なのに、それが才能のせいだと思われているケースが多いように感じています。
まさに学生が置かれている状況と同じ。
ホントは「仕組み」ですらないのだけれど、なんだか「仕組み」のようになってしまった就活の中で、うまくいかなくてもがいてる学生たち。そんな「仕組み」的な旧式の就活によって、たまたまうまくいってないだけなのに、それで落ちて「ダメ」の烙印を押された気になっちゃう。
まさに就活でも同じ。

だからこそ学生は、自分について考えることが大事になるわけです。
それで、佐渡島さんは言います。

料理と同じように、人間の感情もそんなに複雑じゃないし、社会もそんなに複雑じゃない。細部は複雑なのですが、根本は実はシンプルです。
やりたいことがある人は、確実に自分の好き嫌いをはっきりと把握しています。好き嫌いがわかっているというのは、自分の欲望のあり方を正確に把握しているということだからです。
幸福になるためには、自分が楽しいと思うことに時間を費やすことが大切だと述べましたが、実はそのときに壁となるのが「自分は何を楽しいと思うのか」を理解できているかどうか、です。
自分の好き嫌いを知ることは、本当に重要です。そんな当たり前のこと、誰でもできていると思うかもしれません。でも、自分が何をどれくらい好きかを他人に説明しようとすると、途端に自分が自分のことを何も把握していないことに気付きます

もう「キャラ」の話をしているようにしか見えない。
複雑に考えすぎちゃうから、よくわからなくなる。仕事でエネルギーを発揮できる人は、自分の欲求をちゃんと知っていることが大事で、そうは言っても案外、人は自分のことをよくわかってない、と。

だから就活生なら、まずは自分のことを知るための仮説を立ててみる。
そのヒントになるのが「8キャラ」です。複雑すぎてわからない自分について、とりあえずシンプルに「キャラ」として仮説を立てる。その上で、自分の考えていることや過ごしてきた時間のことを考えてみるわけです。

ぼくは社員や知人と話していると「いつも質問攻めにあって責められてるみたいに感じる」と言われることがあります。 たしかにぼくは「なんでそうしたの?」「どうしてそう思うの?」といった具合に、畳み掛けるように質問することがよくあります。それは、ぼく自身が心の中で、いつも問いかけていることです。(中略)それくらい「なんで?」と思うクセがあります。
佐渡島さんも、『進撃の巨人』を担当した後輩に抱いた嫉妬心について考えます。
「なんで悔しいと思ったのだろう」→「その方法を一番はじめにうまくやって自分が目立ちたい、という思いがぼくの中にあったんだな」→「ぼくが本当にしたいのは、目立つことではなく、作品をより広めること」→「その目標に関しては、別に邪魔されたわけでもない」→「ぼくが考えていたアイデアは、メジャー作品には通用して、マイナー作品には通用しないということが明らかになった」→「アイデア自体は悪くなかったけど、今のぼくの担当作にはふさわしくない」→「では、新しいアイデアを考えてみよう」
こうやって、自分の感情を言葉に換えて、整理すること。
自分の感情や経験を、もう一度まな板に乗せたり、ビーカーに入れて覗いたりするように、検証する。感覚的に捉えていたものをちゃんと見直してみたら、本当は違う捉え方ができるかもしれない。
そうやって、自分にいろいろ投げかける。自分では漠然としか捉えきれていないものを、「なんで?」や「ホントに?」や「だから?」で考えてみる。

それってまさに「ぼうけんの書」
佐渡島さんもやってる。
「自分が何に感動するのか?」「何をつまらないと思うのか?」、人は簡単に知ったつもりになってしまいます。よって、意識して自分の感情を観察するクセを付けておかなければいけません。
いわば筋トレもやらないのに、いきなりスポーツをやって、苦手意識を持つというのと同じようなことが起きてしまうわけです。
そういうわけです。
「ぼうけんの書」もいきなりグワ~っとやっても疲れちゃう。
毎日毎日、少しずつ習慣にしていく。

そこからさらに「人生を楽しむ」ことの話から、「クレジット」の話にも展開していきます。

ぼくは、会社という仕組みを使って、人生を最高に楽しみたいと思っています。
最高に楽しむためには、まわりを楽しませなくてはいけません。「自分が楽しい」をとことん追求すると、結局は「利他」に行きつきます

社会は自分の欲求をもって、人から「クレジット」を獲得していくフィールドである、と。
そうすることで、自分のキャラはレベルアップしていくし、他者にとっても利益が生まれる。それを実現していくためのフィールドとしての会社を使って、自分を伸ばす。価値を増やす。

んで、そのためには「新しいルールで動こう」と。

起業してから心がけているのが、まず「新しいルールで行動する」ということです。新しいルールで行動している個人や組織が、どんどん存在感を増していき、みんなから「そのルールもありなんだ」と思ってもらう。それがいちばん早い方法だと気付いたのです。

つまりは、就活するなら『就活ゲーム』でやろう、と(笑)


ほら、もうすべてが符合する……!
 
「仕組みで失敗してるだけなのに、自分に能力がないと思うのを止めよう」
「ちゃんと自分の欲求を知っておこう」
「ひとつのことについて、いろんな角度、いろんな視点から考えてみよう」
「いきなり大きなことを目指すよりも、毎日の小さな習慣をつけよう」
「自分が楽しみ、他者を利する。そうするのがいちばん良いんだよ」
「それをするのに、既存のやり方に縛られるのは止めよう」

佐渡島さんのこの本に共感したら、あとは『就活ゲーム』で具体的に進めていくだけです。
この『ぼくらの仮説が世界をつくる』と、『就活ゲーム』の共通性ったら!!
ぜひぜひ就活で、そして仕事で、『就活ゲーム』を活用していってくださ~い♪

就活ゲーム(完全版)
みつしろゆうと
2015-01-09