前回は、学生は就活で「化ける」という話でした。
で、今回は「じゃあ、どうやったら?」という話。

何がどうなったら学生は化けるのか。
学生たちが化けるのは何によってなのか。
そもそも化けるというのは、どういうことなのか。

というと、端的に言えば、ぼくは「特性の開放」であると考えています。

学生がもともと持っている特定の性質、それを発見して、刺戟をすることで開放する。
前回の記事でも書いたように、ほとんどすべての学生(というか個人)にはそれぞれの特性があります。それが良い意味で顕在化していたら、それはすでに強みとして認識されているかもしれないけれど、そこまでになっていなくてもすべての人には何らかの特性がある。それはまだ潜在化されてて見えにくいだけなんです。

だからこそ、それを発見して刺戟をする。
そうすることで、学生は一気に「化ける」ものだと考えています。

これってあくまでも「特性」であって、強みとは違うし、才能でもありません。

ちなみにこの間、サイバーエージェントの人事責任者の曽山さんの本を読んでいたのですが、彼はたとえば「才能開花」ということを言っています。
「人材育成」には、「お前を育ててやる」という上から目線があり、「成長支援」には、「卑下しすぎて甘やかしている」というニュアンスが含まれている。
こうして悩んだ末にいきついたのが、「才能を開花させる」という意味の「才能開花」という言葉でした。一人ひとりがもっている才能を開花させることができれば、その企業や組織、チームを今の状態よりもはるかに強くすることができるのではないか。そう思ったのです。

これが違う、という話じゃなくて、ぼくはだからこそ「特性開放」のほうが本質に近いと考えています。(この本自体は、ホント良い本です)
才能(≒強み)というのは、見方や環境によって弱みにもなりうるし、何をもって「才能」とするのかは、評価者によって変わります。

一方、曽和さんはこう言ってます
ストレスに強いのは「鈍感」なだけかもしれませんし、志が高いのも能力がついていかなければ空回りし、日々の必要な雑事をバカにして「凡事徹底しない」と思われるかもしれません。それだけ「強み、弱み」は相対的なものなのです。
それこそドラッカーは、その著作を通して「必要なのは特別な才能じゃない」ということをいい続けています。

そういう意味で、ぼくはやっぱり「特性の開放」のほうがイメージに近い。

で。

じゃあ、その特性の開放とやらはどうやったらできるのか。
それは、「彼らが活躍する姿を想像する」ことです。

学生たちの延長線を想像する。
彼らが、どんなフィールドで、どんな働き方をしているのか。
現状の学生の姿から延長線を描いて、活躍する姿を描く。

そうすると、そこには「特性のヒント」が混ざってる。
彼らが活躍している姿を想像したときに、自分は何でそんなイメージを描いたのか。そこには彼らの特性があったからこそ、そのイメージが浮かんでいるということなんです。

だから、そのイメージから逆算して、現状の彼らの特性を発見して、意識的に刺戟して、開放するためのお手伝いをする。それが、企業と学生の間に入って就活アドバイスをする人の役割だと考えています。
学生たちも、就活の相談をする場合は、できるだけそういう人を頼ったほうがいい。
文章の書き方や就活の姿勢云々の言葉を投げてくる人よりも、自分の特性を引き出そうとする大人。それに加えて、できれば多業種・多職種・たくさんの会社のサンプルをもっている人。そういう人ほど、特性のパターンをたくさん知ってるはずだから。

就活で意識していきたいのは、強みや弱みや才能なんかじゃなくて、自分の特性。
んで、もちろんそのヒントは、欲求や感情、動機にこそあります。

これからの数ヶ月で、ぜひぜひ自分の特性を開放して、化けてください。
たくさんの学生たちが化けて、妖怪・妖精だらけの就活が展開されますよ~に!!