今日ついに、みつしろ人生初となる印税が振り込まれました。わ~い。
まあ、ゆ~てもそんな大した金額なわけじゃないのですが、飲食店の人間として日銭を稼いでいる身としては、それなりにまとまったお金が入ってくるのはうれしいことです。

で、「せっかくの“人生初”なんだし、なんかご褒美的に使っちゃいますか!? 行っちゃいますか?」と思ったんですが、瞬時に察知するわけですよ。さすがにぼくも、みつしろ人生をン十年生きてきて、もうわかってるんです。「自分へのご褒美に何にお金を使おうか?」なんて言ったって、結論はわかってお~る。

「別に、ほしいものなんてないもんなぁ」

そうなんですよね。特にほしいものがない。
毎日美味しいお酒を飲めて、いろんな人と話をしてて、本だって自由に買えるし、パソコンや音楽だって楽しめてる。って、別にほしいもの、買いたいもの、お金を使いたい用途がないんです。彼女や奥さんや子どもがいるわけでもなく、プレゼントする相手もいない。U2の日本公演があるわけでもないし、そういう欲求がぜんぜんありません。

「お金がほしい。人脈がほしい。イイ女を抱きたい。そのために高い服やアクセサリーを身につけて、オシャレなお店に行ったりしたい」。そういう人がいるのは、よ~くわかります。それはそれで楽しいんだろうし、充実した気にもなるし、人から羨ましがられたり、モテたりするのも悪い人生じゃないと思います。特に20代から30代半ばくらいまでは、そういうのもありだとも思います。

ただ、そういう人とは別に、ぼくはドラッカー先生の言葉を大事にしたい。

「何によって憶えられたいか」
私が十三歳のとき、宗教の先生である牧師さんが「何をもって憶えられたいかね」と聞いた。誰も答えられなかった。すると、「答えられると思って聞いたわけではない。でも五〇になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ」といった。

ぼくは少なくとも、「お金持ちのみつしろ」、「ファッションセンスのあるみつしろ」、「モテモテのみつしろ」、「人脈をもってるみつしろ」、「成功者みつしろ」みたいなことで「憶えられたい」という気持ちがぜんぜんない。昔はそんな時代もあったけれど、今はぜんぜん思えない。

なんでかというと、そういうのってぜんぶ「自分じゃないものを自分のモノに見せてる自分」でしかないと考えちゃうから。
お金やファッション、異性や人脈、実績や肩書きって、どれも自分の外側にあるもので、それをどれだけ手に入れても、そんなに楽しくない気がするんです。自分じゃないもので評価されて、それってうれしいか? と。
むしろそういうのって、自分に自信がなかったり、コンプレックスがあるから、そういうものをまとってどうにか「それなりの人間」に見せようとしている部分があるんじゃないかと思っちゃうんです。

どうなんだろう……?
ぼくがヒネくれてるだけなのか、虚勢を張ってるだけなのか。
本当のところはわかりません。

ぼくは今のところ、「楽しく生きる人が増えることに貢献した人間」として憶えられたい。

だからぼくは人と楽しいお酒を飲んで、いろんな話をして、何かしらその人の役に立って、それを元に考えて、本を読んだりネットで情報収集をして、また考えて、誰かの人生や生活を楽しくするための言葉を吐けたり、影響を受けてくれる人がいたりしてくれたらそれで良くて、そのためには別にここから何かのお金を使う必要性はなくて、ただただ普段通りの生活をしつつ、もっと楽しくすごせる人が増えるような関わり方をしていければいい。

だから、
せっかく人生で初めての印税が入ったのに、ぜんぜん使い途が思いつかない!
せっかくの記念日(記念金?)なのに、有意義な使い方がわからない!!
初任給でお母さんにエステ券を贈ったり、お父さんにネクタイ買ってあげたり、恋人と旅行に行ったり、奥さんと食事に行ったりするような、「初めてのお金」でやることがな~~い!! そういうの、やりたかったのに~!!

わざわざ店を休んでまでやりたいことがあるわけでもないし、さてどうしよう?

ま、とりあえず楽しく、気持ち良く、適当に生きていきます……(笑)