「具体的」とは何か?
 就活コンサルから就活を終えた先輩まで、就活のアドバイスをしてくれる人の多くが使うこの言葉。僕も以前に「3秒ルール」という記事を書いたことがあるけれど、今回はもうちょっと「具体的に」書いてみよかな、と思います。

 辞書的に言うと「具体的」というのは、「はっきりとしていて実体を備えているさま」なんだそうです。もちろん何となく解るけれど、じゃあ「具体的にするには?」となったら、これだけじゃ解りにくい。
 「はっきりしていて」って、その時点で具体的じゃない…。
 「実体を備え」って、ゆ~ても文章や言葉に実体はあるのか…?と。

 でね、考えてみたんです、僕も。
 僕がこれまでに書いてきたのは、「具体的じゃない言葉」というのは「解釈の広い」言葉である、と。
 これは今でも同じように思っているし、学生の皆さんも意識してくれるとうれしいのだけれど、やっぱりこの内容だけでは「具体的じゃない」かどうかはわかるけど、「具体的な言葉」を書くアドバイスとしては足りてなかったように思うんですよね。

 なので今回、「具体的な言葉」にするために、もうちょっと解りやすい伝え方はないかな~って、考えてみたんです。
 それで出てきたのは「読んだ人が、同じように再現できること」。それが「具体的な言葉」なんじゃないかな、と。
 自己PRで使っているネタで、サークルの話でもバイトの話でも何でもいいです。それを、後輩に伝えたときに彼らが「同じように再現」できる言葉が具体的な伝え方なんです。

 例えば、抽象的で解釈の広い言葉で、かつ自己PRでもよく使われる言葉に、「試行錯誤する」ってのがありますよね。
 後輩に「俺のように試行錯誤をしなよ」と指示を出して、同じようにできるかどうか…。ゼミのメンバーに「もっと試行錯誤してみようよ」と言って、自分が思った通りの行動をしてくれるかどうか…。
 たぶんそれじゃ、彼らは思った通りのことはしてくれない。

 つまり、自分が想定した通りには伝わってない。
 ということは、その言葉は「具体的」ではない。

 で、僕が何度か書いているように、抽象的な言葉やそれっぽい言葉ほど、相手が想像・解釈できる範囲が広すぎるから、伝わりにくくなる。

 だから、「ト書き」的な言葉を使う。

 演劇の「ト書き」ってわかります?
 あの台本のセリフの間に書いてあって、演出や動きの指示をしているやつ。
 あれを参考にすると「具体的な言葉」がわかりやすそう。

 たとえば、ト書きに「フランソワ、怒る」って書いてあるとします。でも、それだけじゃ演者は思い通りの演技をしてくれない。
 「怒る」にもいろいろある。その演者にとって地団駄を踏むのが「怒る」なのかもしれないし、ハンカチを噛みながらキーッってやるのが「怒る」なのかもしれない。世の中には怒って泣く人だっているし、机をバンバン叩く人もいるかもしれないんです。
 だから、ト書きには「フランソワ、怒って机を叩く」って書かないと、演者は想定した通りには演じてくれない。

 自己PRも同じです。
 「試行錯誤をする」では、ト書きにならない。
 「とりあえず10種類の方法を考えて試す」のが試行錯誤なのかもしれないし、「専門家に電話をする」のかもしれない。「同じ方法を5回試し続ける」のだって試行錯誤と言えるし、「お風呂にノートを持ち込んで浸かりながら考える」のを試行錯誤と言う人だっているかもしれない。

 自分は「試行錯誤」という言葉で括ってしまっているけれど、それを本当にやっていたときには何かしらの具体的な(つまり、ト書き的な)行動があったはずなんです。
 自己PRに、そういう「ト書き的な行動」が書いてあるかどうか。

 賢い人ほど、上手くまとめた言葉を使っちゃう。そういう言葉の方が賢そうに聞こえるし、書いてる本人としてもカバー範囲が広いから使いやすい。
 でも、それじゃ伝わりにくい。そんな言葉を使うより、「ト書き的な3秒」を伝えた方が響きやすいはずなんです。

 「伝わりそうな自己PRが書けない」という人ほど、そういう「ト書き的行動」を軽視しちゃう。
 「自分がやったことなんだもん、覚えてるよ」と思ってる。
 「行動したことなら、いつだって話せるよ」と思ってる。

 でも、僕が学生と話している限りでは、みんなけっこう忘れてる。
 だから、「ぼうけんの書」で一旦書きだしてみる。
 次回は、「ト書き的ぼうけんの書」の活用法。
 実際に自己PRを作る上での「具体的なぼうけんの書」の使い方を書いてみようと思ってます♪