面接は会話であり、対話である。
 そんなことはわざわざ改めて言うまでもなく、どの就活本にも書いてあるし、いろんな就活コンサルタントさんたちが言っています。よく言う「会話はキャッチボールだ」という話ですね。「そ~んなの知ってるよ」と思うかもしれません。でもね、けっこういるんです、会話を千本ノックだと思ってる人が。今日はそんな話を。

 僕も学生の相談にのるときはできるだけ「対話」をしたいと思って話をしている(つもり)。それでもやっぱり「対話」というだけあって、お互いが対話をしようという気持ちにならないと対話は成り立たない

 そして、この間の「自慢話はつまらない」の回でも書いたとおり、そういうのは比較的、男性に多い(もしかしたら、単に僕が男だから偏見なのかもしれない)。
 よく会話はキャッチボールに喩えられるけれど、キャッチボールって投げる方も楽しいんだけど、受ける方も楽しいんですよね。綺麗に胸元にしっかり届くキャッチボールも楽しいんだけど、ちょっと難しいところに投げられても取れるとうれしかったりするものです。「お~よく取ったね!」なんて言いながら。

 でもね、対話が成り立たない人って、たぶん千本ノックをやってる。キャッチボールじゃない。自分でボールをトスしては、どんどん打ってくる。だから受け手はしんどいだけで楽しくない。息継ぎができない。

 で、そういう人は大きく2種類に分けられます。千本ノックが楽しくてやっている人と、相手にボールをたくさん送ることが大事だと思ってやっている人

 それこそこの間の「自慢話男」はたぶんそれが「楽しくてやってる人」なんでしょうね。相手にとっての気持よさよりも、「俺、こんなに強い打球打てるんだぜ、しかも素早い!ほら!ほら!ほら!どうだ!?」っていうのを自分が楽しんでる。そういう人の場合は、「意識」で簡単に変わるものじゃないから、けっこう面倒。

 ただ、後者の「ボールをたくさん送ることに必死になっちゃってる人」の場合はちょっと変えるだけで「対話できる人」になれるはずだからもったいない。
 いわゆる就活のシチュエーションでは、そういう人の方が多いんじゃないかと思うんです。自分の話していることに自信がないから、相手にたくさん情報を送らないと伝わらないと思っちゃう。もしくは、面接は「自己PRの場」だから、できるだけ多くのことを伝えないともったいない、って。そうじゃないんです。

 そういうのって、初めての場所に行こうとして「この道で合ってるのかなぁ」って不安になったときに焦って走りまわるようなもの。そういうシチュエーションで道に自信がなかったら、こまめに人に聞いたりするでしょう?
 それなのに面接で自信がないときに「焦って走りまわってる」のが、会話の千本ノックの人たちです。「たくさん話す」ことでリカバーしようとしちゃう。旅と同じで、迷ったときに走り回ったら余計迷子になるのは当たり前。それが面接だったら、自分だけじゃなくて相手まで迷子にさせちゃう。あんまり意味がないですよね。

 だから、自信がないときほど、相手に細かく確認しながら話す
 とはいっても、常に「これで合ってますか?」って聞くわけじゃないですよ。それはただの「面倒な人」。そうではなくて、1文ごとに間を置くだけでいい。ほんの1秒くらい。それだけでいいんです。

 そうやって1文ごとに間を置いて相手を見ると、そこから相手がさらに質問をしようとしているか、「まだ聞こうとしている」かはわかりますよね。旅芸人勇者みたいに他者の気配を察知するのが得意な人なら、「納得して黙っているのか、疑問に感じてるけど黙ってるのか」の違いだってわかるはず。

 そういう反応を見ながら会話を進めていくことで、一緒に目的地に行けるわけです。どんなに「歩いた距離」が多くても目的地に向かってなければ意味がない。面接だって、どんなに情報量が多くても「相手が知りたいこと」じゃなければ意味がないんです。

まずは、「間を置く」ことで千本ノックから卒業しましょう。普通にできる人は「そんなん当然やんけ」な話なんですけど、面接のときにも気をつけてくださいね。


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