昨日の記事で、面接で再優先すべきは「伝える」ことと書きました。けっこうサラッと書いたのですが、これけっこう大事。ポイントは、再優先すべきことが「論理的に話す」ことでもなく、「優秀に見せる」ことでもなく、「伝える」ということなんです。もうちょっと正確に言えば「伝わる」ということ。

 極論すれば、面接なんて何を話したっていい。別に「がんばったこと」じゃなくても、趣味のことでもいいし、彼女のことだってかまわない。最終的には、相手が「この人はこういう人なんだな」というのが分かればそれでいいんです。

 つまり、相手が「納得」できるかどうか

 「人の立場に立って」「積極的に働きかけ」「目標に向かって努力」なんて言わなくても、相手が「この人はそういう人なんだな」と納得してくれればそれでいい。

 この間、ブログを読んでくれている学生が、「面接で5年後10年後どうなっていたいかをよく聞かれるのですが、正直言ってどうなっているかの予測が全くできません。いったいどんなふうに答えればいいのでしょうか」という質問をくれました。

 確かにこの質問って、答え方が難しいんですよね。
 クランボルツさんの計画的偶発性理論にもあるように、本来的には「そんなんわかるかい!何でも楽しみながらやりますわい!」というのが、過去の仕事のデキる人たちの実績から導きだされた「正しい答え」。

 でも、それをそのまま言ったとしても面接官は納得してくれないんですよね。
 なぜなら別に面接官だってそんな「一般的な正解」を聞きたいわけじゃないんですから。それくらい普通に勉強している人事なら誰でも知ってる。
 なのに、何故あえてそんなことを聞くのか?毎年何十人何百人もの就活病学生を見てきている面接官の人たち。ESを読んでるときや面接をしているときに、彼らがいつも考えているのは「ホントに~?」です

 多くの学生は気がつかないうちに正解を探しながら答えようとするスタンスが染みついちゃってるから、面接官から見ると「いや~本当はそんなこと思ってないんじゃないの?」って勘ぐっちゃう。
 悪気があるわけでも、性悪説なわけでもないんです。あまりにもそういう学生が多すぎるから、最初から構えておかないと騙されちゃうことがある。だからいつも「ホントに~?」と思うことにしてるだけ。

 学生の皆さんは「何でも楽しみながらやりますわい!」と言ったっていいし、「5年後はコンサルタントとして活躍して多くの顧客にソリューションを!」だっていい。それが面接官にとって「納得できる答えかどうか」。大前提としてはそれだけです。
 で、どうやったら面接官が納得してくれるかといえば、自分の言っていることが「本当のことである」と証明する必要があるわけですね。そして、その証明のためにとれるアプローチはひとつだけ。

 それは、「だって今までもやってきたもん♪」です。

 過去に積み重ねのない無根拠な未来を信じてくれる人なんて、残念ながら世の中にそんなに多くない。
 たとえば僕が「5年後にはメジャーリーガーになる!」とか「10年後は1兆円を稼ぐ!」と言っても、「お~がんばれ!」と言ってくれる人はいるかもしれないけれど、それを信じて出資してくれる人なんて、まずいない。
 野球もやったことがなくて、お金に対しても執着が少ない僕がそんなことを言っても誰も信じてくれないんです。

 でも、5年後ですらなくても、「3年以内に本を出す!」というなら信じてくれる人はいると思うんです。「何なら少しくらい出資しようか?」なんて人もいるかもしれない。(実際にいるわけじゃないけれど)
 それは、僕が過去に数十人のプロのライターの中でトップだったからとか、いまの僕が毎日1500文字以上の文章を書いてるという「今までやってきたもん♪」があるからなんです。

 学生のみなさんは、そういうスキルやビジネスでの実績があるわけではないかもしれなけれど、行動習慣や動機、好みや人間性という部分で共通した「今までやってきたもん♪」が絶対にあるはず

 それを使って証明ができれば、相手は「納得」してくれる可能性が高い。今回の質問の「5年後10年後の自分」という話に限らず、面接の質問のすべてが、ESの設問のすべてがそうしたことを聞いているんです。

 で、しつこいようですが、それを言葉で探っていくのが「ぼうけんの書」なんですよ。なので、「ぼうけんの書」は毎日書こう、という話を2日連続でしてみました。


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