「ぼうけんの書」から派生した「考えつく」の話の続きで、今回が三部作の最終回。
前回の「仕事が楽しいのは、“考えつく”からである」というのは、個人のスタンスや考え方の話だったけれど、これを延長して考えると「ダメな上司」や「ダメな会社」ということも考えられるはずです。

というのも、ダメな上司(会社)は、部下や社員の「考えつく」を奪っている、ということ。
ダメな上司やダメな会社、人が育たない会社や人を育てられない上司、さらにはサークルやゼミだって、そう。ダメな彼らは、部下に「考えつく」余地を与えてない。

「あれをやれ、これをやっとけ」
「なんでこんなこともできないんだ」
「言われたことをしっかりやれ」
「前にも教えたのに、いつになったらできるんだ」
「言い訳するな」

これってどれも、部下やメンバーや後輩の「考えつく」を奪う言葉なわけですね。
なんなら、「ちゃんと考えながら動け」だって、考えることを促しているようにみえて、そうじゃない。だってそこには「考えつく」に至らせるための余地がないですもん。

できる上司、できる教師、できる先輩って、かかわる人たちが「考えつく」ようなサポートをしてる。だから、自分の手を離れても自分でちゃんと考えて、自分で「考えつく」ができるようになって、自走するようになる。

そういう意味で、リクルートのOBがよく言う言葉。
「お前はどうしたいの?」
「じゃあ、どうしたらいいと思う?」
って、まさに「考えつく」を育てる言葉。

それこそリクルートって、新しいアイデアや新規事業を生み出してきて成長した会社。
でもそれは、いきなり新しいアイデアが降りてきたとか、たまたま新規事業がハマったというわけじゃありません。従来のビジネスの中で、日々「どうしてやろうか」、「こうしてみようかな?」、「こんなのはどうだろう」って、毎日毎日「考えつく」ための練習をしている人が育ってる。
新規のアイデアや事業は、そんな「考えつく」集団の集大成的に見えるものの氷山の一角でしかないわけです。その裏には膨大な「考えつく」人たちが控えている。もちろん、日々「考えつく」をしてるから、楽しく仕事ができている。

逆に、ダメな上司、ダメな会社はメンバーの「考えつく」を奪い続けているから、新しいアイデアが生まれないばかりか、「言われないとできない人」たちの集団になっていく。「言われたことだけやる」集団ができていくわけです。そこにクリエイティブな発想はないし、「楽しく働く」人たちもいない。
でありながら、それすら気づかずに、ずっと「なんでこんなこともできないんだ」、「いつになったらできるんだ」と言い続ける。


そういう意味で、社員やメンバーの「考えつく」をどれだけ育てて尊重しているかどうか、は良い会社や「良い組織」を判断する基準のひとつになりえそうです。
それこそ前回の記事でも書いたように、それは別に大きな成果につながるものじゃなくてもいい。ただただ日々のちょっとした業務や作業のことや、ほんの小さな「こうしてみたらいいかも!?」という程度でいい。むしろ、そうした小さな「!!」をしっかり育てている組織、それができる人を増やそうとしている組織は、確実に成長する可能性が高そうだし、楽しく働く人も多いはず。

もちろんまずは、自分自身が「考えつく」を大事にすること。
そのために、できるだけ「考える」を習慣にすること。
その上で、自分がもっと活躍できる環境、もっといろいろな新しいことを「考えつく」ことができる環境を見つけるために、「考えつく」を奪う環境か、それとも「考えつく」を育てる環境かは、わかっておくのも大事なこと。

ってな記事を書いている途中、Twitterにこんなツイートが流れてきました。

どんなに偉業を成した人でも、どんな大発明をした人でも、最初の一歩は常に「考えつく」なんです。それを忘れず、ぼくらもいつも「考えつく」を大事にしていきましょう。
ぜひぜひ良い環境を見つけて、もっともっと「考えつく」で楽しむ人が増えますよ~に!!

ではでは相変わらず、楽しく、気持ち良く、適当に~♪