今年の春に社会人になったS田くんとジンジャーエールを傾けながら話をしていたところ、仕事の楽しさについての話題になった。

 彼は「周りの社会人になった友達に、仕事が楽しいって話す人が少ない」と言う。S田くんは、一般的には人気業界ではない会社に入ったのだけれど、見るからに楽しそうに仕事をしている。彼の会社は「人気ランキング」なんかに入るような会社ではないし、外から見ていても決して派手な仕事ではない。むしろ地味な方だ。学生の多くはそういう仕事を面白いとは思わないだろうし、そもそも知らない。
 それでも彼は普段の仕事に楽しみながら取り組んでいるし、仕事以外にも心に期するところがあるようで、私生活でもいろいろと楽しいことを仕掛けようとしている。そんな彼と話をしていて共通したのは、みんな仕事が楽しめないのは「楽しむ能力がない」からなんじゃないか、ということ。

 そう。「楽しむ」には能力がいる。

 たとえば僕は、「けいおん!」の素晴らしさを解れない。若い人たちが「けいおん!」を見て喜んだり、影響を受けてバンドを始めたりするのを見て、なんであんなにハマれるんだろう、と思ってしまう。(決して否定しているわけではないですよ。)僕には「けいおん!」を楽しむためのアンテナが立っていない。つまり、楽しむ能力がないのです。
 そういう事実に多くの人が気づいていない。これは特定の分野に限った話ではなくて、ゲームもそうだし、AKB48だって、映画や読書だって、英語の勉強だって、楽しむには能力がいるし、能力があれば楽しめる。

 この能力は生まれつき持っている場合もあるし、特定分野の能力はあるけれど別の分野では持っていないということもある。いろんな分野を楽しむ能力をもともと持っているのが一番幸福な状態だとは思うけれど、能力を持っていなければ人生を楽しめないかと言ったらそうじゃない。楽しむ能力は後天的に身につけることができます

 たとえば、あなたが『ONE PIECE』を普通に読んで楽しめる人だとします。そこで作者の尾田栄一郎が、実は『るろうに剣心』の和月伸宏や『ジャングルの王者ターちゃん』の徳弘正也のアシスタントをしていたという情報を得る。そうすると、「このギャグの入れ方は徳弘正也の影響かな?」とか「この刀の使い方の描写は和月伸宏から学んだのかな?」なんて考えながら、新しい楽しみ方をすることができるようになったりする。

 「新しい情報・視点」を取り入れることでより楽しめる、というのはマンガやアニメの話だけじゃなくて、ワインや陶芸でも同じだし、ビジネスや仕事でも同じ。そして当然それは就活でも同じことです。意識的に「楽しむ能力を身につけることを楽しむ能力」を身につけてしまえば、それだけで人生はけっこう豊かになるものです。
 エヴァンゲリオンの制作会社ガイナックスの創業者 岡田斗司夫も言っています。「悲観や楽観は性格じゃない。人生というマーケットに対する戦略」である、と。楽しむ能力を身につければ、人生で嫌なことは発生しにくい。

 「就活がしんどい」とか「仕事がしんどい」という人は、就活や仕事の楽しみ方を知らない。楽しむ能力が「まだない」状態にあるだけ。そういう人たちに、就活の楽しみ方を伝えていくのが、このブログの目的です。どちらにしてもやらなきゃいけない就活なら、ちょっとだけ新しい視点や情報を自分の中に入れて、楽しむ能力を身につけちゃえばいいんです。

で、その方法をこのブログで書いていこうとしているわけです。