「彼女、ほしいっス!」

 飲みの席でそう言い出したのは、僕ら4人の中で一番年下のY下くん。
 彼にはいま付き合っている彼女がいません。素直で頭が良くて体格もいいのに彼女がいないY下くん。彼の話をききながら、僕らが自分たちの経験をふまえて話をしていると、恋愛経験の豊富なY崎くんが言いだした。
 「俺はな、完全攻撃型やねん。守りが弱いから攻め続ける。で、N部くんは魔法が得意。飛び道具で女性を惚れさせることができるんよ。でMitさんは特殊能力系やね。受身のようにみせかけていつの間にか攻撃してる。Y下くんもそういう勝ちパターンを身につけなあかんねんなぁ」。

 僕が他の2人のように「勝ってる」かどうかはおいといて、そういう部分はあるなぁ、と思ったわけです。「爽やか」とか「優しそう」とか「ムキムキ!」というのはあくまでも静的なものであって、それを活かすための勝ちパターンを持っていないと「爽やか!」は活かしきれない。
 つまり、恋愛のテクニックがどうの、保有しているスキルがどうのという話じゃなくて、自分の一番得意な勝ちパターンを知っているヤツが強い、ということ。これは仕事でも同じことで、仕事がデキる人はだいたい自分の勝ちパターンを知っている。仕事がそうならば、当然就活でも同じことが言えます。

 いまの就活では、一般的に「自分の強み(スキル)や自分がやりたいことを見つけよう」と言われています。
 たとえば就活のアドバイスで、5~6年くらい前からよく言われるようになってきた「Will・Can・Must」という考え方があります。これは、簡単に言ってしまうと自分がしたいこと(Will)と、できること(Can)と、しなければならないこと(Must)が一致する仕事がいいんだよ、という考え方。

 この考え方は、確かに仕事をしている人が自分の仕事を整理して考える上では参考になると思うし、「やりたいことだけじゃなくて、しなければいけないことも考えるのが大事だよ」と学生に伝えるにはいいのかもしれない。でも、それはどこまで有効なのかというと、就活中の学生にとってはメリットよりもデメリットの方が多い気がする。
 だって、「(名詞としての)好きなこと」は仕事になりにくいし、評価もされにくいということは先週の記事でも書きました。そして、学生の「スキル(=できること)」を企業がどこまで求めているかといったら、個別の「スキル」なんて求めていません。必要なのはコミュニケーションスキルと論理的思考力くらい。

 多くの企業は「スキル」重視の考え方から新しい方向にシフトしつつあります。具体的には、いま在籍している社員たちの行動のクセを分析・研究して、それに近い特性をもった学生を採用していくという方法。つまりデキる社員の「勝ちパターン」研究

 そうした「勝ちパターン」は、仕事を経験したことのない学生であっても、日常生活で気づかずに繰りかえしてきたものの中にあります。それが会社から求められている「勝ちパターン」と合致していれば、会社で必要なスキルは後からでも身につけられる。逆に言えば、どんなにスキルが高くても「勝ちパターン」が違えば、その環境で能力を発揮することは難しいわけです。

 で、就活で考えるべき「勝ちパターン」というのが何かというと、今までもしつこすぎるくらいに言っている「期待への応え方」であり、それを言語化するツールがノートなんです。

ノート、書いてますか?


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