年始はまとめ記事が2本続けたので、今日からまた新コンテンツで書いていきます。まわりの学生たちも、この年末年始いよいよESの提出が迫ってきているようなので、その辺の話を少し。

 だいたい毎年この時期になると、学生がESを見せてくれるのですが、その大部分がやっぱり「就活病」なんです。細かく書くとあまりにも膨大なダメ出しになっちゃうので、ちょっと書ききれないのだけれど、ざっくりと言えば「借り物の言葉で書いている」ということ。

 そこに書いてある言葉が、自分の中から出てきた素直な言葉なのか、どこからか引っ張ってきた言葉や様式を使った言葉なのか。そういうのって、読んだらひと目でわかっちゃうものなんです。
 でも、学生のみんなはいつの間にか就活病にかかっていたり、「就活の文章はこういうもの」と思っているから、気づかない。ESに「多様な価値観が」とか「クオリティ・オブ・ライフの考え方が」とか「クリエイティブな感性を」なんて書いてあると、とりあえず「素じゃないなぁ」と思っちゃう。
 もちろん素の自分とリンクして話せる人もいるのだけれど、たぶんそれは1%くらいの特異な人だけ。大部分の人はそういう言葉を使うと、余計に自分から遠ざかった「伝わらないES・自己PR」になっちゃう。

 で、「じゃあ、どう書けば伝わるESになるのか?」

 端的に言っちゃうと、「本気で話せる内容だけを書く」ということです。

 単純すぎる?感覚的すぎる? いままでの僕の話に比べると、確かに感覚的な話に感じるかもしれません。でも、細かい方法論を伝える以前に、この「本気で話せる」という要素がベースになければ、どんなに良いことを書いても相手には60%くらいの密度でしか伝わらない。すべての方法論の前に、この「本気で話せる内容だけを書く」という前提条件が必要なんです。

 そして「本気で話せる内容」というのは、感情や欲求・動機に根ざした話、ということ。「人々の食に貢献したい」とか「経営者をサポートしたい」という話をしたとして、相手に真顔で「本当に…?」って聞かれたときに、純粋な欲求で返答できるかどうか。たぶん今までの人生、そういう欲求では動いていないはず。
 その2階層か3階層くらい下のところに「今までやってきたことと共通する欲求」があるはずなんです。そういう下層まで掘り下げて初めて、「気持ちを乗せて書ける/話せる」状態になるはず。

 「でも、自分の欲求って何なんだろう…?」なんて思わないでくださいね。それを探るためのカギは、もう持っているはずです。

 そうです、そのカギになるのが「キャラ」なんです。

 いままでの行動に共通する欲求によって決まるものが「キャラ」であり、そこから「自分を伝える内容(=自己PR)」が決まる。そして、その「キャラ」のレベルアップ後の姿を追い求める理由が「志望動機」になる。
 企業がこれから一緒に働く人間を知ろうとするときに、まず知りたいのは「何を喜びと感じるのか」「何のためならがんばれるのか」「どういうときにエネルギーを発揮するのか」という、欲求・動機の部分。

 それはかなりの確率で、「クオリティ・オブ・ライフの追求」でも「食への貢献」でもないはずです。ベースの欲求があってこそ、そこに繋がる。つまり、そういうベースの欲求が見えないと、企業の人たちとしては「本当に~?」とか「素じゃないよなぁ」と思っちゃう。自分が信じていない言葉は人に伝わりません。自分の気持ちが乗せられる言葉、自分が信じられる言葉で伝えていく。

 いまESを書いたり、自己PRを作ったりしている人は、もう一度そういう視点で見直してみるといいかもしれません。


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