「ミクロとマクロ」というタイトルだけど、別に経済学の話じゃなくて、もっとカンタンなお話。

というのも、ちょっと前に書いた「マーケティングスキル」にも関係することなのだけれど、仕事の仕方にもミクロとマクロがあるのかもね、と考えています最近。んで、そんな視点で見たときに、自分が得意なのはどっちか、今はどっちのやり方をしているのか、これからそれをスイッチするとしたらどんな方法があるのか、というよりも両方を経験しておくのって楽しいし、有効だよねというお話です。

結論から言うと、
ミクロ=顔の見える相手との仕事
マクロ=顔の見えない相手との仕事
の2種類。

少し具体的な話をすると、たとえばぼくが大学を卒業して最初に就いた仕事は、営業でした。
新卒や中途の求人広告や人材派遣、人材紹介といった採用手法の営業だったり、教育プログラムや選考のためのグループワーク、あとは評価制度の提案なんかもしていて、それはもちろん企業の人事や経営者といった顔の見える相手と進める仕事です。
そんな営業を2年半経験して、そのあとは制作・クリエイティブの部署で、主にライターとして原稿を書いたり、営業の人たちと採用のコンセプトを考える仕事をしました。この場合、営業やクライアントと顔は合わせるけれど、「広告」である以上、本質的な意味での自分がアプローチする相手は広告の向こうにいる顔の見えない人たち。
そこから会社を辞めて猿基地を始めると、次の仕事相手はもちろん顔の見える人たち。毎日、お店に足を運んでくれるお客さんに満足してもらえるように、考え動きながら仕事をするわけです。
さらにブログを始めたり、書籍を出したりするようになると、その相手はぼくには顔の見えないネットやページの向こう側にいる人たちです。

そうやって振り返ってみると、ぼくの場合は、営業(ミクロ)→制作(マクロ)→猿基地(ミクロ)→ブログ(マクロ)というように、前職から今に至るまでにミクロとマクロを交互に経験してきています。

んで、いま考えてみると、このミクロとマクロを2回転してきたことが、むちゃくちゃ有意義だったなぁとしみじみ思うんです。


営業や猿基地というミクロの仕事をしていると、特定の個人としっかり向き合うことが重要になります。それぞれの人がもっている価値観や感性、考え方や好みを把握して、その人に満足をしてもらえるような考え方、動き方をしていかなくちゃいけない。
一方、広告やブログといったマクロの仕事の場合は、顔の見えないぼんやりとしたものの中にいる、自分のターゲットになる人を想像して、そこに届けるための考え方、動き方をしていく必要があるわけです。

両方とも面白い部分があって、大変な部分もあります。
どちらか一方に集中して、スキルや経験を積んでいく方法もあると思います。

だた、ぼくはこの両方を経験することは、相互的に好影響を与えてくれると考えていて、少なくともぼく自身は(飽きっぽいのも理由だけれど)、両方やってきたからこそいまを楽しめていて、それなりに求められる程度に社会や人に影響を与えられているんじゃないかな、と。
営業をやっていたからこそ、制作に異動したあとに営業から評価をされた部分が大きいし、その結果として社内でトップになれた。猿基地をやっていた(いる)からこそ、ブログや本を書けている。


んで。

あなたの得意な仕事はどっちかな?
もしくは、自分がやりたい仕事はどっちかな?
これからスイッチする可能性はどう?
どんな仕事をしながらスイッチしてみる?

どちらかでやっていた経験が、ミクロ/マクロをスイッチするだけで強い武器になることがあります。
もちろん逆効果になることもあるし、どちらか一方だけを専門的に追究していくことが悪いという話でもありません。
これから仕事をする学生たちにとっては、将来的にどちらかを目指すために最初は違うほうに行ってみるという選択肢だってありうると思います。
いまミクロの仕事を考えている(している)のであれば、マクロの仕事の可能性を考えてみるのも面白いかもしれません。逆も同じで、仕事を「ミクロとマクロ」で考えて、ちょっと視野を広げてみたり、自分のこれからの仕事を考えてみる。

そうやって、仕事を「ミクロとマクロ」の視点で考えてみるのも、仕事を考えるヒントになるんじゃないかな、と。おヒマがあったらちょっと考えてみてくださ~い。

楽しく、気持ち良く、適当に~。