先日、ぼくと同じように日常的に学生と触れ合っている人と話してました。

「最近、1,2回生におもろい子が多いよね」って。

そんな感覚はたしかにあって、彼の周辺にいる学生も1回生ががんばっているし、猿基地に来る学生の中でも「おもろいなぁ」と感じたら、だいたい低回生だったりします。
それで「最近の1,2回生はおもろい」というような話でひと通り盛り上がって、個人的にも「これから新しい世代が盛り上げていくのかな」とか「ゆとりださとりだと言われてたけれど、変わりつつあるのかな」なんてワクワクしてくる。いや~、元気でおもろい学生が増えることってうれしいなぁ。

ただ、ですね。
ちょっと、ふと考えてみると……。


あれ……?
これ、数年前くらいから言ってた気がする……ぞ?

思い返すと、なんだか3,4年前からそんなことを言っていたような気がする。
人事の知り合いとも話した記憶があるし、社会人のお客さんとの会話でも言っていたのを覚えてる。

ってことは、そもそも。

例年それなりに1,2回生はおもろいんじゃないか。
別に世代的な特徴ってわけではないんじゃないか。

とも思えるわけです。


それでちょっと考えてみたわけですが、たとえば企業ではこんな現象があったりします。
いわゆる大手企業や有名企業に入る学生って、そりゃもちろんそれなりに「優秀」なはずです。40万人以上の学生の中から、それこそ高いハードルを超えて、多くの社会人の評価を乗り越えて選ばれた選りすぐりの人材です。
それだけ「優秀」なエリートのはずなのだけれど、大手企業に入って数年もすると、どうにもフツーのサラリーマンに成り下がっていったりする。保守的でルールとしきたりに縛られた環境でそれなりに働いていると、そこに適応すべく、意欲も減退して変化に怯えるような、ヨレヨレの会社員になっていく。そんな現象がいくらでもあります。

入口では「優秀な学生」だったはずが、数年で立派な「疲れたサラリーマン」ができあがるやつ。


もしかして「1,2回生おもろい説」も、これと同じ作用が働いてるんじゃないか、と。
つまり、低回生のうちは何かに縛られることもなく、自分自身がやりたいことに時間や労力を割いて、精力的に動き回る。新しいことへの興味もあるし、どんどんフィールドを突き詰めたり広げたりする意欲もある。そりゃ傍から見ても、「おもろい学生」に映るのは自然なことです。
それが上回生になるにつれて、じわじわと(もしくは急激に)しぼんでいくかのように、おもろくなくなっていく。何かしらの環境的・心理的な変化によって、無難でひらべったい学生になっていっちゃう。

そういう現象が、日本全国で発生してると言えそう。

じゃあ何で、低回生のうちはおもろかったのに、上回生になるにつれてしぼんでいくのか。
たぶんサークルでの立ち位置や責任とか、バイト先での慣れだとか、もしかしたら大学生活に対する飽きがきたとか、考えられる要素はそれなりにいくつかあるかもしれません。

が。

個人的にはやっぱり、元凶は「就活」だと思うんです。

本来は自分なりに楽しいことに一生懸命に学生生活を送ってきたはずが、いざ3回生になると「就活」の影がちらつきはじめる。1年上の先輩の就活する姿を見て、場合によっては同回生でも意識高い系の学生たちはインターンなんかに行き始めたりする。親や大学からは、「そろそろ就職を意識して……」みたいなことを刷り込まれていくわけです。一般企業のみならず、公務員を目指そうとする人なんかは、もしかしたらそれよりも早い段階で講座に通ったりして、より早く「就職モード」にスイッチしていく。

しかもその「就活」は、旧来的で形式的な就活の考え方ややり方です。
自分の特性や特徴を活かすよりも、正解らしきものを上手に「コピー」するような就活。
そういう就活を意識し始めることで、せっかくおもろい学生だった人たちまでも、どんどんエネルギーを吸い取られちゃって、しょぼくれていっちゃうんじゃないか、と。そんな風に思うんです。

つまりは単純に、何かに「合わせる」ようになると、おもろさが減退していく
それは会社のルールであれ、昭和的価値観であれ、就活であれ、日常生活であれ何でもそう。

「最近の1,2回生がおもろい」んじゃなくて、「3回生になると、学生はおもろくなくなりがち」。
「大手企業のサラリーマンがつまらない」んじゃなんくて、「合わせるようになるとしょぼくれる」。
合わせたり、コピーする方向に意識が向くと、人のエネルギーは減少する。
そんな原理があるということ。


だからこそ、今はまだ変な「就活」に染まっていない学生は、そのままおもろい学生のまま、すくすくと上回生になっていってほしいなぁと切に切に願います。そして、このしょ~もない就活よ、さっさと無くなれ! と祈りつつ、『就活ゲーム』よもっと広まれ! とがんばらないかんな~と思うわけです。



以下蛇足。
んで、猿基地の学生たちが「おもろい人」でい続けるのは、学生たちがそうした変な就活モードに入ってスポイルされるのを防げているから、という説も考えられます。(自慢げに)
本来ちゃんと楽しくおもろい学生生活を送ってきた人たちそのままのエネルギーで、自然に就活フィールドに移行できてる。そんなお手伝いができているというのも、猿基地の学生たちが就活でも順調にバシバシ内定をとるのにつながっているのかもなぁ、と。
 
上回生になってもおもろい学生であり続ける人が、世の中にもっと増えますよ~に!!!