学生のESを読ませてもらって、僕が口にすることの多い言葉ナンバーワンは「人が見えない」。この話はいままでも何度か書いてきているので、復習する場合はこの記事とかあの記事あたりを読んでみてください。
そしてもうひとつ、けっこうな頻度で言っちゃうのが「散らかってる」です。
特に最近は学生のみんなも「ぼうけんの書」をたくさん書いたり、友だちのESを見たりして、「あ、自分にもこういう部分ってあるかも!」とか「このポイントも押していかなきゃ!」なんて考えて、「改良」をしているんだと思うんです。
でもね、そうやって後から出てきたことを元の文章に追加していくという行為は、実は「改良」じゃない。むしろどんどん散らかしちゃってる状態。
ESにしても、面接での自己PRにしても、文字数や時間は限られています。たった400字の中に、たった1分の中に「複数の伝えたいこと」を盛りこんでしまったら、その全部が伝わるはずがないんです。
僕のところにESを見せにきてくれる学生の中にも、「ゼミとバイトの両立をアピールしたい」とか「この活動を通して考えていたことが3つあって」という学生がいます。だから僕は「1つに絞っちゃえ」と言う。そんな2つも3つも散らかしたって仕方がない。むしろ1つも伝わらずに終わっちゃう。
映画監督は「たった一つのテーマ」を伝えるために2時間の映画をつくる。小説家だって「これを伝えたい」がために十数万字の文章を書く。プロの表現者がそれだけの労力をかけても、視聴者・読者にはそれがやっと伝わるかどうか、というレベルなんです。
それなのに学生が、たった400文字で、たった1分間で(以下略)です。
同じ時間で穴を掘るとして、ひとつの穴を掘り続けるのと、2つ以上の穴を同時に掘るのでは、どっちがより深い穴を掘れるか。誰でもわかる問題です。なのに、いざESや自己PRになると、なぜか複数の穴を掘ろうとしちゃう。
「だって、アピールポイントが1つじゃ自信がない!」
「たくさん伝えれば、どれかに引っかかるかもしれないじゃん!」
「自分のことをできるだけちゃんと伝えたいんだもん!」
そういう気持ちはよくわかります。
基本的にはまず1つのネタを磨くことが大事なのですが、「それでもやっぱり複数のことを書かないと心配」という人のために、ちょっとした方法をお伝えしておきますね。
それは、「1つ目の印象を、2つ目3つ目にコピーしちゃう」という方法。
限られた文字数・時間で2つのことに50%ずつの情報を割り振ると、どうしても1つの要素の破壊力が弱まっちゃう。かと言って70%+30%でどうかといえば、たぶん30%の方が「これ、どういうこと?」「わざわざ言うこと?」というような薄っぺらい話になっちゃう。
なので、まずは1つのことを100%伝える。その上で、2つ目の情報を「さらっ」と伝えて、先に相手に伝わった印象をそのまま乗せかえちゃうわけです。
忙しいゼミと忙しいバイトを両立していたのなら、まずはゼミのことだけをしっかり書く。その上で、「同時期にバイトも本気でやってた」だけでいい。それだけで、受け手は「同じくらいがんばってバイトに注力してたんだろうなぁ」と思う。
これは事実情報(ゼミとかバイトやサークルの話)じゃなくてもいいんです。
戦士の「ガンガン行きまっせ~」的なキャラを全面に押し出した上で、最後に勇者レイヤーを乗せる。旅芸人の「好かれるために!」というエネルギーの強さを押し出した上で、「そのためにはコツコツもできる」という魔法使いレイヤーを乗せる。そんな応用方法もあります。
むちゃくちゃ破壊力のある武器を実際に使いこなしている姿を見せておいて、「実はもう1本同じの持ってんねん♪」というだけで、相手は「うわぉ!そりゃあ強いかも!」と思ってくれるんです。この状態を作れたらラクですよ~。
そのためには、まず1本目をしっかりと磨く。そのキレキレの1本目さえ見せておけば、2本目以降は「持ってるよ」とだけ伝えれば、相手の頭の中には勝手に「もう1本」がコピーされます。
ということで、今日の話は「武器が複数できてきている人」向けなので、ちょっと難しく感じたかもしれません。なので、この話題については、また機を見てもっと具体的に書いたり、別のアプローチで書いてみようと思ってます♪
↑ブログランキング。
気が向いたときに…
