「自己PRのポイントは5W1H!」 就活に関係する本とかネットを見ているとよく書いてあるんだけど、僕はこれ、ちょっと違う気がする。
 いや、確かに文字数に余裕があるのであれば全部入れればいいし、情報として間違っているわけじゃないんですよ。でも、就活生が「5W1Hがポイントなのか!」と考えて実際にそれに沿った自己PRを作っても、たぶんそれは作文の域を出ずに「そこそこの文章」で終わっちゃうはず。自己PRにならない。

 あえて僕が書くまでもなくて、学生のみなさんも「5W1H」には完全に納得してるわけじゃないと思うんです。「自己」PRを書いているんだから誰(Who)をわざわざ書くまでもないし、いつ(When)なんて補足情報にすぎません。どこ(Where)なんて本当に書く必要があるのかどうか。あえて書こうとすると無駄に字数を使っちゃう。当然、何を(What)したかが入ってないはずがない。
 本当に「ポイント!」になるのは、何で(Why)やったのか、どう(How)やったのかの2つだけ。残りの4Wは必要だったら入れればいい、という程度。つまり、「自己PRのポイントは1W1H!」でいい。「1W1H!」だったら、わざわざアルファベット使って言うほどじゃないですね…。

 学生のESを見ていて、多いのは「事実の説明」が多すぎちゃって、「あなたの情報」が少ないES。サークルの組織構成とか、ゼミの運営の仕組みの説明で半分以上に文字を費やしてたりする。場合によっては「リーダーシップとは」とか「コミュニケーションとは」っていう辞書のような文章になっちゃっている人もいたりします。それらはただの状況・事実の説明でしかないんです。「あなた」はそこに登場していますか?

「何でやったのか」「どうやったのか」という情報の中にこそ「あなた」が出てくる。
「何でやったのか」「どうやったのか」という情報こそが「キャラ」をつくるんです。

 「キャラ」というのは他者との関係性の中での「役割」です。ロールプレイングゲーム(RPG)というときのロール(役割)と同じ。
 たとえば、桜木くんのキャラは「ヤンキー」ではなくて「驚きを与えるキャラ」。赤木くんのキャラは「優等生」や「キャプテン」じゃなくて「信念をもって信頼に応えるキャラ」。三井くんは「元ヤン」でも「3Pシューター」でもなくて「逆境の中でこそ力を発揮するキャラ」なんです。(これは本人も言ってますね)
 実際にマンガやアニメの中で彼らの「印象に残る名シーン(=キャラが立ってる瞬間)」って、だいたいそんな動きをしているときでしょう?

 で、これらは全部、他者との関係性の中で発揮されるキャラなんです。桜木くんの「驚きを与える」のはもちろん「他者に」ですよね。赤木君も「他者からの」信頼に応える。三井君も「組織(チーム)の」逆境の中で力を発揮する。

 組織や集団の中で一番パワーを発揮している瞬間、一番わくわくしている瞬間、一番充実感を得られている瞬間。そのときに「何でやったのか」「どうやったのか」が伝わってくるから「キャラが立つ」んです。
 桜木くんがヤンキーであることや、赤木くんがキャプテンだということ、三井君が3Pシューターであることは補足情報にはなるけれど、必ずしも必要条件じゃない。

 話を就活に戻すと、あなたが「どこに所属しているか」とか「どんな組織なのか」「どんな問題が発生したのか」というのは、企業からしてみれば大した情報ではない。大事なのは、「何に対してどう頑張れるか」「どういうときにパワーを発揮できるのか」を伝えること。

 僕が、「5W1H」よりも「キャラ」が大事というのは、そういう意味なんです。


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