『HUNTER X HUNTER』というマンガを知っていますか。『幽遊白書』とか『レベルE』の作者冨樫義博が連載している(けど長期休載中の)マンガで、プロの「ハンター」がたくさん登場するマンガです。
 そこに登場するハンターたちにはそれぞれの特徴があって、危険を冒してでも世界中のおいしい食材を集めることに情熱を燃やす「美食ハンター」もいれば、珍しい動物を発見するために世界中の秘境を巡る「幻獣ハンター」もいる。賞金首を捕まえてお金を稼ごうとする「賞金首ハンター」もいます。

 そんな中で主人公のゴン君は、お父さんに会うためにハンターを志し、お父さんを探しているだけなのに、その過程でいろいろな出来事に巻き込まれていきます。いろんな能力が必要になって訓練したり、周りの人のトラブルを助けたり協力したり、恩人がいきなり正体不明の生き物に襲われたりして、いつになってもお父さんには会えないまま。そして今もその正体不明の生き物と戦っている最中です。
 ゴン君は「お父さんに会う」ことが目的なのに、いま正体不明の生き物と戦っている。一方、そのゴン君と一緒に戦っている他のハンターたちは当然のごとく「ゴン君のお父さんを探すため」にハンターをしているわけじゃないのに、その正体不明の生き物を倒すためにいまはゴン君と一緒に戦っている。

 ハンターそれぞれキャラも目的も違うのに、同じチームで戦っている

 長々と前置きをしたけれど、これが今日のポイントです。
 この「同じチーム」というのは、RPGでいう「パーティ」です。ここで言う「パーティ」というのは、お酒を飲んで騒いだり、仮面をつけて踊ったりするやつじゃなくて、「部隊」とか「チーム」という意味でのパーティ。

 いまのゴン君たちが組んでいるパーティには、「人類を救う」ために戦っているハンターもいれば、師匠が「人類を救う」と言っているから俺も!というハンターもいる。「いやいや、俺は正直そういうんじゃないけど」と思いながらもその能力を買われて参加しているハンターもいます。当然、ゴン君の目的は「お父さんを探す」なのだけれど、その過程で必要だからこのパーティに属しているわけです。

 つまり、このパーティに所属するには、大きく2つの要素があるということなんですね。それは「同じ目的を共有して、その目的の実現のために参加する人」。もしくは、「目的は別だけれど、そのパーティで特定の役割を担えるだけの能力があるから参加する人」。
 これは、必ずしもどっちか片方に寄っているというわけではありません。当然、両方の要素を満足している人が、そのパーティにとってベストではあるけれど、必ずしもそういう人は多くない。
 主人公のゴン君だって最初はこのパーティに所属するのを断られかけました。でも「こいつなら、すぐに成長するかもしれん」と思わせることができた上に、その強い思いが伝わったから、最終的にメンバーになった。

 少なくとも、このどちらも満足しないまま、単に「このパーティに参加したい」というだけで参加しているハンターは一人もいないんです。「このパーティに参加したら、俺も強くなれそう」とか「これだけ強いハンターが集まってたら守ってもらえるかも」 「このパーティのみんなが好きなんです」では、入れない。

 そういう意味では企業も同じです。企業は「多様なキャラが集まって、ある目的を追いかけているパーティ」である。そう考えたときに、自分はどのレベルでその目的を共有できるか、その中でどういう役割を果たすことができるか……。幸いにも一般社会のパーティは、プロのハンターたちが戦うようなレベルで高いハードルを設定しているわけじゃない
 企業をそういうパーティだとして見てみると、たぶんちょっとだけ見方が変わるはずです。単に知名度や規模だけでもなく、単なる「業界」というラベルでもなく、より本質的な部分に近い見方ができるようになる。一方で、今まで自分が所属してきた「パーティ」のことを考えてみると……?


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