「強みと弱み」――。
 いまだにエントリーシートやら面接やらでこんな設問あるのか、ってくらいに単純な問い。でも仕方ないですよね。旧式就活法で、ガチガチに自分を固める学生が多い以上、こういうシンプルな質問は案外「ちゃんと」わかりやすい。

 とはいっても、こういうシンプルな話だから学生は余計に分からなくなっちゃうんですよね。多くの学生は感じていると思うんです。

 弱みなんていくらでもあるっちゅ~ねん!

 そりゃそうです。社会人を前にして、改めて「弱みは何?」なんて聞かれても、ビジネスも経験したこともなければ、自慢できるような大きな実績があるわけでもない一介の学生からしたら、自分が弱みだらけに見えてくる。
 学生との比較だって、自分よりもできる人はいくらでも知ってる。自分にはできないことをできちゃう人だっていくらでも居る。そう考えると、弱みなんてありすぎて、どれを言えばいいの?と思っちゃう。

 就活コンサルの中には、「強みをひっくり返したのが弱みなんだよ。そうやって逆に強みをアピールするんだ」なんて言う人もいるみたい。もちろん無視して構いません。企業が知りたいのはそんなことじゃない。
 エントリーシートや面接という情報発信が限られた場所で、そんなことやってるヒマはありません。できるだけ多角的に光を当てたいのに、同じ視点で同じことを伝えるなんて、もったいないことしてちゃダメです。

 たくさんある弱みの中から、どれを伝えればいいのか。
 それはどういう軸で判断していけばいいのか。
 これも、いつもどおり「キャラ」で考えるとシンプルです。
 といっても、キャラだと長すぎちゃうので、「4種族」で考えていきましょう。

 相対的には、「他のキャラにあって、自分のキャラにないもの」は、全部弱みです。ただ、それらの「弱み」も、種族の関係性で考えると整理しやすくなる。

 「友好→格闘→研究→求道→友好」
 以前の記事では、種族間にはこうした「揺れ」が生じると書きました。
 隣り合う種族のうち、矢印が向いている種族が「憧れ」の揺れによる種族。
 その矢印を逆にした方が「不安」の揺れによる種族。
 どちらでもない残り1つの種族は、自分から最も遠い種族ということです。

 とりあえず、結論を書いておきましょう。

 「憧れている種族」の強みが、今の自分にはないということ。
 それが、弱みを選ぶポイントじゃないかな、と考えています。

 ちょっと複雑になっちゃうかもしれないけど、順番に説明していきますね。
 (以下の説明部分は、研究種族以外は読み飛ばしちゃっていいです)

 不安の揺れでシフトする種族の強みに対しては、「あったらいいけど、とりあえずなくてもいいかな」と思ってる。つまり、あんまりポジティブに捉えてない。

 一方で「2つ隣」の最も遠い種族には、憧れることも不安になることも少ない。ということは、自分にとっては発動する機会・経験が一番少ない種族。だから彼らの種族に対しては、むしろ「自分にとってはど~でもいい強み」だと思ってるかもしれません。だとすると、その種族の強みは、一番「どうにもできない」「改善が難しい」可能性が高いわけです。

 自分の種族として考えると、「自分の強みを活かしきれていない/伸ばしきれていない」というだけなので、極端な話をすると「ただ、やってない」ことになっちゃうこともある。それじゃ単なる弱みの放置。意味がありません。

 なのでやっぱり「憧れる種族」が持っている強みこそが、自分が意識している弱みとするのが、一番しっくりきます。
 そう考えると、けっこう「それに対してどう向き合ってきたか」という話もしやすくなりそうな気がします。自分が持っていない強みはたくさんある。でも、その中で一番意識してきた部分なら、ある程度エピソードを踏まえて話せそうな気がしませんか。その弱みを克服する(=強みを習得する)ために意識してきたこと、ありませんか。

 何より「キャラ」ベースで考えれば、全部が「組織や集団の中での考え方や動き方」という部分につながります。
 さらには、弱みとして伝えてみたら「できてないならダメじゃん」とも言われにくくなると思うんです。

 昨日思いついたばかりの仮説なので、わかりにくい部分もあるかもしれないし、誰にでも当てはまることじゃないかもしれないけれど、もし良かったら試してみてください♪