モテについて、恋愛について、世の中ではいろんなアドバイスがありますね。
相性だとか運とかタイミングだとかを大事にする人もいるし、『anan』だとかのモテ特集を参考にする人もいると思います。

ぼくはマーケティングが大事だよな~だと思ってるんです。
そりゃもちろんいろんなスタンスがあって、どれが合ってて間違ってるなんてこともなく、それぞれ好きにするのが良いんだけれど、マーケティング的に考えてみると、自分の「取るべき戦略」ってのもわかりやすくなる部分もあるんじゃないかな、と。

たとえば、プロダクトアウトとマーケットイン。
これはよく企業の商品販売戦略を考えるときに言われたりするのだけれど、プロダクトアウトっていうのは、作り手・売り手が自分たちにとって良しとするもの(プロダクト)をリリースしていく方法です。
んで、マーケットインはその逆で、マーケットのニーズを調べた上で、そのニーズに合わせて商品を作り、リリースしていく方法。

それを恋愛に置き換えてみると、プロダクトアウトを選ぶなら、自分の特徴やモテそうなポイントを強化していくことで、評価(モテ)を獲得していく。
一方マーケットインの場合だったら、世の中で評価される(モテる)ための特徴をしっかり習得して、それをアピールしていく。





って考えるとしたら、それは実はちょっと違っていて。
それじゃあ、うまくいきにくいと思うんですぼくは。

プロダクトアウトの戦略をとるなら、まだいいんです。
自分の強みや特性をわかった上で、それを「どの層に」「どうやって」アピールしていくかを考えればいいだけ、販売方法を考えていけばいいんです。
プロダクトアウトのほうを選ぶ時点で、そこそこ自信もあると思うので、あとはしっかりと「マーケットへの届け方」を間違えなければいいわけです。

大事なのは、マーケットインのほう。
多くの人がカン違いをしていて、それによって苦労している人が多いのが、こっちです。

せっかくマーケティング的にやるなら、もっと具体的かつ効果的な手を打っていきたい。市場のニーズに合わせて商品(自分)をプロデュースしていこうと考えたときに、ananの恋愛特集なんかを読んで、「可愛さアピールを!」とか「ときめきほにゃららが!」と考えるのは、早計、安易、早とちりだと思うんですぼくは。

理由はカンタンで、そこは同じ戦略で闘う人たちばかりが集まって、血で血を洗うレッドオーシャンになってるからです。

違うんです。

恋愛におけるマーケットインってのは、世の中で言われる「モテテクニック」をマスターすることじゃありません。

大事なのは、
「ターゲットを絞るべし」
ということ。

みつしろマーケティング的恋愛術(うさんくさい…)で言えば、マーケットインっていうのは、自分が好かれたいと思う理想の相手を、徹底的に具体的に想定して、それに見合う自分になろうとする、ってことなんです。
相手を想定せずに、どんなにモテテクニックを磨いたって、それがヒットする相手が見えてなければ、打率は上がりにくい。ぼんやり「モテたい…」と思いながら日々ヨガや腹筋や半身浴を繰り返したって、誰も気づいてくれません。

だからこそ、しっかりとターゲットを想定する。
自分が「こんな人に好かれたい」と思う人を、具体的にイメージする。

年齢、趣味、趣味、話し方、好きな酒、休日の過ごし方、やられたら嫌いなこと、何に対して怒って、泣くときは何で泣くのか。その人の匂いや声質。子ども時代はどんな子どもだったのか、仕事へのスタンス、上司としてのマネジメントの仕方、ストレスの発散の仕方、音楽はメロディ派なのか歌詞派なのか、どんな性癖をもっていて、どこまで脱毛していて、何にコンプレックスを感じているのか。歩くときの歩幅はどれくらいで、腕の振り方はどうなのか…。

そういうことを、手で触れるくらいに、イメージする。

んで、そこまでイメージできれば、あとはやることはひとつだけ。

その人に好かれるような自分になる、だけです。

一般的な「マーケット」を考えすぎると、やるべきことがボヤけちゃう。
顔の見えないのっぺらぼうみたいな人を相手に「モテたい」と思っても、世の中にはアドバイスが溢れてて、どれを大事にしていいのかがわからなくなっちゃう。

だからこそ、絞る。
具体的にイメージする。
そうすれば、自分のモテ方も見えてくるし、本当にモテたい人からモテる人になれる。ちょっとだけ厳しい言い方をすれば、そもそも今「モテたい」けどモテない人が今のままでモテようなんて、そりゃ都合のいい話。

何かしら変わったほうがいいとして、その変わり方、変わる方向性のヒントは、具体的な「マーケットイン」によって生まれるんじゃないかな、と思うんです。

や、わかるんですよ、わかります。「恋愛にそんな面倒くさいこと考えるのは、なんか違う!」という人もいるのはわかるんです。単に「こういう考え方もありじゃない?」という話です。
漠然と「モテたい」と思って白馬の王子様を待つよりも、自分でどうにかできることをやっていったほうが、楽しい気がしませんか?

さあ、自分はプロダクトアウトにする?
それともマーケットインでやってみる?