常々気になってたこと。
それは、「ゆず七味」というものの話。
他にも「しょうが入り七味」ってのもあるわけです。

これってね……。

「八味」じゃね~のん?

と。

七味唐辛子にゆずが入りました。
七味唐辛子にしょうがを入れてみました。
こんなアクセントは、どうですか~?
ほら、また新しい風味が♪
とかいってますけど、七味唐辛子にゆずを入れました、しょうがを入れました。

それって七味「プラスひとつ」のアクセント。
であるならば、
それは八味じゃね~ですのん? と。

もう気になってしまって気になってしまって、「お前、それは七味とは言えね~だろう」と。しかも後から入ってきたやつをちょっとした看板にしてしまったりなんかして、七味よ、お前の存在価値はどこにあるねん、と。


なので、ちょっと調べてみたわけですよ。
ゆ~ても猿基地、実は飲食店でして、いちおう「使うこともあるかな~」ってな具合で、『ゆず入り七味』も『しょうが入り七味』も揃えてるわけですよ。

見てみました。確認しました。

七味唐辛子の原材料
七味
赤唐辛子(1)、黒ごま(2)、ちんぴ(3)、山椒(4)、麻の実(5)、けしの実(6)、青のり(7)
とまあ、そりゃ7種類なわけですね。そりゃ当たり前。七味唐辛子なんだから7種類で七味です。

じゃあ、ゆず入り七味唐辛子は、と見てみると。
ゆず
赤唐辛子(1)、黒ごま(2)、ちんぴ(3)、山椒(4)、麻の実(5)、けしの実(6)、青のり(7)

ん??

そんなら、しょうが入り七味唐辛子は?
しょうが
赤唐辛子(1)、黒ごま(2)、ちんぴ(3)、山椒(4)、麻の実(5)、けしの実(6)、青のり(7)

って、むむむ……????


七種類やん!!
これ、どれも七味やん!!

ってか、ゆず入り七味の「香料」の前に「/」が入ってるのはナゼだ?
普通の七味唐辛子には香料が入ってないのに、「ゆず入り」と「しょうが入り」にはなんで材料としてハンパ者の「香料」が入ってるんや!!?? なんでや。あなたは「味」ですか? それとも「香」ですか? それは七「味」に入るんですか? ただの数合わせですか。


つまりですね。
「香料」さんを「味」だと換算しないとしたら、「〇〇入り七味唐辛子」は「七味」なわけですね。「八味」と「七味」の微妙で曖昧で受け取り方によって違う線をギリギリで渡る感じで、「〇〇入り」になっても「七味」と言ってるわけです。


と。
そういう現状、実状を踏まえてみると。

どうにもぼくとしては、あるミュージシャンというか、音楽ユニット及び個人を思い起こさずにはいられなくなっちゃいます。あれと一緒じゃね~か? と。

それは、
スーパーモンキーズ。

そう。
先日引退を表明した、平成を代表する歌姫であるところのあの人が所属していたあのグループ。あれと同じじゃないんすか? ゆず入り七味唐辛子って。

何を言ってるかわからない人のために説明をすると、そもそも沖縄出身の「歌って踊れるガールズユニット」。そう売り出されたのが、スーパーモンキーズ。
なのに、その中でひとり、歌も上手けりゃ踊りもできる。見た目も他の4人に比べて際立ってる女性がいたそうで。

それこそ「アーティスト」ってのは、人からの評価があってこそ。それで、その「スーパーモンキーズ」の中でも白眉のひとりを打ち出そうと、これまでみんなで「スーパーモンキーズ」だったのを、その娘を全面前面に打ち出すべく、ユニット名が変わった。

それが、「安室奈美恵withスーパーモンキーズ」だったわけです。

残された本人たちからすれば、「奈美恵ちゃんもスーパーモンキーズだったやん!!?」だったはずです。でも、そこは市場の論理。マーケティング。
そこから安室奈美恵はソロとして、残りの4人はMAXとして、それぞれの道を歩むことになりました。

「ゆず入り七味唐辛子」ってのは、そんなスーパーモンキーズじゃないか、と。
そもそも「七味唐辛子」というひとつのブランド(?)として生まれながらも、そこに看板を張れるひとつの個性が出てきた。それによって、「ゆずwith七味唐辛子」になったと。それは、「安室奈美恵withスーパーモンキーズ」的なものではないかと考えるわけです。

七味唐辛子は、唐辛子としてのアイデンティティとブランドを持ちながら、その後に「ゆず」や「しょうが」を組み入れた。一方、スーパーモンキーズは、そのアイデンティティとして「安室&MAX」というそれぞれのアイデンティティ&ブランドを生み出した、という進み方は時系列的&集団的な意味合いでは逆な部分があるとして、実体と付加物の線引きが曖昧になりつつも認知されているという意味で、ゆず入り七味唐辛子と、安室奈美恵withスーパーモンキーズはほぼ同じ打ち出し方・売り出し方をしてると言えるのではないだろうか。



ということを長々と話しつつ、なんですが。
ここまで考えてみると、

そもそも「七味唐辛子」って何だ、という疑問も生じてくる。

ぼくは序盤で書きました。
唐辛子「を含む」7種類の材料をもって、七味唐辛子なんだね。そこに、ゆずやらしょうがやらが入ったとして。それでも「八味」にはならずに、「七味」唐辛子なんだね、と。

ってことは、ここから根本的な基本に戻ると、また疑問が生まれる。

「七味」唐辛子という場合、普通に考えたら「六味+唐辛子」じゃあないのだろうか?
唐辛子を含めたものを「七味」といいつつ、それも踏まえて「唐辛子」を別で看板を立ててアピールするのって、重複してませんか?
「唐辛子with六味」こそが、本来の意味合いとしての正しいユニット名じゃないか?


それこそ、もともとはみんなで「スーパーモンキーズ」だったのに、そこから一人が(名称的に)抜けて、それでいて構成員は変わらないままに、「安室奈美恵withスーパーモンキーズ」になった。それって、なんだかおかしくないですか?

なんですか七味唐辛子って。
なんですか安室奈美恵withスーパーモンキーズって。

それならむしろ一味唐辛子のほうが、まだまだいさぎが良い。




ってなことをつらつらと考えていた結果、「ゆず入り七味唐辛子」とか「安室奈美恵withスーパーモンキーズ」とか、そうやって主役をどこに設定するかという話なのかな、なんてことを思ったわけでして、むしろそれなら全部をひっくるめてこう言ったら丸く収まるんじゃないかと考えるに至ったわけです。

なにかというと、
唐辛子一味
です。

それなら七味であろうが八味であろうが、誰が主役なのかそれを含めてのメンバーなのかそうじゃないのかも関係なく、ひとつの「味」になるんだな、と。
だからスーパーモンキーズも、いろんな名称を経たり、誰が入って誰が分かれてはあるけれど、まとめていえば「安室奈美恵一味」であり、もうちょっと敷衍すると「小室哲哉一味」なわけですね。

いやはや、日本語っておもしろくもむずかしい。
長々とど~でもいい話をごめんなさい。

みんなが「ゆず入り七味唐辛子」で楽しめる世の中になりますよ~に。