人は誰でも魔法を使える。
といっても、「あの子の笑顔は、幸せを生み出すぼくだけの魔法」みたいな話じゃなくて。
その魔法は2種類あって、片方は世の中を良くする「白魔法」。
んで、もう一方は、世の中に害悪を与える「黒魔法」。
この前の記事で書いた見城さんは、白魔法の使い手。
まだ25歳の新人編集者時代、雲の上の存在だった作家五木寛之氏の連載を獲得するため、作品の感想を手紙にして送った。新作が出たら5日以内に手紙を出すと決めると、連載小説から新聞の小さなエッセイ、対談など、あらゆる作品が出るたびに感想をしたためた。(中略)17通目でやっと五木氏から返事があり、25通目で念願叶って初対面を果たす。
つまり、白魔法って、感想・感謝・評価を伝えること。
たとえば、マンガ家の藤田和日郎のインタビューを読んで、ぼくは衝撃を受けました。
藤田和日郎って、『うしおととら』とか『からくりサーカス』を書いていた超人気マンガ家です。ぼくもリアルタイムで連載を読んでいて、毎週ワクワクしながらサンデーの発売日を待っていたクチです。
なのに、藤田先生はこう言ってる。
『からくりサーカス』は9年間連載してたんだけど、描いてる時にそういう言葉が届いていればどれだけ助かったかわからない。
わざわざ手紙を書いてくれる人って本当に少なくて、ファンレターが月に2~3通届くくらいで。今でも大事に持っているんだけど、手紙を何回も読み返して力をもらったりして。
全然反応がない中で歯を食いしばりながら描き続けるしかなかった(笑)。
って。
あれだけの人気マンガですら、そうだったなんてマジか……と。
他にも、モーニング娘。の保田圭がテレビで「自分にはファンがいなかった」と言ってたんですが、むしろぼくはモーニング娘。の中では、完全なる保田圭ファンだったわけです。保田圭の一択でしょう、というくらいに。ちゃんと感想を送っていたら、結婚できたかもしれない……(笑)
つまり何かというと。
ただ感想を伝えるだけで、救われたり喜んだりする人がいるのに、そんな白魔法を使う人ってむちゃ少ないんだね、ということです。
ちゃんと感想を伝えるだけで、ベストセラー作家が生まれることもあれば、良いマンガを読み続けることもできる。モーニング娘。と結婚できるかもしれないわけです。
なのに今の世の中では、どうにも黒魔法の使い手ばかりが目立ちます。
悪口・悪態・愚痴という黒魔法。
「あいつはどうだ」、「こんなことをしてる奴がいる」、「ど~せあれだから」。
なんなら「別に興味ね~し」だって、一種の黒魔法です。それを受け取る人に、何かしら負の感情が生まれる言葉はぜんぶ黒魔法。
しかも何がタチが悪いって、白魔法よりも黒魔法のほうが、断然に拡散性が高い。
誰かが「ばかやろう」と言ったら、そりゃ「うっせーばかやろう」が生まれます。それでお互い気分が悪くなってキレやすくなって、ちょっと肩がぶつかったくらいで「おら、このやろう」といって、「なんだこのやろう」と広がっていく。そうやって、黒魔法はむちゃくちゃ拡散しやすい。
とはいえ。
だからといって白魔法に拡散性がないかといったら、そんなことはありません。
黒魔法ほどじゃなくても、白魔法にも拡散性はある。ただただとにかく、白魔法の使い手が少ないために、黒魔法の使い手に覇権を握られているだけなんです。
それこそ、このツイート通りのことが、そこかしこで生まれてそう。
良いものには良いと言いましょう、というお話 pic.twitter.com/14ts1M7s3I
— Extrose@#全箱 2/25 (@extrose_xinei) 2017年2月7日
べつに、ホメ上手になりましょう、って話じゃありません。
ほんのちょっとだけ、自分が楽しんだり、世話になったり、いい気分になったら、その感想を伝える。
カンタンすぎて、大して目に見えるメリットがなさそうに見えるから、あんまりやる人がいないのだけれど、実はこれは世界を変えうる白魔法なんじゃないかと思ったりします。
「一日一善」ほどのことをしなくても、「一日一白魔法」の使い手が増えたら、もうちょっと世の中良くなるんじゃないかと、けっこう本気で思ってます。
「感想を伝える」だけでも世界は変わる。
楽しく、気持ち良く、適当に~♪
コメント
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ちゃんと良いところを伝える
気にかけようと思います
そうやってコメントくださるだけで、ぼくもうれしいです。
もっといろんな視点を提供できるようがんばります~。
ブログ読ませてもらって、自分のことを知ってってます。時々、もやもやがなくなる感じがするんですよね^ ^