人のメンタルが崩れちゃうときの特徴に「どうしようもないこと」を気にする、という部分があるように思います。基本的にぼくは、まず精神的に崩れることがないのですが、人の話を聞いているとそういう共通項があるように見えるんです。

最近よく学生たちに話していることなんですが、ぼくらの身の回りには「コントローラブル」なものと「アンコントローラブル」なものがあります

コントローラブルというのは、もちろん操作可能なもの。
「早起きをする」とか「ブログを書く」とか、自分が「やる」と決めて動けば実現できるもの。

一方、アンコントローラブルは、自分では操作不可能なもの。
「世界に平和を!」ほどの大きなことじゃなくても、「あの子が自分を好きになってほしい」もそうだし、「天気が良くなってほしいなぁ」もそうです。


で、精神的に弱りやすい人は、「アンコントローラブル」に縛られやすい
基本的にアンコントローラブルなものを意識しても、何の意味もないんです。
何の意味もないのに、アンコントローラブルなものに対して、ネガティブに捉えてる。そんな自分の努力でどうにもならないものは、基本的に自分の人生においては「ど~でもいいもの」でしかありません。もしくは「どうにもできないもの」です。そんな自分でどうしようもないものに、自分の精神や健康を奪われるのって、もったいない。

とは言っても、どうにもならないのはわかっているけど気にしちゃう、という気持ちもわかります。それを大事に思ってるから、「どうにかできたら!」と考えちゃうんですよね。「そんな簡単に割り切れたら、世話ねーよ」なんて、ぼくもよく言われます。


でもね、やっぱりそういうのは「どうにもならない」んです。
もうちょっと正確に言えば、「いまの自分には、どうにかできる力がない」んです。
「アンコントローラブル」なものなんて、気にしすぎないほうがいいです。 


できることは「アンコントローラブル」のものを「コントローラブル化」することだけ。

「お金持ちになる」のは、アンコントローラブルです。
それをコントローラブル化すれば、働く、スキルを習得する、投資する、宝くじを買う。どれもコントローラブルなものです。

「部下ががんばらない…(もっとがんばってほしい)」のは、アンコントローラブル。
「がんばれそうな仕事を任せる」のはコントローラブルだし、「飲みに誘って、がんばれない理由を聞く」のもコントローラブルです。

「内定ほしい!」もアンコントローラブルで、「就活ゲームを読む」のも「ぼうけんの書を毎日書く」のも、コントローラブル。

「あの子が自分を好きになってくれる」のは、アンコントローラブル。
「彼女の好きなタイプを聞く」はコントローラブルです。「毎日ホメて、口説く」のもコントローラブル(それが効くかどうかは相手しだいだけれど)。

「途上国では、毎秒何人の子どもたちが命を…」も悲しいことではあるけれど、アンコントローラブルです。
自分にできるコントローラブルなことは「募金をする」とか「里親になる」とか「医者になるために勉強する」こと。


ぼくの経験で例えると、ぼくは高校生のときに「途上国の現状を変えたい」と思って、大学に入って勉強をしました。でも、「途上国の現状を変える」というのは、当時のぼくにとってはとてつもなくアンコントローラブルなことでした。当たり前です。
そこで、できるだけ「コントローラブル」なものに落とし込んでみました。その結果、「自分が顔と名前を知っている人の生活に、少しでも好影響を与える」というあたりにまで持っていけた。
もちろん途上国の現状は、当時に比べていまも大して変わっていません。それでも、ぼくは自分にとって楽しいことができていて、少なからず人の役に立てている。
「人の役に立つ」はまだまだ曖昧で、本来もっと細かく落とし込んでいるけれど、そこはまた追々書く(ことがあれば書く)として。

結局は「自分にできること以外は、世の中の大部分はど~でもいいこと」でしかないんです。
そう考えたほうが楽だし、自分だって成長できる。 


自分が影響を与えられないもの――世の中の仕組みや政治の汚職、大学教育の実態や途上国の現状といった大きなものはもちろん、「なんだか変えられそう」に見える人の感情や人の行動、相手との関係性ですら、所詮アンコントローラブルなんです。

だからこそ結局は、自分ができることを、やるだけでしかありません。
自分の身の回りが変わらないのは、単に「自分がやってないから/できていないから」というだけでしかないんです。

ちょっとだけ背伸びをしながら、「コントローラブル」を増やしていく
そうすることで「あの子が好きになってくれる」可能性も高まるし、「部下ががんばる」ようになるかもしれないし、お金持ちになれる確率も上がるし、そりゃ内定だってとれるようになる。

アンコントローラブルなものに意識を向けて悲観することほど、ムダはありません。

桜木くんも言ってました。
「俺に今できることをやるよ!!やってやる!!」
ホントそのとおり。
悩んだり、落ち込んでるヒマがあったら、自分にできることをちゃっちゃとやっていきましょう♪