キャラを中心とした話も今日で一段落(たぶん)。今日は、キャラの総まとめとして、いわゆる企業が「求める人材」として掲げているものをどう捉えるのがいいか、という話をしていきますね。

 「責任感と協調性をもってグローバルマーケットに踏み出す主体性とリーダシップを兼ね備え、企画力と発想力で新しいアイデアを生み出すポジティブ思考を持った人材――」

 ここまで極端な書き方をしているところはないかもしれないけれど、企業の採用HPや説明会、パンフレットで「わが社が求める人材」には、だいたいこんな感じのことが書いてありますよね。でもね、当然わかってるはずなんです。

 「そんなヤツ、いない!」ってこと。

 わかってるんだけど、できるだけそれに合致するようにしないと内定が出ないと思って一生懸命になっちゃう。
 自分が「リーダーシップを発揮したエピソード」とか「主体的に動いた経験」とか「企画を成功させたときのこと」なんかを一生懸命に探して自己PRに盛り込んでいかなきゃいけないと思っちゃう。そうして企業の「求める人材」に合わせて自分のイメージを作ろうとするから、なんとな~く「ウソくさい自己PR」になる。
 もし自分が作った自己PRやESが、「就活を経験していない人」に見せるのがちょっと恥ずかしいような内容だったら、それはかなりの確率で就活病です

 たしかにどんな自己PRであっても、自分のことを自分で話しているんだから多少の気恥ずかしさがあるのは当然のこと。それが、飲みながら話してるときくらいの気恥ずかしさなら大丈夫。翌日になって「あ~、ちょっと真面目に語りすぎちゃったな」なんて思うくらい。
 ただ、就活病レベルになっている場合は、自分が考えた自己PRをそのまま後輩や就活をしていない友だちに話すと、たぶん引かれますよね。「先輩どうしちゃったんですか?」とか「あ…はい、いいんじゃないですかw」なんて。

 就活病にかかると、いままでは「ちょっと変」と思っていたことが、いつのまにか「そういうもの」だと思っちゃうようになる。でも、就活って「そういうもの」じゃあないんです。サークルの後輩や就活をしていない友だちが感じているのと同じように、企業の人たちも同じように感じています

 いままでは「ちょっと変」だとわかっていたのに、なんで「そういうもの」だと思うようになってしまうのかというと、それこそ「企業が求める人物像」に合わせて自分を作っちゃうから。
 戦士タイプが「アイデアや発想力」を無理やりアピールしようとしたり、魔法使いタイプが「リーダーシップ」のある人間だと見られたいと思ったり、吟遊詩人タイプが「協調性」を発揮した経験を話すのって、よっぽどのことがなければ(あったとしても)不自然になるのは当然のこと。

 本来自分にないもの、自分がやってないこと、自分が楽しいと思えないことを、無理やり「求める人物像」に合わせようとするから、自分でも恥ずかしくなるくらいに違和感のある自己PRになる。自分から乖離していく。本気で話せない。

 ここまでキャラの話を読んで、多少なりとも納得してくれた人は既に気づいていると思います。企業が提示している「求める人物像」の中には複数のキャラが混在しているということ。ここが今日の話のポイント。これをちゃんと理解しておくことが、すごく大事です。

 企業側だって「求める人物像」にばっちり100%合致した人材なんていないことはわかってます。たぶん既存の社員の中にだってほとんどいない。でも、現在の就活の状況やら学生からの要望やらメディアからの要請やら慣習やらそういうものがあるから、あえて書いてるんです。

 すべてを満足する社員がほしいのは当然。でも、そんな人はいない。
 学生のみなさんは、それを「理解してあげた」上で自分のキャラを伝えていけばいい、できるだけ高い確度と精度で。他のキャラのふりをする必要はありません。だから就活病にかかっちゃいけないし、自分のキャラを立てることが大事なんです。


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