今回から始まる「就活ゲーム 必殺自己PRのための13奥義」。

 必殺自己PRを作る「13奥義」のひとつめは、「ひと言コンセプト」
 文字通り、ひと言で表せるコンセプトを設定しよう、という話です。

 ここまでにも「コンセプト」の大切さは何度も書いてきました。自己PRを作る上でも、それは同じことです。コンセプトがあるからこそ、コンテンツが決まる。コンセプトがあるからこそ、プロモーションが決まるんです。

 なぜか旧式就活の自己PR作成法に一番欠けているのが、コンセプトです。
 旧式就活法の自己PRって、リーダーシップや協調性の話はたくさんしてくれるんだけれど、それを通して、本人が「どんな人」だと伝えたいのかが見えてこない。
 だから、ぼく自身も自己PRの添削を頼まれたときに、まず聞くのは「どんな人だと伝えたいの?」です。
 それで質問を投げかけると、書いた本人ですらだいたい答えられないことが多い。もしくは、いろいろと言葉を尽くして説明をしようとしてくれるんだけど、「それなら最初からそう書けばいいじゃん!」ってくらいに、自己PRとは違った内容の説明が返ってきちゃう。

 だいたいですね。
 自分自身が「伝えたいこと」を持っていなくて、相手に伝わるはずがないんです。
 ひと言にまとまっていないものを、どんなに言葉を尽くして伝えようとしても、自分でわかっていないんだから、伝わらない。
 もちろん、いろんなこと考えちゃうのはわかります。企業が提示している「求める人物像」とか、就活コンサルを自称する人たちの「こういう言葉を使ったほうがいい」というアドバイスを盛り込んでいくと、どんどん自分でも解らなくなっちゃう。それは理解できます。言いたいことがたくさんあるのもわかります。

 でもね、だからこそ、とりあえず決める。
 まずはそこからなんです。

 コンセプトがなかったら、何を使えばいいのか、どう表現したらいいのか判断ができない。
 コンセプトがあるから、使うべき材料が決まるし、伝え方だって見えてくるんです。
 何を書いて、何を捨てるか。その判断ができないのは、コンセプトが決まっていないから。
 コンセプトがあれば、何を書いて、何を捨てるのか、判断ができるようになる。

 料理でも同じです。
 「何を作るか」を決めないままで、冷蔵庫にある「美味しそうな食材」を使ったとしても、必ずしも美味しい料理にはならない。同じ食材を使った料理だとしても、作ろうとしている料理が違えば、「調理法」も変わってきます。
 行き先を決めていない旅では、どっちに動き出せばいいのかもわからなければ、交通手段も決まらない。もちろん持っていくべき持ち物だって、金額だってわからない。「とりあえず、北の方に…」なんて言ってると、結局は新幹線のほうが早かった、なんてムダ足を踏んじゃったりすることになる。下手したら迷子になって帰れなくなっちゃうかもしれません。

 だからこそ、最初にコンセプトを決める。
 伝えるべきメッセージを決めるんです。
 できるかぎり、ひとつのメッセージに込める。

 まずはそこから始めましょう♪