会話はキャッチボールである。

というのはよく言われる話で。
それが意味するのは、「相手の投げたものをちゃんと受け取って、相手が受け取りやすいボールを投げましょうね」というようなことで、それはそれで別に間違っているわけじゃありません。それは大事。

けれど、ですね。
個人的にはもうちょっと違うイメージ。
というか、「キャッチボール」だとしてしまうと、どうにも勘違いしちゃう人もいるのではないかと思ったりもするわけです。ボールを投げ合う感じだと、たまに会話じゃなくて議論やディベート的になっちゃうこともある。
さらには1対1ならまだしも、複数人での会話になるとキャッチボールのイメージだと、けっこうボールを見失っちゃう。「あれ……? ボール、どこ?」って。場合によっては、ボールが増えすぎてみんなが好き勝手にボールを投げつけてたりする、なんてこともあります。

なのでぼくは、会話って水流のようなイメージで考えたらいいんじゃないかな、と。
自分と相手の空気感を水が流れているイメージで捉える。
それをお互いに流しながら、少しずつ水流を強く大きくしていくのが、「心地良い会話」。

水流だから、いきなり方向を変えるとこぼれちゃう。
流行りのお店の話をしてたのに、いきなりバスケの話に変えたら水はこぼれるわ、これまでの水流は消えちゃうわで、また水流をつくらなきゃいけなくなっちゃう。話題を無視して、ボールを投げ合うキャッチボールのイメージで、ただパシャパシャ水を掛けてるだけじゃ「水流」は生まれない。

そうやって「会話は水流」だと捉えると、複数人での会話もやりやすそう。
みんなで水流を大きくしていく。
小学生の頃のプールの授業で、みんなでプールに入って同じ方向にグルグル回るやつ、やりませんでした? 30人くらいで一斉にプールの中を歩いて大きな流れを作って、急に逆回転しようとすると全然歩けなくなっちゃうやつ。あんな感じです。
もしくは、公園の丸くて回転するジャングルジムみたいなやつに友だちを一人乗せて、外に立ったみんなで「へ~い!!」とか言いながら、回転を強くしていくやつ。みんなでどんどん回転数を上げて、中の子は目が回っちゃうくらいにまで速度を上げていく。

会話もちょっとしたツッコミだったりとか、話題に乗ったり促したりしながら、水流を作っていく感じで捉えてみる。
4人以上になったら、本流と分流も生まれたりしながら、いつの間にか分流が本流になったりもする。会話が滞ると、そりゃ水も澱んだりもする。酒場の会話は、初対面同士がそれぞれの支流があったりして、合流地点を探りながら流してみたり。

「キャッチボール」で考えると、どうにも「相手の投げたボールをしっかり受け止めて、ちゃんと返さなきゃ」とか「何か話題を出さなきゃ」と考えちゃったりする人もいそうです。場合によっては、「おれはこんな球だって投げられるぜ!」的に、キャッチボールというよりピッチング自慢になっちゃう人もいるかもしれません。

そういう意味で、会話は「キャッチボール」よりも「水流」のイメージで。
そう捉えてみると、もっと会話は楽しめるんじゃないかな、とかなんとか。