仮説を立てる力、って大事だと思うんです。仮説力。
これって仕事でも私生活でも使える力で、たとえば先日の記事ではさらっと流して書いていますが、学生のときにはあんまり使わなかったけれど、社会人になったら頻繁に使うことになるのが「仮説を立てて、検証をする」という思考方法なんですね。

だって仮説がなかったら、必要な情報を「すべて」集めて、ちゃんと正しいと確認できたものしか選択することができなくなっちゃいます。
でも、仕事ではそんなことをしている暇はありません。
厳密なマーケティングや成功方法のマニュアル化のような、かなり膨大な情報を扱う仕事ですら、仮説をもたないと成り立たない。

「これって、もしかしたらこうなんじゃ……?」
「この視点で考えてみたら、どうだろう?」
「ってことは、こんな傾向もあるかもしれない」

そうやって、目の前の情報から想像力を膨らませて、何かしらの「仮説」を立てる。
それに沿って情報収集をしたり、テストをしてみたりしながら、その仮説を検証していくことで、業務効率の向上や成果を出すパターンを組み上げていくわけです。

そんな「仮説力」ですが、昔は多くの人が日常生活で無意識のうちにやることができる環境があったと思うんです。なのに、近年ではそれを日常生活で鍛える環境がどんどんなくなっていて、社会人になる前に仮説力を磨く機会が減ってるんじゃないかな、とぼくは考えています。

なんでか、というと。
すぐにインターネットで検索できるようになったから。

それこそ猿基地でお客さんと会話していても、「あれって何だったっけ?」とか「これって何でなんだろうね」みたいな話になると、誰かがすぐにスマホで検索して教えてくれます。
それはもちろん便利なことだし、会話の内容によってはスムーズに事が進む。その検索力やフットワークの速さは、やっぱり学生たちはネット・デジタル世代だなぁ、と感心したりもします。

ただ、だからこそ「仮説力」が磨きにくくなっちゃってる、という側面もあると思うんです。

仮説力をもうちょっと分解してみると、何によって成り立ってるかというと、ぼくは「疑問力」と「想像力」と「索引力」なんじゃないかと考えています。

「何でだろう?」と疑問をもったり、疑ってみたりする「疑問力」
「もしかして?」とイメージしたり、推測したりする「想像力」
そして、「たとえばさ……」と過去の経験や情報を引っぱってきたり、探し出したりする「索引力」。まあこれは、「インデックス力」と言ってもいいかもしれません。

仮説力は、この3つの力によって構成されてる。
インターネットですぐに検索できるようになると、最初の「疑問力」にはそれほど影響はないものの、そのあとの「想像力」や「索引力」を働かせるヒマもなく、答えが導き出せちゃう。それらの能力を活用、練習することがないまま、答えに辿りつけちゃいます。
んで、それを繰り返していると、仮説力は身につきにくいんじゃないかと考えているわけですね。


だから、猿基地ではたまにこんな遊びをしてたりします。
それは、「あれって何でだろう?」とか「これってどうなんだろうね?」って話になったときに、あえて検索せずにみんなで答えを想像してみる。それこそみんなで「仮説」を立てて、答えを知らないままにワイワイ意見を交換してみる遊びです。
と、書くと、なんだかフェルミ推定みたいなむずかしい話に聞こえるかもしれませんが、そうじゃありません。そんなに数字や思考回路がどうこう、なんてこむずかしく考えなくたっていい。


最近、猿基地でやってみて、会話が盛り上がったのは、たとえばこんなお題。

「マットレスって、なんでマットレスって言うの?」
マットレスって、マットじゃん? それがなんでマットレスなんだろう。ってか、そもそも世の中には「脚付きマットレス」なんてものまであるわけで、「脚付き」の「マットレス」ってどういう意味やね~ん?

「ゲンを担ぐの“ゲン”って、どんな漢字だっけ?」
スポーツ選手がソックスを右から履いたり、ルーティンの動きがあるのって、ゲン担ぎって言うけれど、そもそも“ゲン”って何? 担げるようなものなの? 本当に“ゲン”って読む漢字だったっけ?

「勤労感謝の日って、なんで国民の休日になってんの?」
勤労に感謝をするってそもそもなんやねん。それって何があった日だから、国民の休日に設定されたんだろう? 建国記念日や海の日はなんとなくわかるし、天皇誕生日はそのままだけれど、勤労感謝の日は何?

まあ、「ゲン担ぎ」は知ってる人がいたら会話にならないし、「勤労感謝の日」もそれなりの教養がある人だったらわかるかもしれないけれど、「マットレス」はマジで楽しかったです。
そのときは延々とみんなで話していて、いろんな「仮説」を立てては「でも、この場合は違うもんなぁ」とか「それなら、こっちかもしれなくないか?」なんていいながら、1時間近く話してたのに、ネットで検索した瞬間に、みんなで脱力しました(笑) むちゃおもしろかったです。


そうやって、「あえてネットで調べない」ことで、みんなでワイワイ話しながら「仮説力」を磨いてみる。
それを通して、想像力や索引力(=インデックス力)を鍛えてみる。
仕事にも役に立つ、「仮説力トレーニング」。せっかく金曜日で飲み会がある人もいるだろうし、やってみてはどうでしょ~か?
んで、盛り上がったお題があったら、ぼくにも教えてくださ~い♪


仮説力トレーニングも、楽しく、気持ち良く、適当に~。