昨日は、「すぐに内定が出る学生とそうじゃない学生の違いは?」という学生の質問に関連して、「責任を意識することが大事」という話でした。

 僕自身の経験を振り返ってみると、上位数パーセントしか出現しないような超優秀層(Sクラス)の学生で、責任感がない人を見たことがない。責任感があればすなわち超優秀層かといえばそうじゃないけれど、Sクラスに責任感ない人はいないし、責任感があれば優秀な人の確率は高い、というのが僕の実感値。
 その意味では、就活でフォーカスされることの多いリーダーシップとかコミュニケーションスキルとか協調性とかストレス耐性なんてのは、もう一段階下のフェーズの話と言っていいくらい「責任感」はすべてを左右する

 ただ、学生にとって「責任感」を持つのはけっこう難しい。

 「責任感を持とう」としても、いまいちどうすればいいのかわからないと思います。社会人と同じように「お金が支払われることで責任が発生する」のであれば、学生が誰かからお金をもらうシチュエーションは、親からの学費かバイト代くらいしかない。
 ただ、その両方とも、学生が責任感を感じるまでには至らない。親が払ってくれる学費は、少なからず「払ってもらって当然のもの」という意識がある(当然そうでない人もいると思いますが)。バイト代に関しても、学生の多くは「仕事」への対価というよりも「時間」への対価で捉えている人が多い。これも責任を感じる対象としてはちょっと実感が湧きにくい。

 もう一度社会人の話に戻して考えてみますね。
 社会人が責任を負うのは、会社や顧客から「お金」をもらっているから、と書いたけれど、実は受け取っているのは「お金」じゃない。そのお金が表しているものは、あくまでも会社や顧客の期待。

 つまり、社会人は、会社や顧客からの「期待」を背負っているんです。

 たまたまそれがお金の形をしているというだけの話であって、「期待に応える」ことが仕事の本質なんだと、僕は思います。

 スポーツ業界でのイチローや松井、IT業界でのビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズみたいな人たちに限った話じゃない。大手電機メーカーの営業も総務も人事も、街の酒屋さんもタクシーの運転手も、「期待に応える」ことで仕事が成り立つという意味では、ぜ~んぶ同じ。
 その期待が大きければ大きいほど、期待する人の数が多ければ多いほど、そして応えれば応えるほど、その人は周囲から「デキる人」と評価される。

 これは学生にとっても同じで、普段からまわりの期待に応えていくことが、デキる社会人になるための方法

 たいして本格的に就活をしなくても内定をとっちゃう学生は、意識的か無意識かにかかわらず、まわりの期待に応える癖がついてるし、時には期待される環境・機会すら自分で作れちゃう。そういう癖がついている。だから面接でもいつも通りにしているだけで、面接官が「期待」してくれる、ということ。

 で、蛇足ではあるけれど、その辺の大人たちの就活アドバイスがズレてるのは、こういう部分をちゃんと学生に伝えていないからなんじゃないかと、僕は思うのです。この「期待」に関しては、また近いうちに「期待の5段階」なんてことも書きたいなぁ。

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