前回の記事で、「就活とは信用を得る活動である」という話をしました。
社会は「信用」で構成されていて、信用を得られる人が「できる人」であって、信用を得られないと成果は生まれにくいよね、と。そんなことを書きました。

で、多くの人が感じるのは、
「じゃあ、どうやったら信用されんね~ん!」
という話だと思うんです。

企業の人に信用されれば、内定は出る。
内定が出ないのは、信用されてないから。
そんな就活の本質はわかったとして、じゃあ、何をどうしたら企業の人たちから信用される状態にもっていけるのか。そこが就活のポイントなわけですよね。

信用を得るために、自分が発信すべきこと。
実はこれもけっこうシンプルです。

「欲求」を伝えること。

これです。
これだけなんです。

ちょっとよくわかりませんよね(笑)
「欲求を伝えれば、人は信用してくれる」
自分で書いていても、「これだけじゃ、わかんないよなぁ」とは思います。

でもね、これがぼくの考える就活の本質であり、就活のコツなんです。

就活とは、信用を得る活動である。
信用を得るために、欲求を伝えること。
この2つを押さえておけば、それでいい。

ぼくがこれまでの人生で最悪の氷河期を経験して、500社の採用活動を手伝って、7年間ずっと学生の相談に乗り続け、200冊くらいの就活・キャリアの本を読んできて、至った今のところの結論がこの2つです。
この2つがわかれば、そこからはただの技術とテクニックの問題をクリアすればいいだけです。逆に言えば、これがわかっていなかったら、どんなに技術やテクニックを駆使してもうまくいきにくい。どれだけ努力を重ねても、効率の悪い「ムダな努力」になっちゃうんです。

「信用を得るために、欲求を伝える」
つまり、欲求がわかると、信用されやすくなる、という話です。

就活って、学生のみなさんが想像している以上に、実はものすごくハードルが低いです。
そりゃもちろん、社会において30歳を超えてから「信用」を得ようとしたら、「欲求」以外のあらゆる要素で評価をされるようになります。でも、就活で言えば、「欲求」だけでだいたい解決します。できちゃうんです意外にも。


そもそも企業の人たちは、学生の「スキル」や「実績」なんかには大して期待をしていません。
なぜなら、そんなスキルや実績なんかは、入社したあとに教育すればいいだけだから。たかだか大学生レベルのスキルや実績なんて、ビジネスの世界では大して役に立ちません。
それよりも大事なのは、スキルを身に付け、実績を残す上で、絶対的な必要条件となる「やる気の源泉」が何なのかを知りたいんです。つまり、動機であり、欲求です。

「欲求」には、人を理解するためのあらゆるヒントが詰まってます。
だって、人が動きだす理由も、やる気をなくす理由も、全部「欲求」によるものだから。

美味しいご飯を食べたい。
メジャーリーガーになりたい。
お金がほしい。
もっとモテたい。
嫌われたくない。
世の中のことをもっと知りたい。
上司に認められたい。
ラクして生きたい。
ニュートリノを解明したい。
セックスしたい。
自分らしく生きたい。
技術を極めたい。
社長賞をとりたい。
あいつに負けたくない。
この商品を世界に広めたい。
途上国の生活を良くしたい。
世界を我が手に!
「なぜオレはあんなムダな時間を……」
「駆逐してやる!!」
「海賊王に!おれはなるっ!!!」
「逃げちゃ駄目だ!逃げちゃ駄目だ!逃げちゃ駄目だ!逃げちゃ駄目だ!」

ほら。
「欲求」は、人の行動にこれだけ影響を与えてる。
むしろ、欲求の影響を受けない行動なんか、ありえないんじゃないかというくらい。


だからゴン君は、
その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ
と言うし、

凱孟さんは河了貂に
貴様の“欲望”はどこにある
貴様の“全欲望”をここにぶちまけてみろ
と言うわけです。

その人が、どんなスイッチによって、どんな行動をするか。
それはすべて、「欲求」が起点になって発生するものなんです。
人の行動は、欲求によって引き起こされる。

恋愛だってそうですよね。
「高学歴」だとか、
「高収入」だとか、
「どこに勤務しているのか」では、
何も「その人」のことはわかりません。
何に喜び、何に怒るのか、何で元気になって、何で落ち込むのか、何を目指していて、どんな人生を送りたいのか、どんな人間関係を求めていて、相手には何を期待しているのか。それがわかって初めて、「自分と合うかどうか」の判断ができる。

就活で「これから活躍するかどうか」を見ようとしている企業の採用担当の人たちにとって、いちばん知りたいのは、その人の「欲求がどこにあるか」なんです。

スキルを身に付けたり、実績を残したり、他者とどうやって関わるのかであったり、何に対して本気で動けるのか……、それらはすべて本人ががんばるからこそついてくるものであって、それをどんなモチベーションで動くのか、何によってやる気をだすのかがわかると、「どんなときに、どうやって活躍するのか」を知る大きなヒントになるわけです。
これまでにどんなスキルを身に付けていようと、どれだけの実績を残していようと、どんな人間関係があろうと、その根本にある欲求がわからなければ、そこには「その人を理解するためのヒントがない」ということなんです。

だから企業の人たちは、学生たちの「欲求」を知りたがってる

それなのに、学生たちはスキルや実績をこれでもかと話そうとしちゃう。どれだけ自分が優れているかをアピールすることに必死になってる。

だから、うまくいかないんです。

リーダー経験があろうと、ボランティアをしていようと、「それって、なんでやったの?」ということに欲求に絡めて話せなかったら、何の意味もない。ましてやそれが「就活のためです!」なんてお話にもならない。それじゃ「入社後の姿」は描けないから。内定をとって、入社するだけで満足されたら、企業にしてみれば何の意味もないわけです。「がんばってくれるはず」と信用するに足る根拠がない。


そうした欲求が見えないから、企業の人たちは学生を「信用」できないんです。
「欲求」が見えないから、「入社後の姿」が想像できないんです。

口先だけのキレイな言葉だけを並べている学生を、企業の人たちは信用してくれません。借り物の言葉で、それっぽいことを話しても、ウソっぽくて、欲求がわからないから、信用できない。だから、内定を出せない。

そういうことだと思うんです。

欲求がわかっていて、がんばるスイッチの在り処がわかっていて、スイッチが入ったときにどう動くのか。それがわかれば「じゃあ、ウチの会社の場合だったら……?」が見えてくる。
あまりにもそれを教えてくれない学生が多いから、企業の人たちは学生を「信用」できない。それが、いまの就活の現状です。

欲求を伝えるだけで、信用されやすくなります。
みんな実績やスキルやリーダー経験ばっかり話そうとします。
そんなのは全部「外側」の話なんです。
自分の欲求を伝えるだけで、信用は得られます。
就活で内定をとるレベルなんてそんなもんです。


とはいえ、「じゃあ、自分の欲求って何だ!? どうやれば!?」なんですよね。
それは、また次回~。