そしてもうひとつ、けっこうな頻度で言っちゃうのが「散らかってる」です。
特に最近は学生のみんなも「ぼうけんの書」をたくさん書いたり、友だちのESを見たりして、「あ、自分にもこういう部分ってあるかも!」とか「このポイントも押していかなきゃ!」なんて考えて、「改良」をしているんだと思うんです。
でもね、そうやって後から出てきたことを元の文章に追加していくという行為は、実は「改良」じゃない。むしろどんどん散らかしちゃってる状態。
ESにしても、面接での自己PRにしても、文字数や時間は限られています。たった400字の中に、たった1分の中に「複数の伝えたいこと」を盛りこんでしまったら、その全部が伝わるはずがないんです。
僕のところにESを見せにきてくれる学生の中にも、「ゼミとバイトの両立をアピールしたい」とか「この活動を通して考えていたことが3つあって」という学生がいます。だから僕は「1つに絞っちゃえ」と言う。そんな2つも3つも散らかしたって仕方がない。むしろ1つも伝わらずに終わっちゃう。
映画監督は「たった一つのテーマ」を伝えるために2時間の映画をつくる。小説家だって「これを伝えたい」がために十数万字の文章を書く。プロの表現者がそれだけの労力をかけても、視聴者・読者にはそれがやっと伝わるかどうか、というレベルなんです。
それなのに学生が、たった400文字で、たった1分間で(以下略)です。
同じ時間で穴を掘るとして、ひとつの穴を掘り続けるのと、2つ以上の穴を同時に掘るのでは、どっちがより深い穴を掘れるか。誰でもわかる問題です。なのに、いざESや自己PRになると、なぜか複数の穴を掘ろうとしちゃう。
「だって、アピールポイントが1つじゃ自信がない!」
「たくさん伝えれば、どれかに引っかかるかもしれないじゃん!」
「自分のことをできるだけちゃんと伝えたいんだもん!」
そういう気持ちはよくわかります。
基本的にはまず1つのネタを磨くことが大事なのですが、「それでもやっぱり複数のことを書かないと心配」という人のために、ちょっとした方法をお伝えしておきますね。
それは、「1つ目の印象を、2つ目3つ目にコピーしちゃう」という方法。
限られた文字数・時間で2つのことに50%ずつの情報を割り振ると、どうしても1つの要素の破壊力が弱まっちゃう。かと言って70%+30%でどうかといえば、たぶん30%の方が「これ、どういうこと?」「わざわざ言うこと?」というような薄っぺらい話になっちゃう。
なので、まずは1つのことを100%伝える。その上で、2つ目の情報を「さらっ」と伝えて、先に相手に伝わった印象をそのまま乗せかえちゃうわけです。
忙しいゼミと忙しいバイトを両立していたのなら、まずはゼミのことだけをしっかり書く。その上で、「同時期にバイトも本気でやってた」だけでいい。それだけで、受け手は「同じくらいがんばってバイトに注力してたんだろうなぁ」と思う。
これは事実情報(ゼミとかバイトやサークルの話)じゃなくてもいいんです。
戦士の「ガンガン行きまっせ~」的なキャラを全面に押し出した上で、最後に勇者レイヤーを乗せる。旅芸人の「好かれるために!」というエネルギーの強さを押し出した上で、「そのためにはコツコツもできる」という魔法使いレイヤーを乗せる。そんな応用方法もあります。
むちゃくちゃ破壊力のある武器を実際に使いこなしている姿を見せておいて、「実はもう1本同じの持ってんねん♪」というだけで、相手は「うわぉ!そりゃあ強いかも!」と思ってくれるんです。この状態を作れたらラクですよ~。
そのためには、まず1本目をしっかりと磨く。そのキレキレの1本目さえ見せておけば、2本目以降は「持ってるよ」とだけ伝えれば、相手の頭の中には勝手に「もう1本」がコピーされます。
ということで、今日の話は「武器が複数できてきている人」向けなので、ちょっと難しく感じたかもしれません。なので、この話題については、また機を見てもっと具体的に書いたり、別のアプローチで書いてみようと思ってます♪
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気が向いたときに…
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