人って何かを選ぶときに、どうにもプラス側面を見ようとすると思うんです。

仕事でもそう。
こんな仕事がしたい。こんな環境だったらいいな。これがあったほうがいい。

恋愛でもそう。
こんな人がいいな。これは大事な条件。こんな人だったら最高!!

もちろんそういう部分って、自分の満足や幸福度にかかわる部分で、見えやすいから考えやすいんです。自分の求めるものをわかっていて、それに合致するかどうかを考える。


でもね。
違う視点で考えてみるのもアリかな、と。

というのも、プラス側面も大事だけれど、マイナス側面にも目を向けるのって大事じゃないかな、と。
「幸福度」って、企業経営と似ていて、基本的には求めるものは「利益の最大化」だと思います。つまり、売上と経費の差。どんなに売上が高くても、そのぶん経費がかかっていたら、利益は下がる。逆に売上がそんなに高くなくても、経費をしっかり抑えられていたら利益は確保できる。

んで、多くの人は「売上の上げ方」のほうに目が向いていることが多かったりしないかな、と。
でも幸福度を上げるためには、実は「経費の削減」もけっこう大事な視点じゃないかな、と。

つまりこういう考え方です。
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端的に言えばこういうことです。

「1」=論外
「2」=理想
「3」=リスキー
「4」=そこそこ

とりあえず、「1」論外ですよね。
プラスが少なくて、マイナスが多い。
売上が少ないのに経費がかかっていたら利益はでません。
その環境にいて、嬉しいことが少なくてしんどいことが多いなんて、そりゃお先真っ暗です。仕事でも恋愛でも、さすがにここは誰も選びたくないところです。

逆に「2」は、いわゆる理想的な状態。
プラスが多くて、マイナスが少ない相手。
経営的にも、とっても理想的です。多くの人が狙うところだと思うし、そりゃこんな条件がちゃんと揃っていたら、即飛び込んだほうが良いです。
ただ、さすがにこの条件が揃っている案件って、そうそうない。自分にとって理想的な案件だったら、そりゃ他の人にとっても理想的である可能性が高い。つまり競争率が高くなるのは当然です。

んで、けっこう多くの人が陥るのが、「3」じゃないかと思うんです。
これってプラスも多いけれども、マイナスも多い。
自分にとっての「好きなもの」を基準にして、対象を選ぶ。

そりゃ人生すごしていく中で、楽しいことや嬉しいことが多いに越したことはありません。ただ一般的には、「嫌いなこと」が少ない人生よりも、「好きなもの」が多い人生のほうが想像しやすい。だから、恋愛でも就活でも、多くの人は自分の「好きなもの」をベースにして取捨選択をする。

そうやって「好きなもの」を基準にして考えると、マイナス面に目を向けにくくなる。
だからここって、リスキーなケースが起きやすい。

だってそのときには、あんまり「嫌いなこと」に対しては注視していなかったり、そもそも「嫌いなこと」が自分でもわかってなかったりするんじゃないかな、と。そして「好きなもの」が多いぶん、「嫌いなこと」を見えないようにして、実際に付き合ったり入社したあとで、「こんなはずじゃなかった……」って思っちゃう人って、それなりにいそうな気がします。


だからこそ、の「4」なんです。
もしかしたら「4」を狙うのが、そこそこの幸せを得つつ、失敗確率が低い最善手になる可能性があるんじゃないか、と、そんなことを考えるわけであります。

「いい人がいない!」
「いい仕事がわからない!」

って人は、「2」や「3」で考えるんじゃなくて、「4」で考えてみたらどうでしょう?

電通の事件を見るまでもなく、人は多くのメリットを得ようとするから、デメリットを甘んじて我慢しようとしちゃう。これを我慢すれば、これだけのメリットを得られる(かもしれない/はずだと思う)と考えるから、しんどくなっちゃう。

要は、「少なくても利益が出てる状態」こそが大事なんです。
多かれ少なかれ、デメリットが継続してたら元も子もない。

一攫千金!的に「メリット重視」で判断をしようとすると、デメリットによる害を無視しがちになっちゃう。
それが「2」や「3」のステージの状態。

それなら、少しずつでもいいから利益を出せる状態を継続する。
自分の「嫌いなもの」ができるだけ少ない状態のほうを基準にして考えてみると、もっとラクになる可能性もあるんじゃないかな、と。それで「貯金」ができたら、「2」のステージを狙ってみればいいのかもしれないんです。しかもそのほうがターゲット・マーケットは広くなりそう。

「好きなもの」が多い、「2」の人生は、そりゃ幸せな人生です。
でも、それだけだと「3」のステージに遭遇する可能性も多そう。

それなら、とりあえず「4」のステージから始める。
そして、ちゃんと「貯金」ができたら、「ちょいと“2”のほうも考えてみようかな~」くらいにするというのもそれなりに幸せになる確率が高いんじゃないかな、と、そんなことを考えたりもします。

ま、基本的には個々人のスタンスの問題なんですが、こんな考え方をして自分がどの戦略をとるかを考えてみるのもアリなんじゃないかと思いますぼくは。