毎年就活をやってるぼくにとっては「それじゃな~い!」という話なのだけれど、学生にとって就活は初めての経験。右も左もわからない状態で、わけのわからない大人に「アドバイス」をされてしまったら、そりゃ仕方がないよねとは思いつつ、さすがにもういいんじゃない? なんて考えたりもするわけです。
そろそろ「就活の常識」の非常識さに気づいたほうがいい。

なんの話かというと、自己PRの話。

学生がまず自己PRを書くとして「とりあえずこのへんは、押さえておこう」というポイントがいくつかあります。それは「こうしたら上手に書けるよ」というものではなくて、「これだと伝わりにくくなるし、評価されにくいよ」というほう。

年末に向けて、「とりあえず自己PRでも作ってみっか」と考えている学生のみなさんに、そんな「ダメ自己PRあるある」を整理しておきますね。

「性と力」でアピールしがち。

まあ、就活病の学生によくあるやつです。
キャリアセンターの人たちや就活コンサルを名乗る人たちでさえ、いまだにこういうのをやりたがっちゃう。すぐに「性と力」でアピールしたがる。

いわゆる「〇〇性」とか「△△力」というやつ。
積極性、柔軟性、主体性、行動力、コミュニケーション力、継続力、計画性、客観性、発想力、共感性、問題解決力、観察力……。

もうとりあえずひと言目には、性と力のオンパレード。
旧世界の就活アドバイスにありがちな導入。
あのですね。基本中の基本ですが、これらの言葉って相手が判断するものであって、自分で言う言葉じゃないです。

どこの世界に、「やさしい人が好き」と言ってる女性に向けて、「おれ、むっちゃやさしいです!」ってアピールする男がいるでしょう。それを判断するのは相手。相手が「この人、やさしいな」って思ってはじめて意味があるわけで、就活だってそれは同じ。
企業の人たちが学生を評価をする言葉であって、自分から言ったってしゃあない。

そもそも企業の人たちは、学生の言う「性と力」なんて信じてません。
「ふむふむなるほど、これから話すのは積極性の話か。よ~し、そこに焦点を合わせて話を聞かなきゃだな!?」なんて考える面接担当者がいたら、そっこー外されます。

「デカいほうがいい」信仰。

これもよくある妄想神話。
サイズこそ命。デカけりゃいい信仰。デカけりゃデカいほど、相手から求められる。
なんて、中学生じゃないんだからやめましょう、そういうの。

所属している組織、残してきた実績、動かした人の数、旅行した国の数、それっぽい肩書き、入賞した大会の規模。どれもこれも「大きいほうがいい」と信じてる。
ただ受け手からすれば、そうした「大きさ自慢」をしている人ほど自信がなさそうに見える。んで、実際に中身がない。むしろ自信がないから、規模や実績の大きさでそれを隠そうとしているように見えちゃいます。

「大きさ重視」で採用してるなら、わざわざ面接する必要なんてない。履歴書やエントリーシートに書いてある実績やエピソードの大きさで選べばいいはずです。
でも実際にはそんな採用をしてる企業なんて、聞いたことがありません。

そもそも一般生活で考えても、実績やサイズや肩書きをアピールするような人って、むしろ敬遠しちゃいません? 大事なのは、じゃあどんな人なの? 誰にどうやって価値や影響を与えられる人なの? でしかない。

逆に言えば、「自分には大きな実績なんてない……」なんて考えちゃうのもサイズ信仰。
別に大きな実績やそれっぽい肩書きなんて必要ないんです。

「熟語を駆使」して賢く見せる!

これは本にも書いたし、ブログでも何度も書いてきたので簡単に。
初めての自己PRを書こうとすると、どうにも賢く見せようとしちゃいがち。

これは別にフェルマーの定理だポアンカレ予想だとかそんな話題を書いちゃうというのではなくて、もっともっと単純な話で「よくわからん熟語」を使っちゃう。
それこそ試行錯誤や切磋琢磨、顧客満足、調査分析、創意工夫みたいなやつですね。

そういう言葉、ぜんぶ削除!!
いわんいらん、ぜ~んぜんいらん!!

理由は簡単。
そんな言葉じゃ、何をしたかがまったくわかんないから。
不要。削除。使用厳禁。以上!

「本性」を見せない。

んで、これだけ性と力と、サイズと賢さでアピールしようとしてるのに、どこまでいっても本性は見せてくれないんです。

自己PRの文章を最後まで読んでみても、「結局あなたは何者ですか?」が見えてこない。
内側裏側にはいろんな欲求が渦巻いてるはずなのに、ぜんぜん本性は見せてこない。

本性って何かというと、素の自分。
素の自分ってのは、性や力やサイズや賢さなんかじゃなく、欲求です。

どんなときに、どんな欲求で動くのか。
何をうれしいと思って、何に悔しいと感じて、何を求めて、どうなりたくて動いてきたのか。
すべての行動の裏には、欲求がある。欲求によって行動が生まれるし、行動したあとにも何かしらの欲求が湧いている。行動のベースには、欲求があるんです。

もうちょっと言うならば、実績や成果のプロセスでは行動があり、その行動のベースには欲求がある。なので、企業が知りたいことの根本は、欲求であり感情なわけです。

なのに、多くの学生が最初に書く自己PRには、まず欲求が出てこない。
そりゃ、「どんな人か」がわかるわけがありません。
このブログや本を読んでくれた人としては、当たり前の部分でよくわかってくれていると思うのですが、実際に自己PRを書きはじめると、抜けちゃうこともあったりします。どうにも就活病がぶり返しちゃう。

ぜひぜひ、自己PRでは本性(=欲求)を盛り込んで書いてくださいね。
この記事を読んで、いけてる自己PRを書ける学生が増えますよ~に!!

内定力
光城 悠人
すばる舎
2017-04-19


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