「ネタ帳が大事だよ」という話をして、まわりの学生たちにも「ノートをとろう!」と言っていたら、最近その学生たちから続々とレスポンスがあってうれしい。

 僕のノートの書き方というのは、世の中でいわゆる「自己分析」って言われているやり方とはちょっと違う。今の自己分析のスタンダートって、たぶん『絶対内定』がベースになっているみたいだけれど、あれは本当に大変ですよね。あの膨大な量のワークシートは自分が就活生だとしても絶対にやりたくない

 確かにわかる部分はあるんです。日本全国のいろんなレベルの大学生を対象に全員をどうにかしようとしたら、たぶんああいう形になる。でも逆に言えば「あなたの就活がうまくいかないのは、このワークシートをちゃんとやらなかったからだ」と言えるようなつくり方。
 それが多くの人たちにとってただの強迫になったり、テーマを投げて書かせるだけで終わっちゃう。もしあの量をやったとしても、学生にとってはその膨大な情報をまとめるのは至難のワザ。つまり、書く作業の「そのあと」の話に言及していないという点で僕は『絶対内定』が好きじゃない

 僕が今まわりの学生に伝えているノートの取り方というのは、もっとシンプル。まずは「自分が考えたこと」を書いていくだけ。それを続けていくだけで、「ネタ」を仕込みつつ、「思考力」をつけていくことができるようになる。
 書く内容は「今週のバクマンに感動!」でも「西野カナの新曲がヤバい」でも「ゼミの森下くんがウザい」でも何でもいい。分量なんて1行だっていい。単語でもいい。いきなり気合いを入れて1日に10ページも書いたりしなくてもいいし、いわゆる「自己分析」のことなんて考えなくてもいい。とにかく大事なのは、毎日書くこと。それだけ。それが何よりも大事です。これは就活の基礎体力づくりみたいなもので、みんなこれをやらずにいきなり海で遠泳し始めるからおぼれちゃう。

 で、この「ノートを書く習慣」が歯を磨くくらい自然にできるようになって、「ノートを書かないとちょっと気持ち悪い」ようになったら、次の段階に移行しましょう。普段から日記をつけている人なら第二フェーズからスタートしてもいい。

 第二フェーズはこれまでに書いてきた「考えたこと」から矢印を引いて情報を少しずつ加えていく段階。基本は「なんで?」と「だから?」です。
 「なんで?」は理由の掘り下げ。「だから?」は話の展開。
 両方書いてもいいし、どちらか書ける方だけ書いてもいい。「バクマンに感動!」から矢印を書いて「真城くんの決意がすごかったから」と書いたり、「自分もこんな経験がしたい」でもいい。さらにまだ書けそうだったら、「決意がすごかった」から矢印を出して「自分にはできなさそうだから」とか「自分の高校生のときのことを思い出した」って書いておく。

 こうやって、ひとつの「考えたこと」から矢印を書いていくのが第二フェーズ。
 「なんで?」や「だから?」だけじゃなくてもいい。「ということは?」「そういえば」「で?」「具体的には?」「逆に」「もしかして?」などなどなどなど……何でもいいんです。何でもいいから矢印を付け足せればそれでおっけーです。

 いま僕が学生に話しているのは、とりあえずこれくらい。でもだいたいはこの第二フェーズで何かを掴める学生は多い。就活がしんどくなるどころか、これで悩みが解決したり、気持ちが楽になったり、楽しくなったりしてくれてる。逆に、この作業に慣れていない状態で「自己分析」なんかやっちゃうから「自分探し」の海でおぼれちゃうんです。
 せめてこのブログを読んでくれている人にはそうならないでほしいから、このノート方法、明日以降もうちょっと書きますね。

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