就活がはじまると多くの学生が陥る「やりたいことがわからない」問題。
これですね、過去にも何度か書いてきたのだけれど、シンプルに言ってしまえばこういうこと。

時代や環境や知識に縛られないで、純粋な「やりたいこと」から考えよう。

つまりはですね、営業だとか事務だとかプログラマーでも職種的な部分でもそうだし、商社や広告、ネットやメーカーといった業種的な話でも、そう。そういう「属性視点」で考えるから、やりたいことがわからなくなっちゃう。それで無理やり選んで、あとあと「こんなはずじゃなかった……」ってなったりするわけです。
仕事って、職種でするものでも業種でするものでもありません。もっと根本的なところにある欲求や感情が、まずありき。それに向き合わないで表面的な「名称」や「属性」でやりたいことを考えても、ズレてしまうことのほうが多いです。

だから、いったんそういうのを全部無視して考えてみましょう。
極端に言ってしまえば、時代や環境や知識にかかわらず、ただただ純粋に「やりたいこと」ってなんだろう? と。

いま考えている「やりたいこと」って、幕末設定でも変わらない?
ルネサンス期だとしたら、何をやっていそうかな?
同じ現代だとしても、アジアやスイスで考えても同じになる?

乱暴な言い方だけれど、そういうこと。
そうやって時代や環境や知識に関係なく共通する「やりたいこと」こそが、たぶん本質に近いはず。


たとえば、ぼくの場合。

入社した会社で、最初は営業をやっていました。数字を追いかけたり、人と競争したりするのは全然好きじゃないし、成績的にもチョボチョボでした。けれど、振り返ってみると案外「社内初」とか「業界初」の案件が多かったんです。そこからクリエイティブ部門に異動して、ライティングとかコンセプトワークなんかをして、それなりに高い評価をされたりもしつつ、働いていました。会社を辞めてからは猿基地を始めて、その数年後にはブログを書いたり、本を出してみたりもしたわけです。

こうやって見ると、営業から制作、そしてマネジメントをして、飲食店をやりつつ、ブログや本を書いたりしているという、何の一貫性もないキャリアなわけです。

が、個人的には、やってることはいつも同じつもりです。
だって、ぼくの「やりたいこと」はぜんぜん変わってない。


それは、「言葉で人をスッキリさせる」ということ。
ぼくは、ず~っと「言葉で人をスッキリさせていきたい」んです。

社会人になってからこれまで、いくつもの職種を経験してきたけれど、やっているのは全部これです。ロジックとアイデアを組み合わせたスキルがたぶん人よりもちょっと得意で、その上で少しヒネくれた視点で見てる。そんな「ロジック×アイデア×ヒネくれ視点」を武器にして、人をスッキリさせられる言葉を吐いていきたい。それが楽しい。

言葉で人をスッキリさせる
という分野においては、ぼくほど向き合って、かつ多ジャンルでやっている人はそうそういないんじゃないかというくらい、そればっかりやってきてるつもりです。むしろ、社会人になる前からそういうことを楽しんできました。言葉で人をスッキリさせるキャリアにおいては、かなりのベテラン。

それは職種や業種で変わるものじゃないし、時代や環境が違ったとしても変わらないわけです。
んで、それができるなら、極論どんな仕事でもいい。あとはただただ分野と程度の問題で考えればいいだけです。
もちろんそうした職場を選ぶときには、それ以外の条件や働き方といったこまごました他のことも考えていく必要はあるけれど、基本の根っこは「言葉で人をスッキリさせる」こと。それさえハズさなければ、だいたいの仕事は楽しめると思っています。

そうした意味での「やりたいこと」がわかってると、だいたいの仕事は楽しめる。
んで、そのためには環境や時代や地域や属性を徹底的になくした上で、それでも残っている欲求や感情を見つけてみる。逆に言えば、そうした諸々がないと成立しない「やりたいこと」は、ただの憧れや偏見や誤解だったりするかもしれないんじゃない? とも思ったりします。


あんまりむずかしく考えず、そうやって自分の欲求の根っこを考えてみるのも大事かもしれないですよん。