戦士みたいに勝つことに貪欲になれない。
 魔法使いみたいに緻密に考えられないし、
 発明家の発想には敵わない。
 勇者みたいに人を率いたりなんてできないし、
 僧侶ほど徹底的に突き詰めることもできない。
 吟遊詩人みたいに独自の道も歩けない。
 武闘家には似てる気がするけど、あんなに積極的に動けるわけじゃない。

 いままで出会ってきた人全員に好かれたとは言わないけど、嫌われることはあんまりなかった。友だちの間でも、自分を慕ってくれる人はそこそこ多いほうだと思うし、楽しくやってきたつもり。
 なのに、いざ就活になると、なんだかうまくいく気がしない。自分の強みってなんなんだろう…? 考えれば考えるほど、よくわからなくなってくる…。

 そんなことを思っている旅芸人はいませんか~?

 あくまでも僕の妄想なので、「いやいや、全然問題ないですよ~!」とか「別に就活だからって、そんな悩んでね~よ!」という旅芸人は、この記事は無視してくれちゃっていいです。
 僕の感覚値だけれど、旅芸人って、普段は元気で楽しそうにやってるのに、就活が始まるとなんだか弱気になっちゃう人がいるんじゃないかな、と思うんです。
 せっかくいいところがたくさんあるのに、その強みを活かしきれずに落ち込んだりすると、余計にダメなスパイラルに巻き込まれやすい。

 今日はそんな旅芸人のみなさんに、「旅芸人の凄さ」をわかってほしいなぁ、と思っています。

 というのも、旅芸人って、一般的には「ただの調子のいい人」と思われたりすることがあるし、自分でも「就活の場で誇れるほどのものがない…」とか思っちゃったりする。
 もし、これを読んでくれている旅芸人の人がそう思ってたりしたら、ホントにもったいない!!と思うわけです、僕は。

 だって、旅芸人って8キャラの中で「他者に直接影響を与えられる、唯一のキャラ」なんです。

 他の7キャラがやっているのは、あくまでも個人単体での能力の発揮です。自分が勝つために動く戦士、自分の楽しさを優先する吟遊詩人、自分の道を突き進む僧侶、自分が面白ければ動くし面白くなければ動かない武闘家勇者でさえ「調整」や「最適化」はできるけど、他者の能力に影響を与えられるわけじゃない。
 そんな他のキャラと違って、旅芸人は唯一他者に影響を与えられる。

 もっと言えば、旅芸人は他者の能力の最大値を引き上げることもできるし、他のキャラが一番いい形でエネルギーを発揮するために、邪魔なものを取り除いてあげることだってできる。
 しかも、何がすごいって、そうした凄い行動を、そんなに意識的にやってるわけじゃないということ。旅芸人は旅芸人で「自分がしたいからやってる」と思ってるんです。でも、それが結果的に、組織や他の人たちに好影響を及ぼしてる。

 これ、本当に凄いことだと思うんです、僕は。

 組織の雰囲気が悪いとき、最初に空気を変えるのは旅芸人。
 誰かに話を聞いてほしいとき、ふと連絡をしたくなるのは旅芸人。
 飲み会で馴染めない人がいるとき、真っ先に話しかけるのは旅芸人。
 みんなが踏みきれずにいるとき、とりあえずやろうとするのは旅芸人。(ときどき武闘家だったりもするけど)
 こういうとき、旅芸人がいなかったら、状況が変わることは少ないわけです。旅芸人がいるからこそ、状況が変わる。好転する。

 旅芸人の人たちは、いい空気感、楽しい雰囲気であることに意識が向いています。旅芸人がいるかいないかで空気が違います。つまり、旅芸人が一人いるだけで、組織の総合力が勝手に引き上げられているんです。

 それを一番常に意識していて、しかも日常生活で自然にやっちゃうのが旅芸人。なのに、旅芸人の中には「自分にはそんなに誇れるようなことがない」と思っちゃう人がいる。「一人じゃ何にもできないし…」とか思っちゃったりする。「就活であえてPRできることなんて…」と考えて、就活病的にデキる勇者のように振舞おうとしちゃう。

 ぜ~んぜん違います。
 世の中のすべてのビジネスは、他者を利することで成り立っています。
 それを学生時代から習慣的にやっているのは唯一、旅芸人だけ。

 就活で悩んでる旅芸人は、そこを全然わかってない。

 長くなっちゃったので、今日のところはここまで。
 次回は、「じゃあ具体的にどう就活に活かしてくの?」について書いてみます。旅芸人もそれ以外のキャラの人も、次回は必見の記事にする予定です。