猿基地に来てくれている学生が教えてくれた話なんですが、彼がある企業のグループディスカッションに参加したところ、就活病チックな学生たちが相も変わらず「役割分担を」とか言い出したそうで、司会や議事録を書く人たちを決めて、タイムキーパーまで決めようとしている中で、彼が言ったのは「みんな時計持ってますよね? わざわざ誰か一人が時間を見ておく必要、あります?」と。まわりが「たしかにそうや……」と沈黙したという話を聞いてとっても素敵だなぁ、とうれしくなったみつしろです。グループディスカッションの役割分担とか、まじで意味ない。


さて、今日のタイトルのとおり、就活をしている学生たちに「これ、今だからこそ読んでみてもええんちゃう?」をお伝えするこのコーナー。今回、3冊の本を紹介したいと思っております。

変にシューカツシューカツせず、別にテクニックや理論が書いているわけでもなく、むずかしい話なんかでもなく、むしろむずかしく考えすぎちゃう今だからこそ、このへんの本を読んでもうちょっと視野を広げてみたらいいんじゃないかな、という3冊です。
や、ホントは「べき!」とか言いたくないのだけれど、なんとなくWebメディアっぽく書いてみようかと思って書いてみました。

1冊目はまだちょっと真面目に、西原センセの『カネの話』。

 
以前に「女性に読んでほしい3冊」でも紹介したのだけれど、仕事って何なんだろ? お金を稼ぐって何なんだろう? ということを綺麗ごとではなく、自身の体験をもとにリアルに書いてあるのが、この本。すべての人がうらやむ仕事をする必要もないし、優秀だから成功するわけでもないし、自分が生きるべき道をちゃんと自分で考えて、世の中の「常識」に振り回されずに、自分の人生を生きることのヒントが詰まってるのが、西原センセのこの本。本当に名著だと思います。


んで、もう1冊が、このブログにしては珍しく小説。
ぼくが高校生のときに、「もっと早くに読んでいたら……!!」と身悶えながら読んだのが、山田詠美さんのこの本。

これまた、世の中の常識ってただの多数決で「正しい」と思われてるように見えているだけで、それに縛られてる人ってなんだかヘンじゃない? それってホントに自分をすり減らしながら目指すべきことなの? じゃあ、自分が大事にしたいことって本当は何なんだろう? ってことを痛快に表現してくれてる作品。就活病を抜け出しきれていない人に、ぜひ読んでほしい。


んで。
今回の記事、実はただこれを紹介したかっただけ、というくらいに「とりあえず、これ読んどけ!! ってか、就活程度でしんどくなったりしてるんなら、これを毎朝毎晩めくってみるだけで、そこから抜け出せるかもよ!?」という本。

それが、三代目魚武濱田成夫。

就活程度で、もしくは恋愛や仕事でグチグチ悩んだり、常識に縛られて「びえ~ん!」とかなっちゃってる人は、とりあえず読んでほしいんです。大いなる阿呆であり、稀代の天才である三代目魚武濱田成夫の言葉に震えてください。

基本的には「詩集」なので、読むのにもぜんぜん時間がかかりません。
たとえば、ぼくが好きな詩をいくつか紹介すると、
左の頬をなぐられたらすぐに右の頬をさしだせ。そして相手の左が来るその瞬間に右のクロスきめたれ。一発で地球に沈めたれ
一日一回は自分の手で地面をさわれ
地面を自分に手なずけとけ。ハイドードー。
たとえ 空が どすぐもりでも ええように
いつも自分で晴れとけ
空にたよるな 空は空
それが どこであろうが
外に出たら まわりの奴等全員
俺様のためのエキストラ
みなさん おまたせしました
さあ はじめましょか
俺は俺以上でもなければ俺以下でもないどころかそれ以上だ。
人間はな、運命にいたずらされる事もあるが
逆に運命にいたずらする事もできる。

ほら、ちょっと元気になりません?
朝と夜のちょっとした1分、この本をめくってみるのもいいかもしれません。
あと、これもね。
人生よ あなたは、まるでこの俺様の子分。 (角川文庫)
三代目魚武濱田成夫
KADOKAWA / 角川書店
2016-05-25



楽しく、気持ち良く、適当に~♪